インプリケーション 【ライブコマースの利用体験が商品選好に与える影響とそのメカニズムの解明Ⅵ】

この記事では、2018年の関東学生マーケティング大会でリサーチ賞を受賞した論文を紹介します。

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調査を通して、LCの利用体験は商品選好に正の影響を与えることが明らかになった。そしてその要因やメカニズムを解明し、「自己肯定因子」が「親近感因子」に、また「参加・共創因子」が「商品理解因子」に影響を与えて商品選好に正の影響を与えることを示した。本節ではこれらの結果を踏まえ、実務的インプリケーションを論じていく。

我々は本研究で明らかになった示唆を新卒採用企業説明会に活用することを提案する。多くの企業説明会では、企業側が一方的に自社説明を行った後に質問の時間が設けられ、何人かの就活生が挙手をして質問をする。しかし、この形ではほとんどの就活生が質問をしないという問題点がある。そこで本研究で明らかになった示唆を組み込みこむことができれば、新しい形の企業説明会が可能となると考えた。

具体的な内容は以下の通りである。企業説明会が行われている間に、就活生は疑問に思ったことをデバイスを介してコメントすることができる。そのコメントは前にあるスクリーン上に匿名で映し出され、全員が閲覧できるようになっている。企業側はそのコメントに対して、LCのようにリアルタイムで反応をし、就活生側の疑問を解決していく。

この施策によって期待できる効果は次の2点である。1つ目は関与度の向上である。従来の企業説明会はまず自社の説明を一通り行うため、就活生が説明会で発言できる場は、最後に設けられた質問の時間のみであることがほとんどである。デバイスを介したコメント機能を用いることによって、企業側と就活生側の間に対話をしている感覚が生まれ、さらに説明会により参加しているように感じると考えられる。このような感覚は、本研究における「参加・共創」であり、企業の「理解」にもつながると考えられる。2つ目は、就活生の承認欲求が満たされ、企業に親しみを感じることである。匿名でコメントをした際にリアルタイムで反応が返ってくることに対して、就活生は喜びを感じ、また自身に対して企業の魅力が訴求されていると感じると考えられる。これは本研究における「自己肯定」が企業への「親近感」につながると考えられる。

以上のことから、「参加・共創」、「自己肯定」の要素が活かされた新たな新卒採用企業説明会を提案する。

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