【入門】Web・ネット広告の種類一覧&効果・費用感をわかりやすく解説

近年、インターネット広告の種類は増え、販売促進にインターネット広告を活用する企業も増加しています。インターネット広告費の国内推定市場規模は1兆円を超え、さらに成長を続けています。

この記事では、これからインターネット広告に取り組む方や、既に取り組んでいるがあらためておさらいをしたいという方に向けて、知っておきたいポイントを簡潔にまとめました。
まず冒頭で、インターネット広告全般に関する基本的な性質を解説した上で、広告種類別の特徴や費用、期待できる効果などをご紹介します。また、インターネット広告の効果を上げていく上で重要となる広告の効果測定についてもわかりやすく解説します。

【目次】

インターネット広告の特徴、マス広告との大きな違いとは

「インターネット広告」は、文字通りインターネットという媒体(メディア)上に掲載する広告を指して使われる言葉で、ネット広告、ウェブ広告、オンライン広告、デジタル広告などとも呼ばれます。インターネット広告には、バナー広告・リスティング広告・動画広告・SNS広告・インフィード広告…等々、形状や配信方法、課金方法などが異なる様々な種類があります。日本でインターネット広告の活用が始まったのは1990年代の後半頃で、それ以前は広告というと、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌のいわゆるマス4媒体に掲載するマス広告が主流でした。

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※電通 ナレッジデータ「日本の広告費 2013年~2017年」を加工して作成

マス広告は幅広いターゲットに対してリーチすることができ、商品やサービスの認知度を高めるには非常に有効な手法ですが、一般に広告の効果測定が難しく、また狙った相手にピンポイントでアプローチしづらいのが弱点です。マス広告にはこのような特徴があるのに対し、インターネット広告の特徴としては主に次の4つが挙げられます。

  • 少額の費用から始められる

テレビCMや新聞広告のようないわゆるマス広告に比べて少ない費用で広告運用を始めることが可能です。課金方法にはいくつかの種類がありますが、例えば「クリック課金(PPC)型」と呼ばれる課金方法では、実際に広告がクリックされることで初めて費用が発生し、さらにクリックの上限単価や、合計金額にも上限を設定できるため、限られた予算の範囲内で、少額からでもスタートすることができます。

  • 細かいターゲティングが可能

インターネットユーザーの属性や行動履歴などを利用して、特定の相手に対して特定の広告を表示することが可能です。具体的には、性別、年代といった属性情報のほか、閲覧しているページからその人の趣味や関心事を推定してターゲティングをすることもできます。そのため、特定の商品やサービスの販売促進を主目的とした広告において、無駄な出稿を減らし、効率的な広告出稿をすることが可能となります。

  • 効果測定がしやすい

広告の閲覧数やクリック数、広告を経由して商品が購入された回数や広告経由での販売額など、広告の効果測定に必要となる情報をログ形式のデータで取得できます。広告の費用対効果を正確に測定できるため、継続的に改善していくことで着実に成果を上げていくことが可能です。

  • 出稿期間中にクリエイティブ・ターゲティングの調整が可能

テレビCMや新聞広告のようないわゆるマス広告は、クリエイティブの制作から実際に出稿するまでのリードタイムが長く、広告効果を検証し、何か改善点が見つかったとしても、出稿期間中にクリエイティブに大幅な変更を加えることはできません。一方でインターネット広告の場合は、広告出稿期間中に広告効果をトラッキングし、その反応に応じてクリエイティブを改善することや、ターゲットを調整することが可能であり、この点はマス広告と大きく異なります。

このように、インターネット広告の強みは、マス広告に比べて少ない費用で始められ、また広告から得られるデータを駆使して狙った相手にピンポイントでアプローチする、そしてその効果をタイムリーに確認して施策を改善するなど、高度な広告戦略の展開が可能なことです。一方で、インターネット広告を取り巻く“デジタルマーケティング”の領域は新しい技術が日進月歩で生み出され、数ある広告の中から適切なものを選んだり、それらを適切な方法で効果測定したり、効果的な運用をするためには一定の知識が必要となります。ここからは、代表的なインターネット広告について、その特徴を解説していきます。

インターネット広告の種類と効果・費用目安一覧

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インターネット広告を活用するためにまず重要なポイントは、様々な種類の広告の中から目的に合ったものを選ぶことです。この際の判断方法はいくつかありますが、わかりやすく、かつ効果に繋がりやすいのは「ユーザーの関心度にあわせて広告を選ぶ」という方法です。

