• シニア犬用フード市場は5年前の3倍に拡大
• ペットブームの影にシニア犬の悩み
• シニア犬の70％は老化サイン
• 愛犬の健康には散歩と適度な食事

MPIデータ

最近数年のペットフード市場動向をMPIデータでみると、シニア犬用フードが伸びている。2004年時点で約130億円の市場規模である。5年前に比べると3倍に成長している。

[図1] 

シニア犬用フード　市場規模推移（MPIデータ 金額）

　　　

シニア犬用フード　市場規模推移（単位：百万円）

インターネット調査

犬の年齢は犬種や大きさにより大きく違うが、一般に、生後1歳になると人間の18歳に相当すると言われている。その後は人間の1歳が犬の4歳ぐらいにあたるとされている。
インテージのインターネットリサーチモニターのサブモニターとして、ペットモニターがあり、犬種や年齢を詳細に捉えている。今回の調査はこの中から7歳以上の愛犬をシニア犬として調査した。これは人間年齢に換算すると44歳以上にあたる。

愛犬の症状や行動を聞いたところ、「特にない」という健康な愛犬は30％で、何らかの症状がある愛犬は70％である。
具体的な症状で多いものをみると、「眼球が白っぽく濁る」33％、「口臭がきつい」24％、「口や鼻のまわりに白髪がでる」21％である。

[表2] 

愛犬の症状や行動（Ｎ＝375　複数回答）

最も症状の多い「眼球が白く濁っている」を犬年齢15歳以上（人間年齢76歳以上）でみると70％と、ほとんどの愛犬で症状があると回答している。

愛犬の健康を意識してフードを与えているかを捉えたところ、何らかのフードをあたえているという回答は、77％である。どんなフードかをみると、「市販のシニア用ペットフード」が61％、「手作りの食事」15％である。最近流行している「サプリメント」は8％、「市販の効果訴求（サプリメント入り）」は5％である。

[表3] 

愛犬に健康を意識してあたえているフード（Ｎ＝375　複数回答）

愛犬のための健康を意識してやっている生活習慣・行動を聞いた。
9割弱がなんらかの行動をしている。具体的には「食べ過ぎないようにしている」46％、続いて「積極的に散歩に連れて行く」42％である。人間の健康と同じ意識である。

[表4] 

健康のためにしている生活習慣（Ｎ＝375　複数回答）

第一次ペットブームは1980年後半から1990年前半であった。そのころ初めて飼った愛犬は、現在15歳前後である。人間の年齢では76歳である。高齢犬の抱える問題は多岐にわたる。更なる詳細な実態把握が必要となろう。