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健康食品の購入実態:健康食品、サプリメント利用経験者はおよそ6割(2004年5月)
PICK UP
  • 購入金額は年齢別で顕著な差
  • 店頭販売は、2001年度に比べ2003年度は1.3倍の伸び
  • 中高年の女性が市場を牽引
株式会社インテージは、インテージのパネル調査のSLI(全国女性消費者パネル調査)、および SRI(全国小売店パネル調査)の調査結果から、店頭販売における、健康食品の購入実態をとりまとめた。また、健康食品・サプリメントの利用状況を把握するため、2003年に「生活健康基礎調査」を行った。
これらの調査結果によると、健康食品の市場が伸びていること、購入金額では年齢別で大きな違いがあること、また、中高年層の女性が市場を牽引していること、などがわかった。
調査結果

健康食品・サプリメントの利用経験率は6割

「健康食品」が世の注目を集めている。健康志向やマスコミの宣伝なども手伝って、かなりの勢いで伸びており、一大市場を築き上げているという。しかし、「健康食品」はきわめて定義があいまいで、実態がよくわかっていない市場である。ダイエット食品も含めた「健康食品」の市場は7千億円規模であるとする説もあれば、1兆4千億円という推計もある。
インテージが2003年4月に、京浜、および京阪神地区の男女2,310人を対象にした「生活健康基礎調査」によれば、健康食品・サプリメントを利用したことのある人(現在辞めている人を含む)はおよそ6割となっている。

図表1)
健康食品・サプリメントの利用経験率

調査対象:京浜・京阪神に居住する16~65歳の男女個人

「健康食品」の市場実態がはっきりとつかめないのは、この市場がもともと口コミや訪問販売、通信販売などの店頭販売データでは捉えることのできないルー トで成長してきたという理由と、市場の多くは多数の中小メーカー商品で占められているため、大手メーカーの出荷実績だけでは全体像がつかめないことによる。
インテージでは、店頭販売されている健康食品についてはSRI(全国小売店パネル調査)で常時把握しており、マーケットサイズについてもほぼ実勢を反映したデータをリリースできるが、上記の様な、この市場特有の事情を鑑みて、まず、「健康食品」の購入ルート全体の構成を押さえた上で、店頭販売の動向について分析することとしたい。

購入ルートの86%は店頭以外(金額ベース)

1999年と、少々古いデータであるが、SLI(全国女性消費者パネル調査)により、健康食品の購入ルート構成比を見たのが図表2である。調査対象が女性個人なので、女性の購入実態と捉えることができる。

図表2)
健康食品全体の購入ルート(SLI)

注:「その他」には、バラエティショップや友人・知人間での購入が含まれている。

「訪問販売」+「通信販売」+「その他」の店頭以外での構成比は購入個数ベースでは79.7%、金額ベースでは86.6%を占めている。金額ベースで見ると個数ベースより薬局、通信販売の構成比が減り、その分訪問販売やその他の構成比が増えている。訪問販売や友人・知人間での購入のケースでは単価の高い商品が購入されていることになる。健康食品の多くは、店頭以外のルートで購入されていることがわかる。

加齢と共に支出金額は上昇

また、同じSLIデータにより、年齢別の健康食品への支出金額を見ると、加齢と共に支出金額が急上昇。健康食品は、中高年に支えられた市場であることがわかる。

図表3)
健康食品全体の年齢別購入金額(非購入者含む)(SLI)


これらの商品特性を前提とした上で、ここ3年間の成分別の店頭での市場動向が把握可能なSRIデータにより、「ドラッグストア、スーパー、コンビニなどの店頭で販売されている健康食品」の分析を行ってみる。

店頭販売にみる健康食品の市場規模は2年間で30%増

SRIデータにより健康食品の小売店販売金額の推移をみると、2001年度(2001年4月~2002年3月。以下、年度データはすべて4‐3月)を100とするとき2003年度は133と大幅に市場が拡大していることがわかる。この傾向は医薬品の総合ビタミン剤の市場規模推移(同指数87)と対比するとより顕著である。消費者の多くが、サプリメント等の健康食品を求めるようになってきたことが象徴的に現れている。

図表4)
店頭販売健康食品の市場規模推移(SRI)

上段:億円、下段:指数(2001年度=100)

ウコン、グルコサミン、マルチビタミンが市場規模を拡大

健康食品の販売金額上位品目は長らくアガリクスとクロレラが1位、2位を占めてきたが、傾向としては伸び悩みである。他方、ウコン、グルコサミン、マルチビタミンは順調に市場規模を拡大してきている。骨粗鬆症に効くとされる「グルコサミン」の伸長などがそれを裏付けている。健康食品全体が、中高年女性に支えられている(図表3)。

図表5)
店頭販売健康食品上位5成分の市場規模推移(SRI)

アガリクス : キノコの一種。キノコの持つ多糖体は免疫作用を活性化する作用があると言われているが、アガリクス茸は特に、その免疫力を活性化する作用が高く抗腫瘍活性をもつと考えられている。
クロレラ :アルカリ性食品の王様と呼ばれ、各種栄養素をバランスよく含んでおり、不足しがちな栄養素を補うとされている。
ウコン : 肝機能強化、胆汁分泌促進(利胆)作用、健胃・殺菌・防腐効果などがあるとされている。
グルコサミン : ひざ・腰・股関節・座骨・関節リウマチ・骨粗鬆症などによいとされている。
マルチビタミン : ビタミンA、B群、C、E、D、Pなど多数のビタミンが同時に摂取できるサプリメント。

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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