Search

キーワードを入力してください

TV視聴・検索ログデータでみる、「東京都知事選」
PICK UP
  • 鳥越・増田票の2割を持っていき、小池氏の「圧勝」
  • 投票へ行った男性20代は、全体傾向と比較してニュース・報道番組の視聴時間がおよそ2倍
  • インターネット利用者で「都知事選」に関して検索したのは7.7%

株式会社インテージでは、18歳から69歳までの男女に対して、2016年度東京都知事選挙についてのインターネット調査を行いました。本調査は、公示日翌日・投票1週間前・投票直後の3回調査することで、支持がどのように変わっていったのかを分析しました。
また、インテージが所有する「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」のTV視聴ログや検索ログデータを用いて、どのくらいの人が今回の都知事選に対して興味をもって接していたのかを明らかにしました。

 
i-SSP(インテージシングルソースパネル)
当社の主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するものです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。
※i-SSP(読み方:アイエスエスピー)/シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標です。

 
調査概要
調査期間
公示翌日調査/2016年7月15日(金)~7月19日(火)
投票1週間前調査/2016年7月22日(金)~26日(火)
事後調査/7月31日(日)20:00~8月4日(木)
調査方法
インターネット調査
i-SSP(インテージシングルソースパネル)分析
調査エリア
東京都
調査実施期間
株式会社インテージ
分析者
株式会社インテージMCA事業本部 リサーチエクスペリエンス室
川田 瑞穂

調査結果

1.投票意向の推移

投票直後の調査で聞いた「投票した候補」の割合は実際の得票率とほぼ近いものであった。(図表1)
実際の得票率に対して、小池氏の調査結果がやや高く、鳥越氏・増田氏の調査結果がやや低くなっているのは、今回の調査に70代以上が含まれていないことが原因と考えられる。
前回、都知事選調査では、きわめて再現性が高かったことから、今回の都知事選は年代による投票の差が大きかったと思われる。


[図表1]
得票結果と調査結果の比較



主要3候補で、公示日翌日からの投票意向の推移を確認した。(図表2)
公示日翌日時点で、鳥越氏はおよそ3割の支持があったが、投票1週間前に失速してしまった。
小池氏の投票意向をみると、公示日翌日時点より他2候補と比較して、高い支持を獲得していた。投票意向率は高い割合で推移し、最終投票結果でも圧勝であったことが今回の調査結果からも示された。


[図表2]
投票意向推移


次に、鳥越氏、増田氏、小池氏の3候補間の支持率の変化を分析した。(図表3・図表4)
公示日翌日時点での支持者のうち、小池氏は90.6%、鳥越氏は62.7%、増田氏は71.8%が最終的にも投票するという結果になった。
公示時点では、鳥越氏・増田氏を支持していた有権者のいずれも2割が、最終的には小池氏へと投票を変えたことが調査結果からわかった。小池氏は選挙期間初期の支持者を囲いこむことができただけでなく、選挙活動によって更なる支持を集めることにも成功した。


[図表3]
3候補者間の支持率の推移


[図表4]
3候補者間の支持率の推移


2.選挙期間中のニュース・報道番組視聴状況

有権者が選挙期間中にどのくらいニュース・報道番組を視聴しているのか弊社の「i-SSP」ログデータを利用して、確認した。(図表5)
その結果、若年層ほどニュース・報道番組の視聴時間が短く、年齢があがるにつれて視聴時間が長くなる傾向だった。
また、全体と都知事選の投票へ行った人で、ニュース・報道番組の視聴時間に差がないか比較した。傾向として、男性で都知事選の投票に行った人は、全体よりもニュース・報道番組の視聴時間が長いことがわかった。特に男性20代はその傾向が顕著で、ニュース・報道番組の視聴が投票行動に影響していると考えられる。
女性は、ニュース・報道番組の視聴時間と投票行動に関係性はないようだ。


[図表5]
選挙期間中のニュース・報道番組の視聴時間


選挙期間中に報道番組を視聴していた人は、具体的にどの番組を見ていたのであろうか。弊社の「Audience Sketch」を用いて、2016年7月の報道番組視聴ランキングを紹介する。
投票結果調査において、鳥越氏・増田氏・小池氏のいずれかに投票した回答者のランキングを提示する。
3候補で比較すると、鳥越氏の投票者は、NHKを中心に視聴している。


[図表6-1]
鳥越氏投票者の7月度報道番組視聴ランキング


一方で、増田氏・小池氏の投票者は民放を中心に視聴していた。


[図表6-2]
増田氏投票者の7月度報道番組視聴ランキング


[図表6-3]
小池氏投票者の7月度報道番組視聴ランキング


3.選挙期間中の検索ログデータ

先ほどは、選挙期間中のTV番組視聴に関して触れた。ここでは、「i-SSP」の検索ログデータを用いて、都知事選に関する関心を探りたい。
選挙期間中に、インターネットで都知事選に関する単語を検索したのは、全体の7.7%だった。
性年代で比較すると、女性20代での検索率が低く2.7%。男性20代での検索率は10.0%と最も高かった。


[図表7]
選挙期間中のインターネットでの都知事選に関する単語の検索率


次に、実際にどのような言葉が検索されていたのか確認した。(図表8)
「都知事」の検索率がおよそ3割であった。次いで、小池氏、鳥越氏、増田氏の主要3候補が検索されていた。
政見放送がインターネット上で話題になった後藤氏は7.0%の検索率であった。


[図表8]
選挙期間中にインターネットで検索された都知事選に関する単語


性年代ごとに、どのような言葉を検索していたのか確認した。(図表9)
どの年代でも「都知事」という言葉が最も、検索されている。候補者名の検索は、性年代ごとに差がみられた。
主要3候補では、鳥越氏は女性60代でよく検索されていた。
一方、増田氏は女性にはあまり検索されなかった。インターネットで話題になった、後藤氏は男性10代で都知事と同程度検索されている。


[図表9]
インターネットで検索された都知事選に関する単語(性年代別)


ページTOPへ

転載・引用について

本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。本レポートの内容を転載・引用する場合には、出所として弊社名(株式会社インテージ)、調査名称および調査時期を明記してくご利用ください。

ex)
インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

【転載・引用に関する注意事項】
 以下の行為は禁止いたします。
・本レポートの一部または全部を改変すること
・本レポートの一部または全部を販売・出版すること
・出所を明記せずに転載・引用を行うこと
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる可能性がある利用を行うこと

※転載・引用されたことにより、利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。
※この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません。

調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

最新の調査レポートやマーケティングトレンドはこちらでご覧いただけます。
インテージ知るギャラリー

調査レポートトップへ