一般に商品やサービスに対するユーザーの関心は、低関心層(商品・サービスで解決できる課題を抱えていない)、潜在層(商品・サービスで解決できる課題を認識していない)、顕在層(商品・サービスで解決できる課題を認識している)、顧客層(商品・サービスを購入・利用をしたことがある)の順に高まっていくとされています。どの層のユーザーにアプローチしたいのかによって採用すべき広告の種類は変わってきます。

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以下では、近年主流となっているインターネット広告について、種類別に特徴や効果、広告料金形態(期間保証、インプレッション保証、クリック課金など)、費用の目安などをご紹介していきます。

(1)ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、一言でいうとWebサイトやスマホアプリなどの広告枠に掲載される広告です。ディスプレイ広告には、以下のようなものがあります。

Ⅰ. 純広告

純広告は、特定の媒体(メディア)の広告枠に掲載する広告です。インターネット広告の領域で「純広告」という場合、Yahoo!JAPANのような大手サイトのトップページに掲載する広告をイメージしていただけばよいでしょう。当該サイトの来訪者という点で一定の共通項はあるものの、基本的には不特定多数のユーザーの目に触れさせることができるため、潜在層への認知拡大に役立ちます。

広告料金形態 期間保証、インプレッション保証が多い
費用目安 数万~数千万(媒体/期間等により変動)
費用例(※) Yahoo! JAPAN ブランドパネル トップゲートビジョン
6,000万円~6,600万円(1週間/掲載月により変動)
効果 潜在層への認知拡大

※参考:https://marketing.yahoo.co.jp/service/premium.html

Ⅱ. アドネットワーク

アドネットワークは、複数のWebサイトを媒体として集めて広告を配信する手法です。広告媒体契約をしている個人ブログやWebサイトなどに広告掲載用の枠を設け、その枠内に広告を掲載します。純広告同様、潜在層への認知拡大に役立つのに加えて、ユーザー属性やWebサイトのジャンルなどを指定して範囲を絞り込んだターゲティングを行うことも可能です。

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広告料金形態 クリック課金型が多い
費用目安 1クリックあたり10円~
費用例(※) Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
パソコン:40円~/スマートフォン:25円~
(いずれも1クリックあたりの推奨費用)
効果 潜在層への認知拡大/顕在層への啓蒙

※参考:https://promotionalads.yahoo.co.jp/service/ydn/

Ⅲ. DSP(Demand-Side Platform)

DSPはアドネットワーク同様、複数の契約媒体(Webサイト)に対して広告を配信するサービスですが、DSPの場合は複数のアドネットワークに対して広告が配信されます。
広告配信に際してDSP側が管理するユーザーの行動履歴等のデータを利用できるため、広告枠を固定された「枠」ではなく、広告を閲覧する「人」にあわせて確保することができ、潜在層への認知拡大とともに顕在層への商品・サービスの啓蒙にも役立ちます。

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広告料金形態 クリック課金/インプレッション課金
費用目安 1クリックあたり10円~数百円程度
費用例(※) 楽天DSP (広告主がEC系の場合)
月間予算50万円以上×3か月~
効果 潜在層への認知拡大/顕在層への啓蒙

※参考:http://adsales.rakuten.co.jp/download/media/guide/2015/1_3_rakutenMediaguide_2.pdf

Ⅳ. リターゲティング広告

リターゲティング広告は、Webサイトを訪問したユーザーに対して再度同じ広告を表示する仕組みです。Webサイト訪問者、すなわち一度は製品・サービスに関心を抱いた顕在層に対して効果的にアプローチすることができます。
リターゲティング広告はアドネットワークやDSPといった単独のサービスというよりは、ディスプレイ広告や、この後ご紹介するリスティング広告などの広告サービスの中の一形態として利用されています。

広告料金形態 クリック課金型/インプレッション型
費用目安 1クリックあたり10円~
費用例(※) Google 広告
1クリックあたり10円~(予算に応じて自由に設定可)
※Google 広告の通常料金内で利用可能
効果 顕在層への啓蒙/顧客層へのリピート促進

