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インテージフォーラム 2015 開催報告
~セッション 第3クール~

セッション:第3クール

 
Z01

Logデータが切り拓く広告効果検証の新しい世界

Z02

インテージの考えるリサーチとクリエイティブの新しい関係
リサーチのその先へ。“デ・サインリサーチ”でアイデアをカタチに。

Z03

新たなブランド資産測定のあり方 エクイ・リサーチ
購買意欲とブランド力を高める戦略導出に向けて

Z04

TVの転換点から、メディアの未来を展望する
TVマルチスクリーン戦略のKSFをインテージ・データ解析により解明

Z05

訪日インバウンド市場から越境EC、その先へ
インテージグループが提供する訪日ソリューション

Z06

注目MDのショッパーと売場づくりのポイント

   
※セッションの一部を公開しています。                    

Z02:インテージの考えるリサーチとクリエイティブの新しい関係
リサーチのその先へ。“デ・サインリサーチ”でアイデアをカタチに。

 

近年、マーケティングリサーチに対する期待や満足度が低下している。インテージでは、マーケティング支援だけでなくイノベーション支援の両方を手掛けていかなければと、本当の意味での企業と生活者をつなぐことはできないと考え、昨年からデ・サインリサーチに取り組んでいる。本質を発見してカタチにするというデザインという言葉をもとに、サインを見極めるという意味から、デ・サインリサーチとネーミング。生活者のサインを見極めてつくるリサーチをコンセプトとしていると紹介。

リサーチ会社は、これまで、クライアントから商品が売れるかどうかの市場分析などを中心に事業してきたが、売れそうなものをゼロから調べて新しくカタチにするところにかかわっていくことがデ・サインリサーチ。仮説をもたずに、生活者の生活全貌を見て、重要な生活文脈の理解を進化させて、人物像や生活ベネフィットをカタチにする。そして、最終的に生活者のなりたい姿・生活の「なぜ」から、プロダクトに落とし込める要素を見つけ出していくことが必要。

デ・サインリサーチが求められる背景に、未対応領域を発見していく難しさがある。生活者は自分の経験値の中でしか言葉を発しない。広告制作の現場でもリアルな生活者視点をどうとらえるかの難しさがあり、生活者のサイレントニーズを可視化することで、アンケートやインタビューでもあまり表にでてこない、眠っている声をくみ取り、新たな価値創造につなげるアイデア、コンセプト、デザイン開発を支援していく。生活者のサインをカタチにするリサーチを全力で取り組んでいくとともに、多様な人たちともつながりを持ち、協業していきたいと取り組みを紹介した。

花王株式会社
ファブリック&ホームケア事業ユニット
ファブリックケア事業部 グループ開発リーダー
水澤 公宏 氏

株式会社アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョー
コピーディレクター
藤枝 祐子 氏

株式会社インテージ FMCG事業本部
カスタムリサーチ部長
江島 賢一郎

株式会社インテージ FMCG事業本部
カスタムリサーチ部 シニアアナリスト
鮎澤 留美子

Z03:新たなブランド資産測定のあり方 エクイ・リサーチ
購買意欲とブランド力を高める戦略導出に向けて

 
味の素株式会社 食品事業本部 家庭用事業部
マーケティング担当次長
古川 光有 氏

株式会社インテージ FMCG 事業本部 CS3部
ブランドマーケティング戦略
プランニングディレクター
佐藤 忠

これまでのブランドエクイティの概念では、認知や連想といった意識資産を中心に評価してきたが、それだけでは正確なブランドエクイティや実体経済を反映したブランド資産の要素解明が難しかった。意識的資産に加えて購入意向に密接に結びつく「絆」や、SRI,SCIなどの実購買のパネルデータをもとに分析するのがエクイ・リサーチである。

ポイントは3つあり、1つがブランド資産の指数化によるブランド育成状況の把握。これは国内初のモデルで、世界的にも実購買パネルデータと組み合わせた分析はほとんどない。2つ目が課題を解決するブランド連想のあるべき姿の導出。3つ目がブランドをドライブする最適な戦略の方向性導出である。保有する全てのパネルデータから課題を抽出し、意識データを用いて解決策を見つけ、ブランド資産の鮮度を保ち購買意欲を喚起する戦略を立案する調査モデルで、味の素様とその取り組みを進めている。

味の素様の代表的ブランド「クック・ドゥ」は、近年、社会情勢の変化などもありブランド連想の総量は上がらず、発売当初からベンチマークしてきた「本格」「簡便」というイメージの低下も継続したことで、新しいエクイ・リサーチという手法での分析を採用。本分析を用いてクック・ドゥを競合比較も含め詳細に分析することによって、相対比較によるブランドの価値が整理でき、次のアクションへの方向性も理解することが可能になった。エクイ・リサーチによって、ブランド間における連想価値の差と構造が明らかになり、現有資産と新たな価値がブランドに付着していることが可視化できたという成果が得られたとお話しいただいた。

関連ソリューションページ

Z04:TVの転換点から、メディアの未来を展望する
TVマルチスクリーン戦略のKSFをインテージ・データ解析により解明

 

