九州・熊本地震によって見られた生活者の変化【防災編】
PICK UP
  • 大規模震災発生確率が高いとされるエリアで防災行動に変化
  • モノによる対処だけでなく、「家族のつながり」を意識した行動も
  • 求められているのは、この先避難する時に役立つ情報

このたびの九州・熊本地震で被災された皆様、ならびにご家族、ご関係者の皆様には謹んでお見舞いを申し上げます。
被災地におかれましては、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

株式会社インテージは、調査データによる「ファクト」をベースとして、生活者の消費行動・意識などの変化を捉え、「生活者の声」として届けることで、お客様企業・自治体の活動にお役立ていただいております。更にはそれによって、お客様の先にいらっしゃる生活者の皆さまの暮らしを豊かにするお役に立つことを目指しております。

この活動の一環として、熊本・九州地震を経ての生活者の変化や、求めているものについて調査を行った結果を、比較的生活者心理への影響の大きかった『防災』をテーマにまとめました。

調査概要
調査方法
インターネット調査(インテージ・ネットモニター)
調査地域
熊本県および大分県を除く全国
対象者条件
18~69歳の男女
職業除外条件
本人および同居家族が次の職業に従事している場合は除外:マスコミ・広告/市場調査
標本抽出方法
・弊社インターネットモニターより適格者を抽出(設定各セル内での等確率抽出)
・回収目標3,000s(エリア×性別×年代で母集団準拠)
※母集団構成比にあわせてウェイトバック集計
有効回収数
配信数:13,387s、有効回収数:3,228s、有効回収率:24.1%
調査実施時期
2016年6月3日(金)~2016年6月6日(月)
調査実施機関
株式会社インテージ

調査結果

1.支出への影響は?

◆支出への影響は限定的

はじめに、九州・熊本地震による生活者の支出への影響を振り返ってみました。
消費者の日用品への支出費用については、全国的には震災の起きた週に目立った動きは見られませんでした。
また、支出意向の変化について聞いたところ、「変化があった」、「今後あるだろう」と回答した人は被災地周辺にあたる九州エリアでも10%強となっており、東日本大震災時と比べ、被災エリア以外における影響が限定的であることがわかります。
東日本大震災の際に同様の調査を行った際には、防災意識や自粛意識、価値観の変化に伴う消費の見直しによって、全国で40~50%と、多くの人に支出意向の変化が見られていました。

[図表1]
支出の動き


[図表2]
支出の意向


2.生活者心理への影響は?

◆震災時の心理的影響の本質は変わらない(東日本大震災時との比較より)

次に、気持ちに何らかの変化があったか、『前向きさ』『平常心』『不安』といった感情と、『情報への関心』『人間関係への関心』『被災地支援意識』『自粛意識』『防災意識』『節約意識』といった意識を表す32の項目について、あてはまり度合いを聞きました。
明確に気持ちの変化があったと答えた人は少なく、ほとんどの項目で東日本大震災時の約半分から1/3となっていますが、上位に入る項目の顔ぶれはほぼ変わっておらず、震災時に心理的に受ける影響の本質は変わらないと言えそうです。
今回の震災による気持ちの変化としては、「防災意識」>「不安感」>「家族の安全に対する関心」>「被災地支援意識」の順に高まりが見られました。

[図表3]
震災を経ての今の気持ち


3.防災行動に変化があったのはどんな人?

◆大規模震災発生確率が高いとされるエリアで防災行動に変化

比較的変化が見られた防災意識について、実際にどのように行動に表れているのかを追いました。
調査では「震災前からしていた防災行動」「新たにした/する予定の防災行動」は何かを16の防災行動について聞いています(※16の防災行動については4章を参照)。
この結果を基に、「なにかしらの防災行動を新たに始めた人がどのくらいいるのか」、「実施する防災行動はどれだけ増えたのか」、をエリア間、性年代間で比較しました。

エリアで比較すると、新たな防災行動を始めた人が最も多く見られたのは被災地に近い九州で、43%の人が新たな行動を始めていました。
一人あたりの防災行動の数としてはもともと少なめだったのが、今回の震災を経て全国平均並みにまで増えています。
九州に続いて変化が見られたのは、南海トラフの影響範囲とされており、九州にも近い四国でした。
同じく大規模震災が起こる確率が高いとされている京浜、東海でも震災前から取っていた防災行動の数が多い上に、新たな行動を取っていました。
性年代で比較すると女性で特に新たな行動を始めた人が多く、防災行動の数も増えていることがわかります。
また、年代が高くなる程多くの防災行動をとる傾向が見られました。

[図表4-1]
新たな防災行動を始めた人の割合


[図表4-2]
一人あたりの防災行動の数


4.新たに行われた防災行動は?

