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食事法・食スタイル実態2019 ー話題のロカボの実践率、美容・健康効果実感のある食事法を調査

「ローカーボ」「マクロビ」「ファスティング」など、健康や美容によいとされるさまざまな食事法・食スタイルがメディアに取り上げられたり、関連商品が発売されている昨今。実際、どれくらいの生活者が特定の食事法・食スタイルを取り入れているのでしょうか。
日本全国の20-69歳男女3,627人を対象に実施した調査の結果から、今話題の食事法・食スタイル実践者の実態や実際に感じられている効果などをご紹介します。

「実践中」の人が最も多い食事法・食スタイルは?

まず、代表的な6つの食事法・食スタイルを提示して、今取り入れているものを聞いてみました。図表1はその結果の男女別チャートと年代別の数表です。

図表1

diettrends2019_01.png

最も取り入れ率が高かったのは「ローカーボ食」で全体の13.5%が実践中。「低炭水化物食」「糖質制限食」 とも言われ、ご飯、パン、麺などの主食や糖分量の多い食品を制限することで、メタボリック症候群の解消につながるとされる食事法です。「ロカボ」や「低糖質」をうたったアイテムが惣菜から飲料、スイーツまでコンビニに並ぶようになっていることも実践の後押しになっていると思われます。「ローカーボ食」実践者は男性より女性が多いのが特徴的です。ここに掲載していませんが、性×年代データで最も実践者が多いのは60代女性で2割の人が取り入れていました。「ローカーボ」に続いて白砂糖や白米といった「精製食材は食べない」、「断食・少食」がそれぞれ5%前後。「菜食」いわゆるベジタリアンは3.5%、主に小麦に含まれるグルテンを避ける「グルテンフリー」、「ローフード」(生食/46度以下調理の生鮮食材を食べる)は2%前後という結果でした。
年代別にみてみると、「ローカーボ食」「精製食材は食べない」の取り入れ率が最も高いのは60代。一方、「断食・少食」「菜食」「グルテンフリー」「ローフード」は若年の方が取り入れている割合が多いことがわかります。

Key Point1

取り入れ率、トップの「ローカーボ」は13.5%が実践中 -女性で実践者多く、最多の60代女性では2割

各食事法・食スタイルの実践頻度/タイミング、キャリアはどれくらい?

次に、それぞれの食事法・食スタイルを実践している人がどんな頻度やタイミングで取り入れていて、いつから始めたのかを聞いてみました(図表2)。

図表2

diettrends2019_02.png

今回提示した6つの食事法・食スタイルの中で、「ほぼ毎日」実践している人の割合が3割~4割と高かったのは「精製食材は食べない」「ローカーボ食」。一方で、「体にとって必要と感じる時」に取り入れるという人が3割以上と他の食事法・食スタイルより多かったのは「断食・少食」「菜食」「ローフード」でした。また、「気が向いたとき」は「ローフード」「グルテンフリー」を取り入れている人に特に多いのが特徴的です。
取り入れ歴については、「ローフード」「ローカーボ食」の6割、「グルテンフリー」の5割強がここ2年以内に取り入れている一方、「精製食材は食べない」「菜食」「断食・少食」では3割前後の人が6年以上前から取り入れており、3~5年前からの人をあわせると5割強から6割の人が3年以上の実践キャリアがあることがわかりました。

Key Point2

・頻度/タイミング、「ほぼ毎日」 -「非精製食材」実践者の4割、「ローカーボ」実践者の3割/「体にとって必要と感じる時」 -「断食・少食」「菜食」「ローフード」実践者の3割
・取り入れ歴、「ローフード」「ローカーボ」「グルテンフリー」で半数以上が「ここ2年以内」、「非精製食材※」「菜食」「断食・少食」で3割前後が「6年以上」

「ロカボ」「菜食」「少食・断食」 -ユルく?ストイックに?どんなタイプがどれくらい存在?

ひとくちに「ローカーボ食」「菜食」「断食・少食」といっても、その中でも色々な食べ方があります。具体的にどのように実践されているのかを探ってみました(図表3)。

図表3

diettrends2019_03.png

「ローカーボ食」実践者では、7割が「1日の中で主食を食べる回数を制限」という取り入れ方をしていて、「主食は食べない」人は2割にとどまりました。「その他」には「主食の量を減らす」という回答が目立ちました。実践タイプの種類の多い「菜食」については、最も厳格といえる「ヴィーガン(植物性食品のみ)」「マクロビアン(マクロビオテッィクに基づく食事)」はそれぞれ「菜食」実践者の1割に満たず、最も多い4割の人は、魚・卵・乳製品は食べる「ぺスコ・ベジタリアン」という結果でした。また、「断食・少食」を取り入れている人の半数近くの人は朝食や夕食を抜いて「食事間隔を空ける」、次いで4割が「満腹まで食べない」を実践していました。これに、食事をスムージーや甘酒などに置き換える「液体類を摂る断食」が続き、「一日一食」や「水だけ/酵素ドリンクによる断食」といった比較的厳格な食事制限や断食を取り入れている人も1割前後いることがわかりました。

