レコメンド型チャットボットが導入ブランドに与える影響とそのメカニズムの解明

この記事では、2019年の関東学生マーケティング大会でリサーチ賞を受賞した論文を紹介します。


レコメンド型チャットボットが導入ブランドに与える影響とそのメカニズムの解明

横浜国立大学鶴見ゼミナール 1班

奥野 真依 経営学部3年
神崎 黎 経営学部3年
後藤 有貴 経営学部3年
戸松 雅貴 経営学部3年
松岡 いずみ 経営学部3年


目次

  はじめに 
   1. 研究背景 2. 研究意義 3. 現状分析 (1)チャットボットについて (2)レコメンド型チャットボットについて 4. 問題提起

  既存研究 
   1. 経験価値に関する研究 2. ブランド・エクイティに関する研究 3. 他者推奨に関する既存研究 4. 既存研究まとめ

  Study 1
   1. 仮説提唱 2. 調査内容 (1)ターゲット選定 (2)商材選定 (3)調査方法 (4)留意点
   3. 本調査 (1)本調査概要 (2)検証結果

  Study 2 
   1. 仮説提唱 2. プレ調査 3. 因子分析 (1)検証方法 (2)項目分析 (3)因子分析 (4)仮説設定 4. 共分散構造分析 5. 仮説検証 6. 仮説の再提唱 7. 考察

  インプリケーション

  おわりに 
   1. まとめ 2. 本研究の限界と今後の課題

  謝辞・参考文献


関東学生マーケティング大会を終えて

関東学生マーケティング大会は、関東圏のマーケティング専攻の名門ゼミが集まって論文とプレゼンテーションで競う研究大会です。38回目となる今年のテーマは「『わ』になるマーケティング」でした。

記事でご紹介した「レコメンド型チャットボットが導入ブランドに与える影響とそのメカニズムの解明」の論文は、「実務的なマーケティング課題を適切なリサーチプロセスに反映できているか?」という視点でインテージが選定する『リサーチ賞』を受賞しました。

選定では以下のポイントが評価されました。

  • 履歴に基づくレコメンドではなく、対話を通して思ってもいなかったものをレコメンドされるなどの「新しい買い物体験」の提供がブランドの推奨意向に結びつくという、「これからのマーケティングの技術」の効果をテーマとして設定している
  • 理論に基づいて作成した調査票で調査を行った後に、実態に即した結果が導き出せないことがわかって、改めてデプスインタビューをもとに調査票を作成するなど、理論と実態を行き来しながら試行錯誤を繰り返し、分析の精度を高めていっている

受賞を機に、論文を発表した横浜国立大学鶴見ゼミナール 1班の皆様にインテージへご来社いただき、受賞論文をプレゼンテーションしていただきました。

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プレゼンテーションにはインテージのサービス開発メンバーとデータサイエンティストメンバーが同席。ブランド経験、ブランドエクイティといった従来の顧客課題とチャットボットという新しいマーケティングテクノロジーを紐づけたテーマでの発表に、質疑応答コーナーでは実務に即した質問やコメントが多数飛び、盛り上がりを見せました。

質疑応答では、ほかにも興味深い話をいろいろと聞くことができました。その一部をご紹介します。

【テーマ設定について】

テーマの設定にはかなり時間をかけたというメンバーの皆さん。最終的にレコメンド型チャットボットをテーマとした理由をうかがってみました。
まずは、他大学とのインターゼミナールの活動の中で、企業に対して施策を提案する機会があり、その場でアイディアとして出てきたというのがひとつ。その時は技術的な問題で実現には至らなかったとのことですが、そこでお客様の関心の高さを感じたそうです。
さらに、雑誌で「マーケティングで次に来る技術」として紹介していたことも理由とのこと。実務的な課題設定という今回の評価ポイントに結びついたのも納得の検討プロセスです。

【調査で苦労したことについて】

今回の論文では、調査の方法や調査票作成、分析の各プロセスで試行錯誤を行っています。理論を試してみて、うまくいかなかったときはブレイクスルーにつながる論文を探し、適用してみることで、進めていくといった形です。
うまくいかなかったときのエピソードを聞いてみたところ、あるときは、一週間くらい朝から晩まで白板に生活者行動の仮説を描いて議論しても結論が出なかったこともあったそうです。
泥臭い作業を繰り返して、とことん生活者を追求するという体験をこの機会にされたことは、今後マーケティングの道に進む上で貴重な体験になったと思われます。

改めてリサーチ賞受賞、おめでとうございました。

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