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留置法

いろいろの調査手法

個々の対象者を調査する方式としては、(1)調査員が直接面接して質問し回答を書き取る「面接法」、(2)それを電話で行う「電話法」、(3)調査票を郵送し回答済み票を返送してもらう「郵送法」などがあり、またファックスやインターネットを利用する方法も徐々に普及しはじめている。そのなかでこの「留置法」も比較的多く用いられる一手法となっている。

ふつう対象者を訪問してその場では調査票の記入を依頼するだけとし、そのあと再訪問して記入済み調査票を回収するやり方が留置法である。あるいは製品の試用を依頼して置いてくる世帯留置テスト法もこの用語に含めることができるが、ここでは前者の調査票のみの留置きを指すことにしたい。

以下に留置法がほかのいろいろの手法に優先して用いられる場合を3つほど、順に掲げよう。

一定期間の事実の正確な記録がほしい

各世帯に日記帳形式の調査票を渡しておき、ある範囲の指定品目について購入のたびに、銘柄、数量、単価、購入店などを記録してもらう。これにたいして面接法では同様の項目を相手の記憶をあてにして、「過去1週間にお買いになったものを教えて下さい」という一回切りの質問によって引き出そうとするのだが、留置法の正確さにかなわないのはもちろんである。ただ習慣的な事実たとえば「喫煙本数」とか「美容院に行く回数」などは面接法で聞いて十分であるし、また記憶に強く残る「家電製品」などの高価な商品についても面接法がずっと適しているのは当然であろう。

現状についてくわしく知りたい

たとえば「所有化粧品」の銘柄や個数を正確に知ることはその種類数が多いことや置き場所がアチコチ分散している(部屋、ハンドバッグ、職場その他)などの理由で、一回きりの不意の訪問では調査困難である。台所にある調味料種類や銘柄を知りたいようなときも留置法がすぐれている。あるいは会社対象のときに、保存する資料や帳簿の内容を見て記入すべき事項、上司の許可を必要とする事項などがあると、調査票をしばらく留置きして待つ必要がある。

面接法で聞ききれない

質問量が多くて面接相手に長時間負担をかけることになるとき、その一部をあらかじめ自記入式に作っておいて対象者の手元に置いてくる。留置きすべき部分としては、(1)耳で聞いて答えるより自分で読んだほうが手早く理解できること、(2)回答が機械的に繰り返し行えること、(3)内容に興味があることなどを目安にして選べばよい。

事例 - メニュー調査

家庭における1日3度の食事の献立(メニュー)を正確に知りたいとという調査としては、留置法以外にない。この種の調査を定期的に行っている会社は二、三あるが、ここでは(株)マーケティング・リサーチ・サービスが実施している同調査の設計について見てみよう。

  1. 地域 … 首都30km圏
  2. 期間 … 1975年から3年ごとに、各5週間×4期(季節)
  3. 対象世帯 … 各期240世帯
  4. 調査方式 … 留置法による1世帯2週間の記入、期間内でローテーションによって2週間を割り当てる
  5. 調査項目 … 料理名(約520分類)、材料名(約430分類、調味料を含む)、調理方法(*)、調理器具、その料理を食べた人など
  6. 集計 … メニュー頻度表(食事時間帯、調理方法、個人特性別)、材料使用頻度表(食事時間帯、メニュー別)、その他

調理方法は料理名と材料名から識別する(下表例)。

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