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電話法

電話法では、調査員が電話を通じて対象者に質問して回答を求め、その結果を手もとの調査票に記録する。面接法、郵送法にくらべて、現地で世帯を探したり調査票の発送回収をしたりする手間が省け、それが実査期間の短縮、費用の節約にもつながる。また即時性が大切なテーマなどにも適している。しかし、質問の量をあまり多くすると途中で切られること、こみ入った質問はなかなか話が通じないこと、回答カードを見せられないことなどの理由から、比較的簡単な調査内容に限定される。

電話法の利点

  1. 迅速性 … 対象者をたずねて行く必要がないので、調査地点までの往復と世帯間移動の時間が節約できる。また電話帳で対象者をえらぶので予め標本抽出をするときの手間もすくない。
  2. 調査の即時性 … 短時間に集中的に調査できる。あるCM放送の30分以内にその記憶を述べてもらうには、電話法以外に考えられない。
  3. 地域に制約されない … 対象者が地域的に散在していても、電話料金以外の点では問題ない。広範囲のときは分割して発信地点を設置すればよい。
  4. 費用が安い … 面接法にくらべて安い。ただし質問数が多くないので、1問当たりの費用にすると必ずしも安いとかぎらない。
  5. 調査員を管理しやすい … 調査員を管理者の目のとどくところで作業させれば、指導、監督が容易である。

電話法の欠点

  1. 質問量を多くできない … 面接法とくらべて対象者は退屈しやすいし、わざわざたずねて来たということへの負い目も感じないわけだから、長い質問を強制できない。
  2. むずかしい質問ができない … 電話ではどうしても気ぜわしく、質問は機械的で早口になる。相手もあまり考えず反射的に答える。回答カードを見せられないので 質問がくどくなり、その内容がうまく伝わらない。
  3. 回答の正確さがわからない … 相手は電話をかけてきた人を信頼せず、本当のことを言わないかもしれない。調査員も相手の態度を観察できず、回答の正確さを判断しにくい。ただ顔が見えないので、ホンネを口に出す対象者が意外に多いかもしれない。
  4. 電話番号簿が全加入者をカバーしない … 掲載拒否世帯が対象者からもれる。また携帯電話の普及で世帯加入が減少するとすればこの傾向は促進される。

電話法の適用

上述の利点欠点を考慮に入れた上で、次のような目的に適している。

  • 即時性を利用して番組の視聴率、CMの認知、評価を知るのによい。
  • 迅速性と地域の制約がないので全国的な世論調査などに向く。
  • 手軽さと費用が安いことで、簡単なアンケートや市場調査、例えば新製品の認知や購入の有無、ある銘柄の小売店取扱い状況や販売価格を知るのによい。

ほとんどの市場調査会社は電話によるリサーチを引き受けている。とくにブース(専用室)を持つ会社のいくつかはコンピュータシステムのCATI(カティ)を取り入れている。CATIの機能は次のようである。

  1. ディスプレィに質問文が表示され、調査員は回答をキーボードで入力するので、紙と鉛筆が不要になる。
  2. 電話番号簿を必要としないランダム・デジット・ダイアリングによる自動発信ができる(加入未掲載者に対応)。
  3. 対象者が回答した瞬間にエラーチェックができる。また即時追求質問(プロービング)ができる。
  4. ブランドや質問の順序のローテーション、複雑な質問フローに対応できる。
  5. 不在対象者には都合のよい時間帯にオートダイアル方式で何度でもコールできる。
  6. リアルタイムで回収状況をモニターできる。図はCATIのシステムの一例である。

図 CATIのシステム構成

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注:(株)日本リサーチセンター