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シーズン2 第5話 ワークショップをすれば、良いアイデアが生まれる? ~「商品開発ワークショップ」の落とし穴~

「生活者にとっての価値」の重要性を再認識した半田さんとてーじ君は、あらためて生活者の間食ニーズを探るために「間食日記調査」を実施、その結果を材料に部門横断の社内ワークショップを行うことに。どのようにして生活者のニーズに迫っていくのか、その流れを見ていきましょう。
大人向けグミが実現すべき価値を探るべく、「大人の間食日記調査」を行った半田さんとてーじ君。
	
いくつかの間食ニーズパターンを見つけることができ、それらのデータを材料にパンダグミ社内ワークショップを行うことに…
	
◆半田「あの、実は――…」

◆てーじ「えっ、どうしたんですか!?」

◆半田「営業部門がワークショップへの出席を渋ってまして…。『忙しいし、商品開発は自分たちの仕事ではないから』と…。

自分も営業にいたから気持ちはよく分かるんですが…」

◆てーじ「初めてのワークショップだとそういう温度差はどうしてもあるんですよね」

◆半田「そうなんですか」

◆てーじ「でも流通さんの声は営業部門の方でないと分からないので、ぜひご参加いただきたいですよね」

◆半田「そうか…。大事なのは生活者視点だけじゃないんですね。

生活者視点にいろんな立場のプロの視点や知識が乗っかるから、開発以降の展開も見通せるってことですね」
◆てーじ「そうなんです!」

◆半田「分かりました! 営業だからこそ参加して欲しいんだと、もう一度口説いてみます!」

(営業部門に声を掛ける半田さん)

【ワークショップ会場にて 明るい雰囲気の会場で、ラフな服装の半田さんとてーじ】
	
◆てーじ「皆さん、ちゃんとラフな服装で来てくださってますね」

◆半田「ええ。みんな何だか楽しそうですね」
◆てーじ「嬉しいです!アイディアをどんどん出すには日常から離れて開放してもらうことが大事なので」

(パンダ製菓 営業部門の熊田さん表れる)
	
◆熊田「おお、半田、久しぶり」

◆半田「熊田! 忙しいとこありがとな」

◆熊田「俺、調査データって苦手なんだよ。数字ばっかりで何かが見えてくる気がしないんだよな」

◆半田「まあまあ。ちゃんと分かりやすく事前インプットしてもらうからさ」

◆熊田「頼むよ。あ、終わったら久しぶりに飲みに行こうぜ」

◆半田「いいね!楽しみにしてるよ。まずはワークショップ楽しんでくれよ」

(熊田さん席に着く)
◆半田「すみません、てーじさん。社内では調査で何が分かるんだって人も多くて…」

◆てーじ「いえ。今日は、そういう方々のイメージも変えられるよう頑張ります!」

【ワークショップスタート】
	
◆ファシリテーター(司会)「自由にどんどん話していただくための準備体操として、ゲーム感覚の自己紹介からスタートしますね」

(楽しげに自己紹介をしあっている参加メンバー)

◆てーじ「続いて、皆さんの認識を揃えてスタートするために、間食市場や大人の間食ニーズに関する基本情報をお話します!」

(プレゼンするてーじ)
◆ファシリテーター(司会)「いよいよワークショップの本編です。こんな感じで皆さんと進めていきたいと思います」

(ワークショップのプログラムを見せる)

◆ファシリテーター(司会)「まずは生活者の声をしっかり聞いてみましょう。

今回、1000人の方に2週間の間食日記をつけてもらいました。

そのなかから我々は、大人の間食としてボリュームが大きく、

かつ、グミとの親和性が高そうなオケージョンとして『職場での間食』に着目することにしました。

お手元に、間食日記カードをご用意しています。『職場での間食』の日記を、カードにしたものです。

(カードの絵用意)

男性には男性が答えてくださったカードを、女性には女性が答えてくださったカードをお配りしてます」
◆ファシリテーター(司会)「日記から『職場での間食によってどんな気持ちになりたいのか』を読み取ってどんどんふせんに書き出していってください」

