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『Pokémon GO』のスマホ利用へのインパクトは絶大!
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  • インストール数はリリース後3日間(7/22〜24)で1000万人以上(推計)
  • 初代ポケモン世代であるM1層・F1層(男女20~34歳)では利用率はジワジワと上昇
  • 「Pokémon GO」リリース後のスマホ利用時間の平均は46分。そのうちの23分は総利用時間として純増
  • 検索行動を見ると、インストール直後は抽象的検索が多く、翌日以降は操作方法や攻略情報といった具体的な検索行動に変化

株式会社インテージは、インターネットやテレビなどの広告・情報視聴と購買行動や生活者の属性情報の関係性を捉えることができる「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」をサービス提供しています。今回はi-SSPによって、スマートフォンアプリ『Pokémon GO』の利用実態分析を行いましたので、その結果を紹介します。

 
*:i-SSP(インテージシングルソースパネル)
当社の主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するものです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。
※i-SSP/シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標です。
 
調査概要
調査方法
i-SSP(インテージシングルソースパネル)
調査対象
デバイス
スマートフォン
 
調査実施機関
株式会社インテージ
分析者
株式会社インテージ MCA事業本部 クロスメディア情報開発部
水上 悠太、林 思朗、畔上 岳、川口 皓
調査結果

はじめに

『Pokémon GO(*1)』はNiantic社が2016年7月より世界的に配信を開始し、爆発的な人気になっているスマートフォン向けのゲームアプリである。日本でも7月22日10時から配信開始され、社会現象として多くのメディアで取り上げられている。1996年に任天堂株式会社より1作目の『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されてから20年になるが、未だ強いコンテンツということがうかがえる。当時“ポケモン”を楽しんでいた小学生・中学生は現在20~30代となっており、それらの世代への波及も気になるところである。当レポートでは弊社の「i-SSP」を用いて、ログデータによって『Pokémon GO』がスマートフォンの利用実態にどのような影響を与えているかを分析した。『Pokémon GO』に関する集計対象期間は7月22日から24日としている。

 
*1:Pokémon GOアプリについて
・Android版はこちら
・iOS版はこちら

分析結果のポイント

1.
『Pokémon GO』の利用率は、リリース初日の22日から24日で23%(1000万人以上)に達する。これはFacebookやTwitterといった主要アプリに並ぶ利用率である。22日に突出して利用率が高かった10代では翌日には離脱が始まっているようだが、初代ポケモン世代のM1層・F1層(男女20~34歳)では利用率はジワジワと上昇している。

2.
『Pokémon GO』の平均利用時間は46分(『Pokémon GO』の利用者ベース)であり、そのうちの23分は総利用時間として純増している(残り23分は他のアプリの利用時間から奪取している)。『Pokémon GO』利用者の利用時間を減少させていないアプリは、『Pokémon GO』と親和性が高いと思われるTwitterやInstagramであった。

3.
『Pokémon GO』に関する検索行動を見ると、インストール後1時間以内は「ポケモン go」といった抽象的検索やダウンロードやアカウントに関する検索が多く、翌日や翌々日になると、より具体的な操作方法や攻略情報といった検索行動に変化する様子が浮かびあがる。

分析結果の詳細

1.インストール数/利用率の推移

『Pokémon GO』のインストール状況をリリース後3日間のスマートフォンアプリ接触ログにて確認した(図表1)。7月22日10時に『Pokémon GO』アプリがリリースされると、インストール数が爆発的に発生し、7月22日の昼休みの時間帯がピークとなった。リリース後3日間(7/22~24)のインストールの内、約7割がリリース初日に集中しており、リリース後24時間で延べインストール数が1,000万を超えたと推計できる。

[図表1]
『Pokémon GO』インストール数の推移


『Pokémon GO』の利用率の推移を確認すると、配信直後に上昇した後、昼休みの時間帯後に一旦落ち着くものの夕方以降利用率が上昇している。2日目以降も昼から夜の時間帯まで継続的に7%程度の利用率を維持している(図表2)。延べ利用率としては3日間で23%にも達している。これは「Facebook」や「Twitter」に並ぶ利用率である(図表3)。


[図表2]
『Pokémon GO』利用率の推移


[図表3]
『Pokémon GO』利用率と主要アプリ利用率の比較


つぎに、利用率の推移をメディアターゲット区分別に確認した(図表4)。


[図表4]
メディアターゲット区分別の『Pokémon GO』利用率の推移


リリース初日は全時間帯でT層(15~19才の男女)の利用率が他の層より突出して高く、次いでM1層・F1層(20~34才の男女)と続いており、若年層の利用率が高いことが確認できる。
しかしながら、リリース2日目以降、T層の利用率は減少している一方で、M1層・F1層がゆるやかに上昇しており、その差の乖離がなくなることが確認できる。
T層はリリース日の盛り上がりの中でいち早くインストールしたものの、その後離脱が見られる。その一方で、初代ポケモン世代であるM1層・F1層が週末に腰を据えて楽しんでいることが確認できる。
また、多層の利用率が減少する深夜帯においてもM1層では利用率が高く、寝る間を惜しんで『Pokémon GO』に“ハマっている”様子がうかがえる。