※参考:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/#?modal_active=none

(2)SNS広告

Twitter・Facebook・インスタグラムなどのSNS上で配信される広告です。
SNSユーザーの属性や行動履歴を広告配信時に利用できる他、広告主である企業側と閲覧者であるユーザーとが双方向のコミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。SNS広告の中にも純広告に近いものからDSP的な側面を持つものまで様々なタイプがあり、潜在層への認知拡大から顧客層へのアプローチまで、幅広い活用が可能です。

広告料金形態 クリック課金型/インプレッション型
費用目安 1クリックあたり数十円~
費用例(※) Twitter プロモツイート
1アクションあたり40円~(返信、リツイート、お気に入り登録、開くなどのアクションに対して課金が発生)
効果 潜在層への認知拡大/顕在層への啓蒙/顧客層へのリピート促進

※参考:https://business.twitter.com/ja/help/overview/ads-pricing.html

(3)リスティング(検索連動型)広告

リスティング広告は、Yahoo!やGoogleのような検索エンジンサイトにおけるキーワード検索に連動して配信される広告です。入力されたキーワードに応じて広告が表示されるため、ユーザーの興味・関心に応じた広告を配信できるというメリットがあります。
認知拡大から販売促進まで幅広く活用可能です。また目的の明確ないわゆる「いますぐ客」の獲得には絶大な効果を発揮します。その一方で、キーワード検索をしないと広告が表示されないため、潜在層へのアプローチには不向きです。

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広告料金形態 クリック課金型
費用目安 1クリックあたり10円~
費用例(※) Google 広告
1クリックあたり10円~(予算に応じて自由に設定可)
効果 顕在層への啓蒙・販売促進

※参考:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/#?modal_active=none

(4)ネイティブ広告

ネイティブ広告は媒体に自然に溶け込むような形で配信される広告です。媒体がニュースメディアの場合は記事形式、SNSの場合は投稿形式で配信し、コンテンツの一部のように見られることを目的としています。

Ⅰ.インフィード広告

インフィード広告は、コンテンツの中に埋め込まれるような形で配信される広告です。TwitterやFacebookなどのSNS上で、投稿と投稿の間に同じフォーマットで広告が挟まれたりします。自然な流れで広告がユーザーの目に止まるため閲覧・クリックされやすく、かつ高いコンバージョンを獲得しやすいというメリットがあります。

広告料金形態 クリック課金型が多い
費用目安 1クリックあたり10円~
費用例(※) Google 広告
1クリックあたり45~50円(画像広告)
効果 顕在層への啓蒙・販売促進

※参考:https://promotionalads.yahoo.co.jp/service/ydn/price/

(5)動画広告

動画広告は、画像やテキストのかわりに動画を掲載する広告です。
以前はYouTubeのような動画サイト上で配信されるものが主流でしたが、最近ではアドネットワークなどを介して一般Webサイトに掲載されることも増えてきました。テキストや画像に比べて圧倒的に多い情報量を短時間で伝えることができ、近年、特に利用シーンが拡大してきています。

広告料金形態 再生保証型が多い
費用目安 1視聴あたり10円~
費用例(※) YouTube
1日1,000円程度~(自由に設定)
(広告を30秒間視聴、最後まで視聴、クリックなどのアクションに対して課金が発生)
効果 潜在層への認知拡大/顕在層への啓蒙・販売促進

※参考:https://www.youtube.com/intl/ja_ALL/yt/advertise/pricing/

(6)記事広告(タイアップ広告)

記事広告は、その媒体に掲載されている編集記事のような体裁で配信される広告のことです。
企業がメディアと連携して制作する広告であるため、タイアップ広告ともいわれます。「いかにも広告」という体ではなく、あたかもコンテンツの一つであるかのように配信されるため、ユーザーに受け入れられやすく、大手企業を中心にブランディングなどを目的として活用されています。

広告料金形態 インプレッション保証型/クリック保証型
費用目安 1クリックあたり10円~
費用例(※) スポンサードまとめ(Naverまとめ)
250万円~
効果 顕在層への啓蒙・販売促進

