withコロナがもたらした新しいライフスタイル~行動制限が長期化する中で見られた生活者の意識の変化とは?~

外出自粛を余儀なくされた緊急事態宣言。自粛中の「ステイホーム期間」は新たなライフスタイルが定着するきっかけとなりました。
5月25日の緊急事態宣言解除以降、生活者に日常生活が戻りつつありましたが、その後感染は再拡大の傾向にあります。各自治体の知事が独自に緊急事態宣言や外出自粛要請を出す中、生活者は引き続き行動制限や緊張を強いられながら、新しいスタイルでの日常生活を送っています。

日々変わる感染状況、そして自粛生活が続くなかにおいて、生活者の気持ちや困りごとは徐々に変化しています。またいままでの価値観を見つめなおす機会にもなっています。
この記事では、インテージが7月27日~29日に行った調査と、緊急事態宣言解除直後、感染状況が一時的におさまっていた6月1日~3日に行った調査との比較を通し、生活者の変化を探ります。

【目次】

施設・サービスの利用状況 新型コロナ流行前と変わらず利用しているのは?

多くの業種に対して休業要請が行われていた緊急事態宣言下とは異なり、現在は一部の地域・業種を除いて休業要請は解除され、感染防止対策を取っている施設・サービスを利用することが推奨されている状態にあります。
一方、いまだ感染の再拡大は続いており、「いつ施設やサービスの利用を再開するか」は生活者自身に委ねられていると言えます。
実際、それぞれの施設・サービスの利用はどの程度戻ったのでしょうか?

図表1covid19-dcgs-5_01.png

生活必需性の高いスーパーでの買い物については、約7割、コンビニでは約5割の人が「普段通りに利用している」と回答しています。
この他、「普段通りに利用」の伸びが目立つのが、ショッピングモール/ホームセンター・家電量販店といった買い物施設の利用や、出勤や買い物などの移動手段にあたる自家用車・近郊区間の鉄道です。また出勤や買い物といった外出機会の増加に伴ってか、外食も10ポイントほど回復しています。

withコロナの生活の中で、外食サービスに対する意識はどう変わった?

買い物施設に続いて生活者の利用の戻りが見られた外食ですが、withコロナの生活を数か月続けてきた中で、お店に求めることはどう変化してきているのでしょうか。図表2は外食する際に求める事を、緊急事態宣言解除直後の6月初旬と感染の再拡大が発生した後の7月末とで比較した結果です。

図表2covid19-dcgs-5_031.png

6月初旬と比べ、「感染予防」に関する項目が下がっていることがわかります。
緊急事態宣言中に大きな打撃を受けた外食業界は、生活者へ安心・安全を提供するために感染予防にいち早く注力していました。消毒液の設置や間隔を開けた案内が外食サービスとしてアタリマエになったことで、生活者の意識も「感染予防」から「自分好みのメニュー」など、本来外食に求める事柄へ戻ってきたのかもしれません。

個人の感染予防行動に見られた変化とは?

前述の通り、サービス提供側のアタリマエとなっている感染予防策ですが、感染拡大防止のために最も必要とされているのが、個人の感染予防の徹底です。この個人の感染予防行動について、withコロナの生活を通してどのような変化が起きているのかを見てみましょう。
図表3は感染予防対策について、緊急事態宣言解除直後の6月初旬と感染の再拡大が見られだした7月末とで比較した結果です。

図表3covid19-dcgs-5_041.png

外出時のマスクの着用、手洗い(消毒)での予防は、変わらず多くの人が実施しており、この行動が定着していることがわかります。
また、「外出の際には人に近づきすぎない」が6.2ポイントと大きく減少し、唯一増加が見られたのが「会話をするときはマスクを着用する」という項目でした。
3密や大声など、徐々に感染リスクの高い行動が明らかになり、メディアで報道されてきたことで、「なにがなんでも接触を控えた方がいい」といった意識が緩和され、防疫効果の高い適切な行動が認知・実行されるようになってきているようです。

巣ごもり生活の悩みは解消された?