2.スマホ利用時間への影響

『Pokémon GO』リリース後(7月22~24日)の平均利用時間は利用者全体で46分である。これをメディアターゲット区分別に分析すると、前章で見られた若年における利用率が高い傾向を端的な数値として確認できる。 また、利用率ではT層が高いものの、利用者当たりの利用時間ではM1層がT層を上回っている。(図表5)

[図表5]
メディアターゲット区分別の『Pokémon GO』利用率と利用者当たりの平均利用時間


次に、上図のように長時間利用される『Pokémon GO』がスマートフォン総利用時間や他のアプリの利用状況にどの程度影響を与えているのかを紹介する。『Pokémon GO』リリース前後のスマートフォンの利用時間を、『Pokémon GO』利用者に絞ったデータで確認した(図表6)。

[図表6]
『Pokémon GO』利用者のスマートフォン総利用時間のリリース前後比較


『Pokémon GO』利用者のスマートフォン総利用時間はリリース後、+23分(+9%)と急増し、そのうち『Pokémon GO』の利用時間が全体の18%を占めている。スマートフォン総利用時間に占める『Pokémon GO』プレイ時間の割合としてはM3層(29%)、F3層(50%)が大きい。
普段ゲームをあまりしないM3層・F3層(50才以上の男女)はリリース前のスマートフォン総利用時間が比較的短いことから、『Pokémon GO』利用時間が大きく影響したと考えられる。

総利用時間として23分が増加した一方で、『Pokémon GO』利用者の平均利用時間(46分)の残る23分は他のアプリの利用時間から「奪った」と解釈することができる。
では、『Pokémon GO』によって具体的にどのようなアプリで利用時間の増減が発生したかを、主要アプリの利用時間の推移によって検証する。(図表7)

[図表7]
『Pokémon GO』利用者のスマートフォン総利用時間の比較


直近の3週末の平均利用時間と同水準で推移するアプリ(「Stayアプリ群」)であるTwitterやInstagramでは『Pokémon GO』に関する話題や写真が多く投稿されていることから、新しい話題のゲームの楽しみを友達にシェアするという楽しみ方がマッチして、利用時間の減少には繋がらなかったと考えられる。
一方で「Downアプリ群」では、同様のゲームカテゴリであるツムツムや動画視聴アプリのYouTubeなどで利用時間の減少が目立った。


3.検索ログデータから見る「Pokémon GO」ユーザー

ここまではアプリの利用率や利用時間による分析を紹介した。ここでは、i-SSPの“検索ログデータ”を用いて『Pokémon GO』利用者の関心事や困り事を、インストール時点を基準にして時系列で紹介する。(図表8)

[図表8]
インストール後に『Pokémon GO』ユーザーが検索している言葉の区分別割合


インストール後1時間以内は、「ポケモンgo」などの言葉のみで抽象的に検索したレコードが47%と目立ち、浅い情報探索行動が多く見受けられる。また、ダウンロード関連(16%)やアカウント関連(14%)といったアプリの利用開始のための検索行動が目立つ。
その後、時間が経過していくと抽象的な検索行動が減少し、より具体的な操作方法や攻略情報といった検索行動に変化している。

最後に、実際のアプリユーザーの検索行動を個人ベースで紹介したい。一例として、30代女性の検索行動を図示する。(図表9)

[図表9]
『Pokémon GO』インストール後の検索行動の例(30代前半女性)


アプリリリース後、1時間以内にアプリをインストールしている。検索行動としては、22日は抽象的な検索ワードによるブラウジングであったが、23日夜には「イーブイ」といった特定のポケットモンスター(キャラクター)の名前のような具体的な検索ワードでの検索行動になっている。
アプリの利用時間を見ると、23日には累積で200分以上となり、検索を行いながら情報を収集してゲームを上手に進めていることがよく分かる。
このように、検索ワードを見ることでアプリの中でユーザーがどのような状況にいるのかを垣間見ることが可能であり、アプリの利用ログと合わせて見ることで、さらに状況を理解することができた。

以上、『Pokémon GO』に関してi-SSPを用いたログデータによる分析を紹介した。弊社のクライアント企業含め、『Pokémon GO』への注目度が高いことから、引き続きアドホック調査などの弊社ソリューションと掛けあわせた分析にも取り組んでいく。

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ex)
インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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