商品話者広告が消費者の商品選好に与える影響とその要因の解明

この記事では、2020年の関東学生マーケティング大会でリサーチ賞を受賞した論文を紹介します。


商品話者広告が消費者の商品選好に与える影響とその要因の解明

早稲田大学守口ゼミナール 1班

前川 築 商学部3年
大嶋 祐璃 商学部3年
鈴木 美織 商学部3年
東海林 幸史 商学部3年
三橋 葵 商学部3年


目次

  はじめに 
   1. 研究背景 2. 研究意義 3. 問題提起

  既存研究 
   1. 擬人化に関する研究 2. 商品推奨者と商品イメージの一致度に関する研究 3. 既存研究まとめ

  Study 1
   1. 仮説設定 2. 調査内容 (1)調査方法 (2)調査の留意点 (3)商材選定 (4)セリフ選定
   3. 本調査 (1)本調査概要 (2)検証結果 (3)考察

  Study 2 
   1. 調査内容 (1)調査方法 (2)調査の留意点  2. プレ調査 (1)要因抽出 (2)因子分析 3. 仮説設定
   4. 本調査 (1)重回帰分析 (2)因子得点の平均値の差の検定 (3)分析結果まとめ 5. 考察

  インプリケーション

  おわりに 
   1. まとめ 2. 本研究の限界と今後の課題

  謝辞・参考文献


関東学生マーケティング大会を終えて

関東学生マーケティング大会は、関東圏のマーケティング専攻の名門ゼミが集まって論文とプレゼンテーションで競う研究大会です。39回目となる今年のテーマは「新しい社会のマーケティング」でした。

記事でご紹介した「商品話者広告が消費者の商品選好に与える影響とその要因の解明」の論文は、「実務的なマーケティング課題を適切なリサーチプロセスに反映できているか?」という視点でインテージが選定する『リサーチ賞』を受賞しました。

選定では以下のポイントが評価されました。

  • 研究テーマが、商品自身が話し手となる商品話者広告で、着眼点がとてもユニークで、結果が実務的な示唆に富んでいる
  • 調査の企画、設計がよく検討されており、商品が話すセリフもつくりこまれていて、調査結果が納得できる。調査、分析の工程全体が丁寧に進められていた。
  • 調査対象者の年齢が、若者に絞られておらず、幅広い年代を対象にしていて、調査結果が有用である

受賞を機に、早稲田大学守口ゼミナール 1班の皆様とオンライン上で交流の場をもたせていただき、関東学生マーケティング大会で行われたプレゼンテーションを再演していただきました。プレゼンテーションのビジュアル表現と話し方のクオリティの高さに、参加したメンバー一同とても驚きました。
プレゼンテーション後は、研究内容についての質疑応答や、実務上の研究の意義などについて話し合いました。その一部をご紹介します。

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[1段目左から1番目] 鈴木美織さん、[1段目左から3番目] 大嶋祐璃さん、
[1段目左から4番目] 前川築さん、[2段目左から1番目] 東海林幸史さん、
[3段目左から4番目] 三橋葵さん

【テーマ設定について】

テーマ探しは苦労されたようです。前川さんがTwitterを見ているときに、たまたま商品話者広告が流れているのを発見して、なんとなく違和感をもったことがきっかけだったそうです。商品は普通紹介されるものだけれど、紹介する側にまわっていて、しかもそれが商品であることの違和感でした。このテーマを班内に提案したところ、5人全員がおもしろい、と一致して決まったそうです。
前川さんが感じた違和感は、一般の視聴者も感じると思われます。Twitterのようにたくさんの広告が流れていく中で、目に留めるだけの力が商品話者広告にはありそうです。論文の分析結果には、商品話者広告の特徴に「惹きつけられる」、「見入ってしまう」といった「集中」因子の効果があることが示されています。その効果が前川さんを惹きつけたのかもしれません。

【幅広い年代を調査対象にしたことについて】

広告はいろいろな世代の方に見てもらうものなので、学生だけではなく、いろいろな世代をとりたいと思ったそうです。
商品話者広告の効果は、年代別に異なる可能性があるので、その違いも論文の中で触れられるとよかったかもしれません。

【研究で苦労したことについて】

調査を始める前の調査内容を決めるところで苦労したそうです。
自分たちが面白いと思っている広告の定義はどこまでの範囲なのか、広告のどの要素に着目するのか、何と比較すれば自分たちが知りたいことを知ることができるのか、はじめの段階はみんなの意見がばらばらで、それを一つにするために、一日中話し合ったそうです。相手の意見に同調するのではなく、こういう視点からみたらどうなんだ、ということをバチバチに議論したそうです。妥協せずに、内容を詰めることができたことは、大変だったけど、楽しかった、今思うと懐かしい、と話していたことが印象的でした。
「擬人化」をテーマにした研究は過去にあったそうですが、「商品話者広告」と定義した研究はなかったそうです。そのため、定義を決めることや、研究で知りたいことを、言語化して、事例や根拠を探して論じることは本当に大変だったと思います。その甲斐あってか、論文はとても読みやすく、グラフもきれいでわかりやすくつくられていました。

コロナ禍で、メンバー同士でコミュニケーションをとるだけでも苦労されたと思いますが、立派な論文とプレゼンテーションに、インテージのメンバー一同刺激を受けました。
改めてリサーチ賞受賞、おめでとうございました。


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