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中国の消費者の生活と意識の概要(ICCI2004年版基礎レポートから)(2004年11月)
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  • 北京は国営企業、上海は欧米企業に勤める割合が高く、広州は個人経営主が多い傾向
  • 富裕層は上海の20代に多い。一方で、広州は中間層が厚い
  • 国営企業より外国企業、さらに私営企業の方が収入の水準が高い
  • 上海と北京では「商品をはっきり評価する」「自分で試す」意識が高く、広州は「価格」重視
株式会社インテージでは年に一度、中国の三大都市(北京、広州、上海)において女性の生活意識や行動意識を調べるために、ICCI(INTAGE China Consumer Insight)を実施しています。
ICCIは、中国市場で事業を展開している日本企業によって、中国都市部の生活状況や意識を知るための基礎情報として利用されています。3都市間での比較や経年比較、あるいはインテージの他の調査と組み合わせての日中比較にも利用できます。
今回は、ICCIの2004年版基礎レポートからその一部を紹介し、中国の三大都市の生活者の特徴を見ていただきます。
調査結果

中国の消費者の生活と意識の概要

1. 中国三大都市の特徴

調査結果を見ていただく前に、調査対象である三大都市の地理的、経済的特徴を簡単にまとめておきましょう。

北京は中国の政治の中心で、市の面積は他の2都市に比べて大きく、歴史上の建造物や観光名所も多い都市です。上海は古くから外国資本や文化の窓口と なっており、経済規模は他の2都市よりも大きく、映画やナイトクラブなどのエンターテイメントも古くから盛んです。
一方、広州はさらに南部の海岸沿いの都市で、飲茶など独自の文化を育んでおり、現在では一人当たり消費支出が最も高い都市の一つとなっています。

2. 消費者の特徴

(1)勤務先

3都市間で比較すると、北京は国営企業に勤務する人が多く、上海では欧米企業に勤める割合が他の都市より多い傾向があります。広州では「その他」の回答が多くなっていますが、これは個人経営主が多いことを示しています。


(2)世帯月収

3都市間で比較すると、月収5,000元以上の富裕層は上海に特に多い一方で、広州では月収3,000元から4,000元の中間層が厚く、これら中間層が広州の消費の豊かさを支えているものと思われます。


世代別で見ると、月収5,000元以上の富裕層は20代に多く、「年功序列」の日本とは異なって、年齢が若いほど収入が高い傾向があることが分かりました。また、国営企業勤務者では月収3,000元台が最も多いのに対して、欧米企業勤務者では4,000元台、その他(個人経営主)では5,000元台が最も多く、国営企業より外国企業、さらに私営企業の方が収入の水準が高いことがうかがえます。



3. 生活、情報環境

(1)乗り物

自宅所有の乗り物を聞いたところ、北京、上海では自転車の普及率が非常に高くなっています。また、上海では助動車(排気量36cc以下)の、広州ではオートバイの普及が他都市に比べると進んでいます。
一方で、この時点での普及率は高くありませんが、近年では自家用車の普及が急速に進んでいます。


(2)新聞

3都市とも、それぞれを代表する地方新聞が好まれており、「人民日報」のような全国紙への支持はそれほど高くありません。なお、「晩報」は夕方に発行される新聞のことですが、日本のいわゆる夕刊紙とは性格が異なります。


(3)好きなタレント

男性タレントでは、3都市共通でアンディ・ラウが最も支持されています。その一方で、2位以下にそれぞれの都市での個性がはっきり出ているのが興味深いところです。

女性タレントでも、マギー・チャンが3都市全てでTOP3に入っていますが、それ以外では各都市の個性が分かれています。

4. 消費意識と行動

「商品をはっきり評価する」「人の意見より、自分で試す」といった項目に「当てはまる」と回答した人の割合は、北京と上海で広州より高い傾向にあります。化粧品の選択に関しても「自分の個性を表現できるものを選ぶ」とした人が北京と上海では高い傾向にあり、自分に合う商品を厳しく評価して購入したいと いう意識が高いことが分かりました。





一方広州では、「銘柄にこだわらず安いものを選ぶ」「ディスカウントストアなど安売り店をよく利用する」とした人が北京・上海に比べて高くなっており、価格を重視する傾向が高いことが分かります。



ICCI調査概要

(1)調査目的

中国3大都市における女性の生活意識および行動意識を調査し、食生活、化粧、買い物、世代間の意識の違いなどをさぐる。インテージオリジナルの中国市場に関する基礎データとして位置づけており、中国の生活者の実態及び意識を経年で捉える調査である。

(2)調査設計

  • 調査都市:北京、上海、広州
  • 対象者条件:15-49歳の女性個人、学生及び社会人、世帯当たり月収入2,000元以上など
  • サンプル数:1,260s(各都市420s×3都市)
  • 調査方法:訪問面接
  • 対象者抽出方法:各都市の区×年齢の人口構成比にあわせサンプル配分
  • 調査申し込み締め切り:2005年9月
  • 実査時期:2005年10月(予定)

(3)主な調査項目


A.消費者の特徴
  • 個人:年齢、性別、学歴、婚姻状況家族
  • 家族:同居家族人数、家族形態、お手伝い有無
  • 職業:業種、所属企業属性、転職経験有無
  • 収入:個人月収、家庭月収
  • 支出:エンゲル係数、外食費、服飾費
B.生活者の基礎
  • 生活時間:起床/就寝、食事、仕事、買物、家事、余暇
  • 食生活:食事内容(有無、メニュー、外食状況)、夕飯の自炊頻度
  • 購買行動:買物頻度
  • 余暇行動:趣味、レジャー、旅行観光
  • 衛生環境:歯磨き時間帯・頻度、洗濯方法・頻度、洗髪時間帯・場所、入浴方法・頻度
  • 美容:ヘアカットの場所・頻度、基礎/メイク化粧率
  • メディア接触度:各種メディア接触時間、新聞・雑誌定期購読状況、購読紙(誌)
  • 住居:住居形態、住居面積、居住年数、住居購入状況、ローン支払い年数、月額家賃
  • 住居設備:浴槽・シャワーの保有率、保有耐久消費財、テレビ保有台数、CATV・衛星放送加入の有無
  • 車・バイク:免許保有有無、保有意向
  • 通信設備:固定電話・携帯電話・PHS保有有無、ISDN加入有無、インターネット利用頻度、利用サイト、月額通話費
  • 保険・金融商品:加入状況
  • 健康:市販薬利用状況、喫煙率・喫煙本数、飲酒率・飲酒カテゴリー・飲酒頻度
  • ペット:飼育有無
C.各種意識
  • 生活意識
  • 食意識
  • 健康意識
  • 食料品、日用雑貨品の購買意識
  • 化粧品の購買意識、化粧意識

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ex)
インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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