Key Point3

・「ローカーボ」実践者: 「主食は食べない」は2割どまり -7割は「主食の回数を制限」
・「菜食」実践者: 「ヴィーガン」「マクロビアン」は1割未満 -最多の4割は魚・卵・乳製品は食べる「ぺスコ・ベジタリアン」
・「断食・少食」実践者: 5割弱は「食事間隔を空ける」、4割が「満腹まで食べない」 -「一日一食」「水だけ断食」も1割前後が実践

健康効果、美容効果が感じられている食事法・食スタイルは?

各食事法・食スタイル実践者はどのような効果を感じているのか(図表4)、そして全調査対象者に、今後取り入れてみたい食事法・食スタイルを聞いてみました(図表5)。

図表4

diettrends2019_04.png

図表5

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「健康維持」については総じてどの食事法・食スタイル実践者も効果を感じている様子で、いずれも4割以上が効果を感じていると回答。トップ3は「精製食材は食べない」「菜食」「ローフード」でした。何らかの「体の症状の改善」についても、いずれの実践者も3~4割が効果を感じており、中でも最も実感者が多いのは「菜食」でした。一方、「ダイエット」効果実感にはばらつきがあり、トップの「断食・少食」実践者の7割に続き、「ローカーボ」は5割の人に効果が感じられていました。「グルテンフリー」「精製食材は食べない」も4割超がダイエット効果を感じており、やはり炭水化物の摂取に気をつけることはダイエットに直結しているようです。また、「ローフード」は、スコアは2割程度と高くはないものの「若返り・美容」「睡眠の質」「仕事や日常生活のパフォーマンス」「スポーツのパフォーマンス」で効果実感が6つの食事法・食スタイルの中で最も高いことも目を引きます。海外のトップアスリートやモデル、女優にも実践者がいるローフード、今後の広がりが気になります。
今はやっていないが、今後取り入れてみたい食事法・食スタイルについては(図表5)、最も選択率が高かったのは「ローカーボ食」で全回答者の約1割。次いで「精製食材は食べない」「断食・少食」がいずれも7.2%という結果でした。「ローフード」「菜食」は3%前後にとどまり、今のところ一般生活者にとっては縁遠い存在のようです。

Key Point4

●実際感じている効果
「健康維持」:「精製食材は食べない」「菜食」「ローフード」実践者の半数以上
「体の症状の改善」:「菜食」実践者の4割
「ダイエット」:「断食・少食」「ローカーボ食」実践者の半数以上
「若返り・美容」「睡眠の質」「仕事や日常生活のパフォーマンス」「スポーツのパフォーマンス」:いずれもトップは「ローフード」で実践者の2割前後

購入を左右する食品表示とは?

最後に、食品表示についても聞いてみました。図表6は、購入を左右する食品表示を選んでもらった結果について、各食事法・食スタイルを取り入れている人と、何も取り入れていない人とを比較した数表です。

図表6

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やはり総じて、何らかの食事法・食スタイルを取り入れている人たちにとっては「食事法・食スタイルなし」の人たちに以上に、食品表示が購入判断の材料になっていることがわかります。クリーム色のセル、ピンク色のセルは「食事法・食スタイルなし」の人たちのスコアと比べそれぞれ、10ポイント以上、20ポイント以上高いことを示しています。いずれの実践者でも共通して、特に購入を左右する要素となっているのは「添加物」「糖質」。また、「食事法・食スタイルなし」の人たちでは気にする人が稀な「油の種類」「砂糖の種類」についても、何らかの食事法・食スタイルを実践している人たちの中では2~4割前後とかなりの割合で購入判断の要素となっていることも目を引く結果となりました。

Key Point5

「食事法・食スタイルなし」の人に比べ、食事法・食スタイル実践者に共通して、特に購入の判断材料となっている要素は「添加物」「糖質」
「油の種類」「砂糖の種類」は「食事法・食スタイルなし」の人では気にする人は稀だが、食事法・食スタイル実践者では2割~4割前後が判断材料に

暑さや室内外の気温差などで体調を崩しやすい夏は消化力が落ちる時期ともいわれます。そんな夏を健やかに過ごせるよう、体の声に耳を傾けて食養生を取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。


使用したデータ
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】 https://www.intage.co.jp/service/research/net/
調査地域:日本全国
対象者条件:20~69 歳の男女
標本抽出方法:弊社「キューモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n= 3,627
調査実施時期: 2019年6月6日(木)~2019年6月10日(月)


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