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ゴールデンウィーク2019 10連休の予定は? ~「旅行の達人」はやっぱり旅行へ~

異例の10連休と話題の2019年のゴールデンウィーク(GW)。10連休ともなれば普段はなかなかできないような遠出をしたいという人も多いと思われますが、航空運賃の高騰や道路、交通機関、観光スポットの混雑などが予想されています。そんなGW、旅行好きたちはどんな計画を立てているのでしょうか。インテージでは、旅行業界専門のリサーチャーが、人々の旅行に対する態度をもとに「旅行の達人レベル」を独自に判定。旅慣れた「旅行の達人」たちの大型連休への意識や予定の行動とは?旅行の達人_カレンダー.png

大型連休を楽しみにするのが、旅行の達人

平成の終わり・令和の始まりにかけての10連休。過去最長となるゴールデンウィーク(GW)をどの程度楽しみにしているのかを聞いたところ、調査した人のうち、「どちらともいえない」~「まったく楽しみではない」という回答がなんと6割を占めました(図表1)。病院や金融機関の長期休業をはじめ、サービス業や配送業の人手不足、日給や時間給で働く人々の収入減といった懸念も相次いで指摘される中、異例のまとまった休みに対してもなかなか前向きになれない姿が浮き彫りになっています。

そんな中、この大型連休を歓迎しているのが「旅行の達人」たち。旅慣れ/旅に詳しい/旅好きといった旅行に対する関与度から旅行者をレベル分けし、インテージが独自に判定した「旅行の達人」たちは6割以上がGWを楽しみにしているという、調査対象全体とはまったく逆の結果となりました。

図表1

図表1_旅行の達人_楽しみ度_5.png

GWはやっぱり旅行に行くのが、旅行の達人

ではGWを楽しみにしている旅行の達人は、どのような予定を立てているのでしょうか。全体では「自宅で過ごす」が43.1%と1番多かったのですが、達人は「国内旅行(泊りがけ)」の割合が42.4%で最多でした(図表2)。料金が高くても、混雑が予想されても、旅行に行くという姿勢が強くうかがえます。また「国内旅行(日帰り)」、「海外旅行」も含めて旅行を予定している人の割合が総じて全体よりも高く、せっかくの機会である大型連休を有効に使おうという意向が示されました。

図表2

図表2_旅行の達人_GW予定_7.png

しっかり休むのが、旅行の達人

旅行の達人の休日数も見てみましょう。10日以上休む人の割合は38.3%と、全体より10ポイント高く出ています(図表3)。また連休の日数についても「10日以上」と答えた人が36.7%と、全体を10ポイント上回っていて、旅行の達人は多く、長く休みを取る傾向があるようです。そして、もう1つ注目されるのが、現時点では休みの日数や連休の日数が決まっていない人の割合。これらの数字は全体より10ポイント以上低くなっています。旅行の達人は計画的に長い休みを獲得できるように動いていることが推測されます。

図表3

図表3_旅行の達人_休日数_3.png

先手を打つのが、旅行の達人

さらに予定を組む時期を見てみると、旅行の達人が早くから動いていたことが分かります。GW1か月以上前に実施した調査にもかかわらず、予定が「決まっている」「ある程度決まっている」と答えた人の合計は27.8%と4分の1以上に達し、全体を10ポイント以上上回っています(図表4)。混雑により、ホテル予約や公共交通機関のチケットが取れないなどの事態を避けるために、先手必勝で予定を立てて、希望に沿う形での旅が実現できるように動いているようです。

図表4

図表4_旅行の達人_予定決定状況_2.png

また、泊りがけの国内旅行を予定している人たちへの質問では、旅行の達人は「その土地ならではのものを食べたい・飲みたい」や「その土地でしか撮れない写真を撮りたい」など、そこでしか経験できないことを期待しているという割合が、旅行の達人ではない一般の人たちを10ポイント以上上回っていました(図表5)。

