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シーズン2 第2話 売り上げ上々で一安心本当にそれだけで大丈夫?「新商品上市後」の落とし穴 その2

初週、2週目と好調の「目覚ましグミ」でしたが、3週目の結果を確認すると・・・。新商品評価には、売上推移や認知率、購入率などの定量的な指標以外にも確認すべきポイントがあります。はたして「目覚ましグミ」は、想定していたターゲットに届いているのでしょうか。
前回に続いて、新商品上市後評価のツボをおさえましょう。
パンダ製菓の『目覚ましグミ』がエリア限定で発売された

高山せんせいにターゲットなど戦略的にも狙い通りかを問われ、データを確認するてーじ君だが…

◆てーじ「…え、えーと…。トラッキング3週目の結果は…?

はっ!!こ、これは…!?

シェアが急激に落ちてきている…。そんな…、どうして…」

◆たかやま「てーじくん、どうしたの?」

◆てーじ「……(茫然)」

◆たかやま「てーじくん!」

(ハッ!とするてーじ)
◆てーじ「…あの、目覚ましグミの売上シェアが急激に落ちていて…」

◆たかやま「トライアル率とリピート率、どっちの問題?

3週目だからリピートもついてくる頃でしょう?」

◆てーじ「リピート率、低いですね…。

トライアル率も鈍化してます。トライアル率が3週目から鈍化するのは当たり前とはいえ、

先週まで『ももグミ』並みの推移だったのが急に悪くなってます」

◆たかやま「リピート率が低いというと…、

プロダクトかC/Pバランスかどちらかの問題ね」
◆てーじ「単純に不味かったのか、期待はずれだったのか、ということですね」

◆たかやま「そう。満足度は、C=コンセプトとP=プロダクトのバランス…、

すなわち期待値が満たされたかということに影響されるから

プロダクト自体に問題なくても期待とズレたり期待ほどでなかったりするとリピートされないの。

C=コンセプトが「買いたい」という気持ちを引き起こしてトライアルにつながる。

P=プロダクトが期待を満たすと「また買いたい」という気持ちを生んでリピートにつながる。

『目覚ましグミ』はトライアルの初動はうまくいったけど…」

◆てーじ「プロダクトかC/Pバランスの問題でリピートがついてこなくて失速し、トライアルも続かなくなっている…」
◆てーじ「…あ!」

◆たかやま「どうしたの?」

◆てーじ「そういえば、認知率や購入意向率は高いのに、特長認知率が低いのが気になってたんです」

◆たかやま「――ということは、目覚まし効果を期待して買われていたわけじゃないということね。

やはりC/Pバランスの問題ね。

どういう層がどういう理由で買っていたのか、ちゃんと見直して!」

◆てーじ「はい!」
◆てーじ「購入層のメインは若年層ですね。普段あまりグミを買わない大人の男性狙いだったのに…。

購入理由は「新商品だから」とか、「CMが気に入って」「パッケージが気に入って」に集中してます。

この理由を見て…、

CMやパッケージがうまく機能していると思ってたんですが…」

◆たかやま「でも特長認知が低かったということは、CMやパッケージが商品を伝えられてはいなかったということね」
◆たかやま「つまり、こういうこと…。

若年層がCMやパッケージのインパクトに反応して面白がって買ってたのね」

◆てーじ「眠気覚ましを期待していなかったら、あの刺激的な味や噛みごたえは「何だ?」って思いますね、きっと。

…それで、リピートにつながらないのか…」
◆たかやま「それに、インパクトで買う層が一巡してトライアルも鈍化しちゃったということね…」

◆てーじ「どうして気づかなかったんだろう…!!

あっ、

とにかく早く半田さんに報告しなくちゃ!」

◆たかやま「まさにそう言おうとしてたとこよ。早く連絡なさい」

◆てーじ「はい!」
【パンダ製菓にて】
	
◆半田「…なるほど、そういうことですか…

誰よりもこのコンセプトに拘っていたのはボクだったのに…。

それが伝わってるかどうして真っ先にチェックしなかったんだろう」

◆てーじ「…私がもっと明確にアラームとしてお伝えすべきでした」

◆半田「あまりの好調さに、我々浮かれすぎましたね…」

◆てーじ「はい。

一見好調な時ほど、リスクや兆しを見つけることが

リサーチの役割なのに申し訳ありません…」
◆半田「でもボクは諦めませんよ!

今からでも打てる手を考えます」
	
◆てーじ「はいっ。お手伝いします!」

◆半田「それに確かにこのまま全国発売はできないかもしれないけど、

コンセプト評価がよかったのは確かだし、ニーズはあるはずなんです!」

◆てーじ(ハッとして)「あの、購入者の追跡調査をさせていただけませんか」

◆半田「え?」
◆てーじ「リピート購入している人が食べている場面や評価を深堀りすることで、

伝え方をどう変えるべきかヒントが見つかると思うんです」

◆半田「なるほど。確かにお客様が実際にどう感じてくださっているのかを大事にしたいです!」

◆てーじ「(あの時――…(高山せんせいが目覚ましグミを食べていた時の姿を思い浮かべつつ)そうか!もしかして――…」
第2話のツボ

●売上好調でも背後にアラームが潜む可能性あり

→売上や購買ファネルだけでなく、「だれが?」「どんな理由で?」など、購買実態を多角的に捉えることで、マーケティング戦略の奏功を評価しアラームに気づくべし

●「売上の伸び悩み」ひとつをとっても、その要因はさまざま

→売上を構造分解し、どこで売上の伸び悩みが起きているかを確認。売上鈍化原因の仮説を立てるべし
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