日常生活が戻りつつあるといっても、感染の再拡大に伴い、自治体の自粛要請や感染の不安から外出を控えるといった人も多くなっています。(外出自粛に対する最新のデータはこちら
長く続いている巣ごもり生活、その悩みはどう変化しているのでしょうか。
図表4は自宅での余暇の過ごし方の悩みについて、緊急事態宣言解除直後の6月初旬と感染の再拡大が見られだした7月末とで比較した結果です。

図表4covid19-dcgs-5_02.png

6月初旬の時点では自粛生活の影響から「友人や知人との会話・コミュニケーション不足」を悩みと回答する方が24.6%いましたが、約10ポイントの減少が見られました。緊急事態宣言解除解除から2カ月経過し日常生活が戻りつつあることや、自粛期間中に話題となった「オンライン飲み会」などが一般化されたことで、悩みは解消されてきているようです。また、自宅で余暇を過ごすことが当たり前となったためか、「特になし」といった回答も増加しました。
とはいえ、3ポイント弱の減少は見られたものの、引き続き「運動不足・体力低下」が生活者の大きな悩みとなっています。長期化するwithコロナ生活、感染予防はもちろんのこと、運動や体力の維持がより課題になっていきそうです。

在宅勤務経験を経て、『理想の働き方』は変化した?

ここまで、withコロナの生活が続く中で生活者の意識や行動に起きている変化に注目してきました。これらの変化は、新型コロナウイルスが収束に近づくにつれて、これまでの姿に戻っていくものと新しいアタリマエとして定着していくものに分かれていくと考えられます。

完全には元に戻らないと考えられている変化が、働き方です。新型コロナウイルスの存在は生活者の働き方にも大きな変化を与えました。リモートワークやオンライン会議などで場所を問わず働くことができるようになり、ワークスタイル変革のトリガーになったとも言えます。
図表5は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月頃と、2020年7月末現在、それぞれの時点での「理想の働き方」に関する考え方を比較したものです。

図表5covid19-dcgs-5_03.png

新型コロナ流行前の12月と比較して、「給与や収入が安定していること」を求める意識が高まっている一方で、「給与や収入が高いこと」を求める意識にそれほど変化は見られませんでした。不安に満ちた世の中において、まずは安定を、という気持ちが強くなっているようです。

また、「自分の時間を大切にする」「自分の裁量で仕事ができる」「ダブルワークが可能」など、働き方の自由裁量を理想とする意識が高まっていることがわかります。
これらはリモートワークや在宅勤務が増加し、場所や時間を問わずに働くことができることを多くの生活者が身をもって体感したことで、価値観の変化があったものだと想像できます。
ただし、一人で行う在宅勤務は、人と接する機会が減少するなどコミュニケーション不足が懸念されるためか、「職場の人間関係」や「仕事自身の面白さ」を求める意識も高まっており、自由裁量に加え、これらの条件を満たした働き方が求められていきそうです。

生活者の意識・行動の一時的な変化のみならず、働き方など、根本的な価値観の変化も引き起こしている新型コロナウイルスの感染拡大。withコロナの生活から今後どのような新しい価値観やライフスタイルが生まれ、定着していくのか、知るGalleryでは、今起きている変化を引き続き追いかけます。

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今回の分析は、自主企画調査を用いて行いました。

【自主企画調査(ネットリサーチ)】
6月初旬調査
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ: n=819
調査実施時期: 2020年6月1日(水)~6月3日(金)
調査項目:自粛要請中のサービス利用状況、流行以前の状態に戻るサービスとその具体的な時期、働き方・テレワーク実態、 自宅での過ごし方(ゲーム・動画など)、外出時の移動手段 など

7月末調査
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ: n=847
調査実施時期: 2020年7月27日(月)~7月29日(水)
調査項目:自粛要請中のサービス利用状況、流行以前の状態に戻るサービスとそのきっかけ、働き方・テレワーク実態、 自宅での過ごし方(ゲーム・動画など)、外出時の移動手段 など

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