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シーズン2 第13話 テレビ、デジタルの効果を測るには?~「クロスメディア効果測定」の落とし穴~

発売から半年、好調を維持していた「おとなグミ」だったが、競合商品「ショコラ ゼ ブール」の発売によりシェアを奪われていることが明らかに。半田さんとてーじは次なる一手を打つべく、生活者にとっての「おとなグミ」の価値をあらためて見直すことに。前回に引き続き、真のブランド価値の把握、そしてクロスメディア効果測定の方法とポイントを見ていきましょう。
「おとなグミ」発売から半年が過ぎ、大ヒット商品となった「おとなグミ」は市場に定着していた。
	
そんなある日のこと…

【パンダ製菓にて】

(パンダ製菓デスクでPC画面を見ている半田)
	
◆半田「え!!  シマウマさんが!!!!!」

(電話をかける半田)

◆半田「てーじさん、シマウマ製菓さんが仕掛けてきました!

“気分を着替えるチョコレート ショコラ ゼ ブール”発売だそうです。」

◆てーじ「(電話の向こうで)ついに後追い来ましたか…。得意のチョコレートで…

シマウマさんと言えば、シマウマチョコですもんね…」

◆半田「もとは鶴亀製菓だったのを、シマウマチョコの大ヒットでシマウマ製菓に社名変更したくらいですからね…」

◆てーじ「ラインナップは?」

◆半田「やっぱりシマウマさんらしく、ON(黒)とOFF(白)の2フレーバーです。

ONをサポートするヌワールは、ブラックチョコレートに香辛料系のスパイス配合、

OFFをサポートするブランは、ホワイトチョコレートにリラックス系のハーブ配合だそうです。」

◆てーじ「そうですか…」
◆てーじ「あの…、女性はやっぱり見た目が大事なんでしょうか…」

◆たかやま「え!?」

◆てーじ「かくかくしかじか…」

◆たかやま「ああ、そういうこと」

◆てーじ「やっぱりパッケージリニューアル必要でしょうか…? ここまでうまくいってたのに…」

◆たかやま「…」

◆たかやま「てーじくん、“おとなグミ”好き?」

◆てーじ「はい! 大好きです」

◆たかやま「ふふ。そうよね。

じゃあ、ある日お店に行ったら“おとなグミ”のパッケージが突然すごくスタイリッシュになってたらどう?」

◆てーじ「それは…。

こんなの“おとなグミ”らしくない…って裏切られた気持ちになりますね…」

◆たかやま「“おとなグミ”ファンはきっとみんなそうよね。じゃあ“おとなグミらしさ”って何かしら?」

◆てーじ「……」
◆たかやま「ファンにとっての“おとなグミらしさ”、つまり裏切ってはいけないもの。それは生活者に教えてもらうしかないのよ。

商品を販売するのはメーカーだけど、ブランドは生活者の心のなかで育っていくものだから。

それを可視化して、企業と生活者とで共にブランドを育てていけるようにするのが私たちの仕事でしょ?」

◆てーじ「!! すみません! そうでした。落ち込んでる場合じゃないですよね。

さっそくブランド調査提案して半田さんをサポートします!」

【パンダ製菓にて】

◆半田「ブランド連想構造分析?」
◆てーじ「はい。ブランド連想が競争優位に貢献するためには、強さ・ユニークさ・好ましさ・抽象性の4要素が必要と言われます※。

そのうち生活者評価を基準とすべき、連想の強さ・ユニークさ・好ましさを構造化する弊社のオリジナルフレームです。」

※Aaker[1991], Keller[1993]

◆てーじ「このようなフレームで整理します。」(説明図)