(資料を読み込みながらふせんに書き出している参加者)
	
(続いて、グループごとにふせんをホワイトボードに貼りだし、グルーピングしている)
	
◆ファシリテーター(司会)「グルーピングした『なりたい気持』ごとにこのシートをつくってみてください。

日記調査も参考にしながら、どんどん想像を膨らませてできるだけ具体的にイメージしましょう。

寸劇にできるくらい具体的にシーンや気持ち、口にする言葉などをイメージしてくださいね」
(各グループのワーク風景)

(グループA【幸せの維持】をテーマにシート作成中)
	
◆女性①「気分が下がりそうになるのを何とか維持するためにちびちび食べるの。お菓子で幸せをちょっとずつ点滴する感じ?」

◆女性②「ああー!!わかるわかるわかる!」

◆女性③「あるあるー!!ちょっと面倒な仕事やってる時とかさー」

◆男性①「幸せの点滴…。へえ…」

(グループB)

◆研究職女性「実際に、『噛む』って行為にはストレスを軽減する効果があるんですよ。リズミカルに噛むと脳内で…」
(グループC【スイッチON頑張ろう】をテーマにシート作成中)
	
◆男性a「…この『緊張してる時に何か口にしたくなって』っての、緊張をほぐしたいってことですよね?」

◆女性b「いやー、日記読むとちょっと違う感じじゃない?」

◆熊田「確かに気合入れ直すとか集中高めるとかって表現出てきてるもんな」

◆女性b「緊張をリラックスに持っていきたいってわけじゃないですね」

◆熊田「俺も大事な商談前にあるよ。緊張して飯は食えないんだけど何かちょっと口にいれたいってこと。何ていうんだろうなあ…。

緊張をおさめるんじゃなくていい緊張に変えたいんだよ…。

あ!テンション!テンションを高めたいって感じだよ!!」

◆女性b「あー!!だからこの場面でエナジードリンク飲んでる人もいるんだ!」
(グループ全体シェア)

【ワークショップ終了後――】
	
◆半田「みんないろいろ出してくれましたね」

◆てーじ「はい、通常はターゲットの人となりや生活をつぶさに、いわゆるペルソナ(※)を描くんですが、今回はターゲットにする情緒ニーズをリアルに描きたくて…」

※ペルソナ:製品・サービスのターゲットとなる人の人物像。より人物像を具体的にするため、年齢、性別、職業といった属性情報のほか、ライフスタイルや趣味、価値観なども設定する。

◆半田「熊田も日記調査の結果もちゃんと見ながら、いち生活者視点に戻って盛りあがってくれてたなあ…」
◆てーじ「その一方で、ビジネス価値やグミでの実現可能性でターゲットニーズを選定する最後のパートでは、皆さんの専門領域がしっかり活きて素晴らしいコンビネーションでしたね」

◆半田「本当に!で、このあたりが可能性ありってことになったんですよね」

(シート3枚提示。記述内容がみえるのは「幸せを維持」シート)

◆てーじ「――次はこれらのニーズに応える商品コンセプトづくりのワークショップですね!」

◆半田「今日のメンバーならいいものができそうです!」
第5話のツボ

●生活者視点の第一歩は、生活者の気持ちに「寄り添う」こと

→ ファクト(データ)なしに生活者理解はできないが、データ=生活者ニーズではない。データを起点にその先にある生活者の心の変化を徹底的に考え、真のニーズを捉えるべし

●部門横断ワークショップの効用は「アイディアの質量アップ」のみならず、「商品開発・上市の実行プロセスのスムーズ化」にも

→部門横断ワークショップのメリットの一つは、異なる分野のプロが集まり、「多様性」の中から「新しい気づきやアイデア」が生まれること。加えて、商品開発の起点となる「生活者ニーズ」の共通認識を持つことも商品開発プロセスを円滑に進める上での大きなメリットと捉え、参加者を検討すべし
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