Intage 知る Gallery

生活者のいま、マーケティングの明日が見えるサイト

シーズン2 第4話 ターゲット設定=人のセグメンテーションから?~「ターゲット理解」の落とし穴~

「目覚ましグミ」のリピート購入者追跡調査から、「生活者にとっての価値」の重要性を再認識した半田さんとてーじ君は、「大人向けグミ」が実現すべき価値を見直すべく、あらためて生活者のニーズを探ることに。生活者のニーズを理解するための方法やポイントを見ていきましょう。
「目覚ましグミ」のユーザーにとっての価値は、目覚まし効果ではなく、リフレッシュして仕事に集中できる

…ということだったと気づいたてーじ君と半田さん

大人向けグミが実現すべき価値をゼロから見直すべく、生活者ニーズを探ることに…

【パンダ製菓にて】
	
◆半田「お客様のニーズをしっかり洗い出すところから始めましょうと言ったものの…、

潜在ニーズの洗い出しってどうすればいいんですか…?」

◆てーじ「グミを買っていない方々がターゲットですから…、

『大人のグミへのニーズ』ではなく『大人のお菓子へのニーズ』を探る必要がありますね」
◆半田「…いや。『お菓子』だとまだメーカー視点、プロダクト視点のような気がしますね」

◆てーじ(ハッ)

◆半田「『大人の間食』について調べましょう!」

◆てーじ「そうですよね!どんな時に何を求めて大人は間食するのかを探る調査を企画してみます。

それから、調査だけでなくワークショップもご提案したいんです」

◆半田「ワークショップですか?」

◆てーじ「はい。大人の間食ニーズをグミでいかに満たしていくかを考えるのには、

いろんな経験、視点をお持ちの方が集まるのがいいと思うんです!」
◆てーじ「生活者の実態を示すデータから生活者の気持ちをくみ取り、商品アイディアに展開するには、

発見と発想が大切なんです!」

◆半田「なるほど…。確かにそのほうが化学反応でいいものができそうですね!」

◆てーじ「それに、ここで役割の異なる部署の方々が集まって、

ターゲット像や商品の価値の理解を揃えて合意しておくと、後の活動がスムーズなんです!

意見が食い違っても、そこに戻ればいいので」

◆半田「へー…、そんな副次効果もあるんですね。

ではワークショップも企画に組み込んで提案お願いします!」
【インテージにて】
	
◆てーじ「『大人の間食』ニーズ…、あまり意識していないことも知りたいので、日記調査がいいかなと思うんです」

◆たかやま「大人の間食日記。面白そうね」

◆てーじ「はい。まずは生活者目線で実態をしっかりとらえて、機会を発見したいんです」

◆たかやま「今回の場合、日記調査にするのはもうひとつ利点があるわね」

◆てーじ「え?」

◆たかやま「間食だったら、人ではなく、ニーズをセグメントすべきでしょ?」

◆てーじ「はあ…」
◆たかやま「シャンプーやクルマは複数持つ人は、まれ…

だから、『その人がどんな志向やニーズを持つどういう人か』ってセグメントをつくってターゲットを決めるわよね。

その志向、ニーズに基づいて買うものを選ぶから。

でも、飲み物だったらどう?てーじ君はいつも同じ基準で選ぶ?」

◆てーじ「その時によって求めることは違います…ね…」

◆たかやま「そう。同じ人でも時と場合によってニーズが違うの。

だから『人』ではなく『ニーズ』をセグメントしてターゲット市場を決めるのよ」
◆たかやま「日記なら、飲み物を買ったり飲んだりしたタイミングで記録をしてもらえば

同じ人の『時と場合によって異なるニーズ』を捉えられるでしょ」

◆てーじ「なるほど…。ニーズのボリュームも捉えられますね!

日記をある程度の期間つけてもらえば、同じニーズが何回発生するかも分かるから人数×回数でボリュームを測れる…」

◆たかやま「そうそう。どのセグメントをターゲットにするかを判断するには、

そのニーズがどのくらいのビジネスボリュームになりそうか分からないとね」
◆てーじ「はい! 企画してみます」

【日記調査】

【数週間後――パンダ製菓にて】
	
◆てーじ「間食日記の速報、お持ちしました!」

◆半田「ありがとうございます」
◆てーじ「詳細な分析はこれからなんですが、主な間食ニーズとしては、以下のものがありそうです。

気分を変えるため/休息(体や頭を休める)時間をとるため/手持無沙汰をうめるため/小腹を満たすため/栄養を補うため/食べ過ぎを防ぐため/自分へのご褒美のため/お酒のつまみに/コミュニケーションのため」
◆半田「コミュニケーション?」

◆てーじ「ええ。家族とのおやつとか友達とのお茶とか、コミュニケーションの時間を持つためのキッカケとして間食があるようです。

職場だとまたちょっと違って、お土産とか差し入れとかはそれ自体が会話や気持ちをやりとりするコミュニケーションの材料なんですね」

◆半田「そうかあ…。同じ職場での間食でも、自分の気分転換のためと人とのコミュニケーションのためとでは選ぶものが違いますよねえ」

◆てーじ「はい。オケージョン(※)と組み合わせるともう少しニーズを細分化できるかなと思ってます」

※オケージョン:場面、状況のこと
◆てーじ「あとは、どういう人に多いニーズなのかとか、どういうものを食べているのかとか、

具体的なニーズとターゲット像を描けるような情報をワークショップに向けてご用意しますね。

ニーズボリュームも、日記調査から算出するだけでなく、パネルデータでも参考情報も揃えてみます」

◆半田「じゃあ、ボクはワークショップの出席者調整ですね。

さっそく!と言いたいところなんですが…、あの、実は――…」

◆てーじ「えっ、どうしたんですか!?」
第4話のツボ

●商品開発の第一ステップは「セグメンテーション」→「ターゲティング」。ただし、その対象は'人'とは限らない

→ターゲットを絞るためには、'人'をセグメント化し、その中でターゲットとするセグメントを決めるのが王道。しかし、多頻度併買型の商品カテゴリの場合は、同じ人でもオケージョンによって異なるニーズを持ち、'ニーズ'のセグメンテーションが向く。自社カテゴリの'買われ方・使われ方'に応じて、何をセグメンテーションすべきか考えるべし。

●ニーズを探るための調査は「ニーズを聞く」調査ならず

→生活者に直接聞いて掴めるのは'顕在ニーズ'のみ。生活者の生活実態をつぶさに捉え、その背景にある意識を掘りさげて、生活者視点とプロの目をあわせてニーズを読み解くべし
前の話 次の話

こっそり知りたいマーケティングリサーチのツボ! TOPページへ

インテージのソリューションはこちら インテージのサービスはこちら