現在、テレビの視聴率は後退している。1990年代くらいまでは7割を超えていたが約15年で約1割落ち、広告収入でも苦戦を強いられている。

このためTBSテレビでは、「TBSオンデマンド」ブランドのもと、有料と無料の動画配信を行っており、その目的は、地上波番組視聴への回帰と番組ネット配信ニーズへの対応、正規版配信による違法動画の駆逐である。有料課金型動画配信は、現在約7,700本にのぼりマルチデバイス対応している。無料広告型動画も、毎週15番組配信し、このほかにも、さまざまな配信事業者と組んでコンテンツを提供、「メディア価値最大化」に取り組んでいる、と高澤氏よりお話しいただいた。

配信事業者の競争が激化している現在、注目すべきはSVOD(定額見放題サービス)である。現在のコンテンツ配信はパソコンとスマホが中心なので、これをテレビデバイスにどう出していくかが民放の課題。背景にあるのがスマホやスマートテレビの拡大と動画配信市場の成長である。

i-SSPのデータを使った調査では、テレビ番組をインターネットで視聴できる機能の「見逃し視聴」のうち約75%がその後のTV視聴につながっているという結果が出ている。見逃し視聴はTV視聴回帰につながることから、見逃し視聴の拡大する環境が必要。広く誘導するためには多メディアでの適切なおすすめコンテンツが必要で、その分析には「Deep Learning」(深層学習)など高精度の手法が必要になる。i-SSPを使えばさらにより納得性の高いおすすめができると説明した。

関連ソリューションページ

次世代メディア研究所 代表 鈴木 祐司 氏
株式会社TBSテレビ メディアビジネス局
ペイテレビ事業部 部長代理
高澤 宏昌 氏

株式会社インテージ MCA事業本部
データサイエンス部長
近藤 節

Z05:訪日インバウンド市場から越境EC、その先へ
インテージグループが提供する訪日ソリューション

 
株式会社インテージ グローバルサービス部 趙 鋒
株式会社インテージコンサルティング
事業開発プロデューサー
春山 祥一

爆買いで注目される訪日インバウンド市場だが、そのPDCAを見ていくと日本で商品を購入した人が口コミやSNSで発信し、それが中国国内での購入につながり、越境EC、アウトバウンドという流れになっている。インテージは、訪日インバウンド市場向けに訪日センサーパネルによる売れ筋把握・市場推計や独自分析手法「レコリサ」によるカスタマージャーニーの把握などを行っている。

レコリサの調査では、訪日前にネットなどで情報収集してくるものの、実際は欠品などで買えず、予定外の商品を購入しているケースも多いことがわかった。また帰国後は購入した商品の使用感などをネットにアップしていることも確認できたと調査結果を説明。

しかし、最近は、越境ECでの獲得、さらにはその先にあるアウトバウンドでの拡販に関するお問い合わせも多く頂くため、インテージでは、越境ECやアウトバウンド市場の理解や海外でのビジネス展開に関するソリューションも展開していると紹介。

中国における越境ECは、非対面取引という形のECだけでなく、テレビショッピングなども含まれる。また商品チェックや検査が緩やかなのも特徴で、中国全土から注文が入ることから欧米企業はテストマーケティングに使っている。越境ECの対象となる新中間層人口は2020年には2.8億人になるとみられており、インテージは中国企業と組んで11月から越境ECのプラットフォームに店を設けてテストマーケティングを行う予定。日本ブランドの価値把握やコンセプトのスクリーニングを実施し現地での販売に向けたツールに活かしていくとともに、メーカーや小売り企業にデータをフィードバックしていく計画と状況を話した。

Z06:注目MDのショッパーと売場づくりのポイント

 

スーパーでは健康系商品に占める特保や機能性表示食品の売上はまだまだ低い。1人当たりの年間購入額をみても伸びておらず、足踏み状態である。特保や機能性表示食品の購入経験者の中心は、50~60代の健康シニア層。こだわりは少ないが欲しい時にすぐ買いたい「自分簡便」、「本格派」、「健康ファミリー層」だ。健康系商品の購入経験者は来店頻度、1回当たり購入金額は全体より高い傾向があり、こうした層に着目した取り組みがスーパーの今後のターゲットになっていく。

今後の取り組みの方向性としてのポイントは5つ。1つは、通常商品からのスイッチングをどういう形で健康系MDにつなげていくか。「ついで買い」「比較購買」への誘導。2つ目は、スーパーそれぞれが画一的に商品を並べるのではなく、差別化を図る要素として健康系MDをどう使っていくのかを考えた業態ごとの販売方法の展開。ストアコンセプトの再定義も求められる。3つ目は、食という切り口での関連販売をどう考えていくか。4つ目が、通常商品を健康志向に高めていくことでの需要喚起。5つ目は、売場で当該商品を見たときにどれだけ情報を可視化ができるか。売場のわかりやすさも求められる。

小売業を含め企業は変化に対応することが重要。そのためには、顧客起点をどう実現し業務プロセスに落とし込んでPDCAのサイクルを進めていくかが企業戦略の中心になる。インテージは多様なデータを保有し、その活用としてGenometrics(ゲノメトリクス)などを開発。今年度から小売業専門の組織も立ち上がり、さまざまなツールを使い製販の協業もサポートしていくことを紹介した。

関連ソリューションページ

アズライト 代表 榎本 博之 氏
株式会社インテージ
マーケティングイノベーション本部
リテールサービス部長
野口 守彦