※参考:http://ad-center.line.me/mediaguide/?pageID=2 / NAVERまとめ 2018年7-9月期 媒体資料

インターネット広告の料金形態一覧

前述の説明内に登場する広告料金形態の概要については、以下にてご確認下さい。

広告料金形態内容主に利用されている広告
期間保証型 一定期間の掲載を保証。特定の広告枠へ掲載する期間ごとに料金が発生する。
例)1か月の広告掲載・・・50万円
純広告
インプレッション(表示)保証型 一定期間内の広告の表示回数を対象として料金が発生する。
例)500万インプレッション・・・50万円
DSP、SNS広告、記事広告
クリック保証型 一定期間内の広告のクリック回数保証。実際のクリック数を対象として料金が発生する。
例)5,000回クリックされるまで広告掲載・・・50万円
アドネットワーク、記事広告
クリック課金(PPC)型 広告のクリック回数に応じて課金される。 リスティング広告、アドネットワーク、SNS広告
成果報酬型 会員登録や商品の購入などの成果が広告によって生じた場合に課金される。 アフィリエイト
再生保証型 動画広告の再生回数を保証。動画等が最後まで再生された場合に課金対象とする場合もある。 動画広告
配信保証型 主に記事広告等において、配信期間や掲載回数などを保証。配信数に応じて課金される。 メール広告、メルマガ広告

インターネット広告の評価の必要性と評価指標

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インターネット広告を利用する際は、広告の閲覧回数やクリック回数、その後の購買行動などの情報を収集・分析し、当初の目的に応じた成果が上がっているかどうかを定期的にチェックし、必要に応じてチューニングしていくことが大切です。例えば、顕在層に対する販売促進を目的として広告を掲載したにもかかわらず、広告経由での購入件数が一向に増えないのであれば、選んだ広告の種類や媒体を見直す必要があるかもしれません。

以下、広告の成果測定に際して覚えておきたい指標をいくつかご紹介します。

1)インプレッション数

広告の表示回数を表す指標です。リスティング広告などでインプレッション数が伸び悩む場合は、キーワードを見直すなどの対策が必要です。

2)CTR(Click Through Rate/クリック率)

CTR(クリック率)は広告の表示回数におけるクリック回数の割合を示します。CTRが少ない場合、広告のクリエイティブ(画像やテキストの内容など)に問題はないか、広告の出稿先に問題はないか、などを確認し、必要に応じて見直す必要があります。

3)CV(Conversion/コンバージョン)

インターネット広告において、広告主があらかじめ設定していた成果達成にあたる行動をユーザーが行うことで、CV数は成果達成の件数を示します。何をもってCVとするかは、ECサイトであれば「商品の購入」、サービスの紹介を行う企業サイトであれば「問合せの完了」、また特定のページの閲覧をCVに置く場合もあり、目的により適切なCVを設定することが重要です。

4)CVR(Conversion Rate/コンバージョン率)

広告のクリック回数における成果達成件数(CV数)の割合を示します。ECサイトで商品購入をコンバージョンと定めた場合、広告経由で発生した流入のうち、売上に繋がった流入の割合がCVRとなります。CVRが伸び悩む場合、広告と製品の不一致や広告クリック後に移動するWebサイトの品質等を見直す必要があります。

5)CPA(Cost Per Action , Cost Per Acquisition/コンバージョン単価)

1件の成果(CV)を達成するためにかかった広告費用を示します。CPAが低いほど費用対効果が高い広告であるとされます。

CPA=総コスト ÷ 成果達成件数(CV)

6)ROAS(Return On Advertising Spend/広告費用対効果)

広告費全体における広告経由での売上の割合で、以下の式で表します。

ROAS=広告経由の売上 ÷ 広告費 ☓ 100(%)

その広告が実際に効果を上げているのかどうかを可視化する指標で、この値が思わしくない場合はその原因を突き止めて対策を行います。

7)LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)

一人の顧客が生涯に渡って自社にどれだけの利益をもたらすかを表す指標です。
この指標は評価というより、広告戦略の立案に際して投資できる予算を決めるのに用いられます。

日本でインターネット広告が導入され始めたとされる1990年代後半頃は、インターネット利用者の数が現在と比べると少なかった事もあり、活用範囲は限定的でした。またインターネット広告には幅広い知識や特殊な技術を求められる側面があり、活用における一つの障壁となっていることは否めません。しかし、近年になって消費者がインターネットという媒体に接触する時間は格段に増え、インターネット広告はマス広告に迫る勢いで成長を続けています。今後はおそらくマス広告とインターネット広告の境界は曖昧になり、マスとしてのインターネット上で様々な広告を使いこなしていくことが、マーケティング担当者の重要な役割となっていくことでしょう。

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