◆モノによる対処だけでなく、「家族のつながり」を意識した行動も

具体的にどのような防災行動が震災前からされていたのか、新たにされたのか、を16の行動について見てみました。
もともと最も多くされていて、新たにする人も多かった行動は、非常用品の備蓄でした。
新たな防災行動としてとられやすかった行動は、非常用品の備蓄や家具の転倒・落下防止措置といったモノによる対処と、「安否確認の方法を家族や身近な人と話し合うこと」「避難の方法、場所について家族や身近な人と話し合うこと」といった家族間の話し合いでした。
生活者心理としても「家族の安心についての関心の高まり」が見られていましたが、改めて家族のつながりを意識し、行動に移した人が比較的多かったようです。

[図表5]
震災前からしていた防災行動と新たに行った防災行動


5.備蓄カテゴリーの動きは?

◆経験をもとにして、必要と思われるものを即座に備蓄

防災行動として最も行われていた「非常用品の備蓄」について、売れたモノのデータを追いました。
4月の1か月間の販売量に全国的な伸びが見られたカテゴリーのうち、備蓄目的で伸びたと考えられるのは米、米飯類、カップインスタント麺、レトルトカレー、栄養バランス食品、ミネラルウォーター、粉ミルク、ベビーフードでした。
これらの日別販売量を追ったところ、本震翌日の4月17日、翌々日の18日に大きく跳ね上がり、特に前年比が高い状態が約1週間続いたのちに、通常の水準に落ち着いたことが確認されました。

このように特定のカテゴリーが震災直後の1週間で集中的に売れるという状況は、生活者が何が必要かをわかって迅速に行動した結果であり、経験をもとにした適切な防災情報が得られていると言えそうです。

[図表6]
備蓄カテゴリーの日別販売量前年比推移


6.防災に関して求められている情報・サービスは?

◆求められているのは、この先避難する時に役立つ情報

防災のために普段から発信してほしい情報や提供してほしいと思うサービスについて自由回答形式で聞いたところ、『防災用品や備蓄品に関する情報』『災害の危険性・予測に関する情報』『避難に関する情報』の要望が目立ちました。
『事前の備え』という点では、パーソナライズされた情報や体験に基づく情報といったより実際的な情報や、リマインドしてくれる仕組みが求められているようです。 『避難に関する情報』については、今回の震災報道で見られた、支援物資が偏る「避難所間格差」に対する不安が大きいのか、避難場所の備蓄量や適切な支援物資の配布、有事の適切な避難場所選択に対する関心が強く、偏りのない避難所運営に関する取り組みが期待されていることがわかります。また、関心の高さ自体が生活者にとって避難生活が他人事ではないという認識になりつつあるため、と言えそうです。

[図表7]
防災に関して求められている情報・サービス


※本レポートに使用した当社調査データについて
SRI一橋大学消費者購買指数
SRI一橋大学消費者購買指数は、2014年9月にインテージと国立大学法人一橋大学、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会が立ち上げた「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の取組から生まれた、インテージSRIのPOSデータを使用している経済指標です。
正確・迅速な経済状況の把握や、新商品投入という観点での消費者の支出変化要因が把握可能な指標となっており、よりよい社会の実現に向けた、様々な学術研究に活用されています。

SRI(全国小売店パネル調査)
SRIはスーパー・コンビニ・ホームセンター・ドラッグストアなど全国約4,000店舗より収集している小売店販売データです。
店頭での販売実態を捉え、ブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。
オプション提供のDailyデータで日次のデータ変動を監査することで、より早期に、リアルに、市場の変動要因を把握することが可能です。

※同じ内容をPDFでもご覧いただけます。
九州・熊本地震によって見られた生活者の変化【防災編】(PDF)

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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