◆半田「強さ、ユニークさ、好ましさ…」
◆てーじ「半田さん、ボクといえば思い浮かぶイメージは何ですか?」

◆半田「てーじさんですか? 熱い、ですね」

◆てーじ「(照れながら)つまりそれがボクの“強い連想”ですね。他にも“熱い”リサーチャーはいますか?」

◆半田「皆さんそれぞれよくしてくださいますけど、“熱い”とまで言える感じはてーじさんだけかなあ…」

◆てーじ「(さらに照れて喜びながら)では、“熱い”はリサーチャー選びの理由になりますか?」

◆半田「そうですねえ…。

やっぱり熱意を感じると、親身になってくださるからいい提案いただけるかなと思ってお仕事一緒にしたくなりますよね」

◆てーじ「(もっと照れて嬉しさあふれながら)もし、多くのお客様が皆さん半田さんと同じように思ってくださっているとすれば…。

“熱い”というのは、てーじといえば思い浮かぶ強い連想で、他のリサーチャーにはない独自の差別化点で、

リサーチャー選びの理由にもなる、3拍子揃った“最大の強み”ってことになります。

この3つの円の重なりに入る連想資産ですね。」

◆半田「なるほど…。」
◆半田「どんなブランドもここに入る連想資産があるってことですね?」

◆てーじ「いえ。強いブランドでなければ3拍子揃う連想はありません。

でも円2つの重なりに入る連想にも意味はあって、そこから強みに育てることができます」

◆半田「というと?」

◆てーじ「最も強みに育てやすいのは右下の重なり、“浸透させたい差別化ポイント”です。

ボクの“熱さ”は他にはない特徴で、リサーチャー選びの基準にもなるけど、

そもそもボクが“熱い”ことを知らないお客様が多ければここに入ります。

この場合は多くのお客様に知ってもらえれば強みに転化しますから、

知らない人がどういう人でどんな手段でお伝えするのがよいかをデータから探ります」
◆てーじ「次に強みに育てやすいのは上の重なり“強い差別化ポイント”です。

リサーチャーに大事なのは精緻さとかであって“熱い”は選ぶ基準にはならないよって場合ですね。

この場合は、数少なくとも“熱い”がリサーチャー選びにまでつながっている人は

いったいどういう文脈でつながっているのかを回答から分析して施策の参考にします」

◆てーじ「左下の重なりは“保証ベネフィット”です。

てーじといえば“熱い”し、それはリサーチャー選びの基準にもなるけど、競合のAさんも“熱い”んだよね、という場合です。」
◆てーじ「ボクの強みにはなってないけど、ボクが“熱さ”を失っちゃったらたちまちAさんの強みになっちゃうので、

負けないよう維持することが大事です。

でも、ここから強みを作るしかないという場合は、何に熱いのかどう熱いのかポイントを絞り込むことで差別化します。」

◆半田「常に生活者視点に立とうとする熱さとか。テージさん“生活者は~”が口癖ですもんね」

◆てーじ「あ…、もしかしてしつこいですか…?」

◆半田「いえいえ、そんなことにです!助かってます!

ところで、“どういう文脈でつながっているのかを回答から分析する”ってどういうことですか?」

◆てーじ「半田さん、さっき“やっぱり熱意を感じると、親身になってくださるから

いい提案いただけるかなと思ってお仕事一緒にしたくなりますよね”っておっしゃいましたよね」

◆半田「ああ、はい。」

◆てーじ「ちなみにボクの“熱さ”ってどこからお感じになるんですか?」

◆半田「連絡のこまめさとか、うちのことをよくわかってくれている提案とか、

ボクより先にアラームに気づくところとかですね」
◆てーじ「つまりこういうことですよね。」

(説明図)

◆半田「おお!」

◆てーじ「もし“熱い”が“最大の強み”でなく“強い差別化ポイント”に入ってるとして、

半田さんはボクが“熱い”から仕事を頼みたいと思ってくださってる数少ない方だとしたら。

半田さんは、“熱い”というボクが主語になる特徴を、“いい提案をもらえる”

っていう半田さんが主語になるベネフィットに置き換えてくださってるから

“仕事を頼みたい”までつながるんですよね。」
◆半田「なるほど。で、そういう文脈を作るには、例えばプレゼンの口調とかから

熱さを感じてもらうんじゃなく、メールのこまめさとか、よく理解してくれている

提案とか気づきの早さを知ってもらうことが大事ってことですか」

◆てーじ「はい!これらをブランド間で比べたり、

“おとなグミロイヤルユーザー”と“ショコラ ゼ ブールへの流出ユーザー”で比べたりすると、

“おとなグミ”ならではの価値構造が分かってくると思うんです。

つまり“おとなグミ”は、“ショコラ ゼ ブール”の真似じゃなく、

“おとなグミ”らしさで勝負すべきです!」

◆半田「そうか…、そうですよね…。

お客様からみた“おとなグミ”でしか叶えられない価値、知りたいです!」



二人がたどり着いた、おとなグミの価値とは?

半田さんとてーじ君の成長物語、

次回いよいよ最終回!
◆半田「なるほど。で、そういう文脈を作るには、例えばプレゼンの口調とかから

熱さを感じてもらうんじゃなく、メールのこまめさとか、よく理解してくれている

提案とか気づきの早さを知ってもらうことが大事ってことですか」

◆てーじ「はい!これらをブランド間で比べたり、

“おとなグミロイヤルユーザー”と“ショコラ ゼ ブールへの流出ユーザー”で比べたりすると、

“おとなグミ”ならではの価値構造が分かってくると思うんです。

つまり“おとなグミ”は、“ショコラ ゼ ブール”の真似じゃなく、

“おとなグミ”らしさで勝負すべきです!」

◆半田「そうか…、そうですよね…。

お客様からみた“おとなグミ”でしか叶えられない価値、知りたいです!」



二人がたどり着いた、おとなグミの価値とは?

半田さんとてーじ君の成長物語、

次回いよいよ最終回!
第12話のツボ

●競合に対抗するあまりにブランドの価値を見失うべからず

→パッケージのリニューアルなどブランドイメージに大きく影響する施策は、

その結果次第ではユーザー離れも招いてしまう諸刃の剣。

まずは生活者にとっての自ブランドの価値は何か、自ブランドらしさは

どこからどう感じられているのかを把握し、慎重かつ大胆に次なる一手を検討すべし


●素早いだけならず、打ち手につながるチェックの仕方であることが肝要

→ブランドイメージがどのような生活者価値に変換されるから購入意向につながるのかをよく理解し、

その価値を強化する施策を打つことが重要。

今後伸ばすべきブランドイメージは、どこから感じられてどのような生活者価値につながっているのか、

その文脈を明らかにし、何を、どのように伝えるべきかを明確にした上で、具体的な施策に繋げるべし
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