図表5

図表5_旅行の達人_旅行に期待_5.png

達人たちの大型連休への期待は、GWの旅行を計画するにあたり工夫したことやこだわったことへの自由回答にも表れています。「今まで体験したことの無いことをピックアップすることに努めた。」「最低1ヵ所は初めての場所に行きたい。」「自転車が趣味なので、まだ行ったことない地域まで車で運び、現地で乗りたい。土産物を物色する時間も好きだし、そのために自分自身も初めての物にたくさん触れられるよう考慮している。」など、初めての体験や普段できないことを楽しみたいという強い気持ちがうかがえます。

また、予算の高騰や混雑に対しても、「休みが確定するまで仮予約でいくつか宿やプランをキープしました。」「あまり予算がないので、価格が高騰する時期だけれど、予算を抑えつつもたっぷり楽しめるよう、近場で目的地をたっぷり、という旅行にしたいと思っています。」といった工夫をして、制約がある中でもできるだけ思いどおりにGWの旅行を楽しみたいという意欲が見て取れます。

費用の高騰により海外旅行は諦めざるを得ない達人も

しかし、そんな旅行の達人たちも、すべて思いどおりにGWの計画を立てられたわけでもなさそうです。2019年のGWについて、「思いついたり検討したが、取りやめたりあきらめたりしたこと」を聞いたところ、旅行の達人は21.2%が泊りがけの国内旅行を、16.5%が海外旅行を諦めたと回答(図表6)。10連休という長い休みであることから、海外旅行熱が高まっているという報道も見られますが、旅行好きにもかかわらず海外旅行を諦めた人も少なくなかったようです。

図表6

図表6_旅行の達人_諦め_2.png尚、旅行の達人が諦めた海外旅行先として最も多かったのはアジアで5割以上。次いで、ヨーロッパ、ハワイやグアム、サイパンといったミクロネシア・南太平洋・インド洋の島々が続きました(図表7)。また、諦めた理由としては、「費用が通常時期より割高だったから」「費用が予算より高かったから」と費用の高騰を挙げる人がそれぞれ4割を超えていました(図表8)。

図表7&8_旅行の達人_諦めた海外行き先&理由_4.png

アナリストの視点:旅行の達人の意識や行動には、休みを充実させるためのヒントが

今回の調査結果について、旅行業界リサーチチームのアナリストによる解釈をご紹介します。

「旅行の達人は自身が達人だという自負があります。人から旅行の相談を受けることも多く、自分から発信したいと考えています。そういったエバンジェリスト的な特性があるからこそ、達人である自身が大型連休に旅行に行かないという選択肢は自ずとなくなるのでしょう。また、達人は普段から旅行に関する情報収集をしていて、次の旅行先を常に探しているという特徴もあります。そのため、GW直前になって慌ただしく行き先から検討するであろう一般の人よりも、達人は先んじて計画を立てられると言えます。人が多い観光地を避けたり、人が多くても楽しめる術を知っているからこそ、達人は旅行を通じてさらに旅行愛を深めていくのではないのでしょうか。」(インテージ 旅行・レジャー担当チームリーダー・チーフアナリスト 金森史郎)

旅を愛し、旅に詳しい旅行の達人たち。そんな達人たちの意識や行動の中に、旅を通じて、まとまった休日をより充実して過ごすヒントがありそうです。

旅行の達人とは

旅慣れ/旅に詳しい/旅好きといった旅行に対する関与度から、旅行者をレベル分けし、旅行のイノベーター層・アーリーアダプター層である「旅行の達人」を判定。「情報収集力」「実施力」「先行性」「発信力」「計画力」「旅行愛」の6つの要素に紐づく15の指標を構築、アンケートの回答結果からスコアを算出しています。「旅行の達人」の旅行行動・意識を捉えることで、次に流行りそうなエリア・観光資源・ニーズが推測できるので、今後の商品造成やコミュニケーション戦略の示唆が得られます。旅行の達人定義_2.png


今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。
調査地域:日本全国
対象者条件:15~69 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n=3,051
調査実施時期: 2019年3月14日(木)~2019年3月19日(火)

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