【未知との遭遇】Vol.13 ~ミールキット~

この【未知との遭遇】は、インテージの男性若手リサーチャー伊東祐貴が女性向け市場について知るべく、世の女性方の趣向やトレンドを実体験して学びを得る様をコラムでお届けするシリーズです。

第13回はミールキットです。2019年9月のレポートです。

第12回の「チョップドサラダ」の記事へはコチラから


【目次】

ミールキットとは?

レシピと食材の一式が揃ったキットです。

一定の加工が済んだ肉や野菜、調味料などが人数分封入されており、本格メニューを気軽に調理することができます。
家事と仕事を両立する共働き世帯が増える中、簡便・時短ニーズに応える存在として注目を集めています。
毎日異なる献立を考えるストレスから解放されるため、主婦(主夫)の方にも強い味方となります。

現代人のニーズに合致する潜在的な巨大市場には、大手各社がこぞって参入
NTTドコモとOisixが提供するdミールキットは、
週に1度、5日分のミールキットや便利な食品をあわせて提案し、お届けするサービス。
短時間で調理が可能なだけでなく、安心・安全なOisixの厳選食材で、おいしい手作りごはんが出来上がります。

日本有数の流通網を武器に仕掛けるのはセブンイレブンのミールキット。
食材が既にカットされていることに加え、注文した商品をセブンイレブン店舗で受け取れる利便性、1日単位・1人前から注文できる柔軟さも特徴です。
人数分の材料が使えるので、無駄なく使えて食品ロスの解消にも貢献。

これからは食材ではなく時間を余らせて、自分や家族のためにゆとりあるひと時を過ごしてみるのも良いかもしれません。

体験レポートと今回の学び

何気なくメールをチェックしていると、新たに開始されるミールキットサービスの告知メールを発見。
ひたすらパスタを茹でる日々に、腕がなまりつつあるのも事実。久々にフライパンを振るう決意を固めました。

~数日後~
指定の時間に冷蔵便で大きな箱が届きました。

大きな箱イメージ図

中にはウインナーにヨーグルトに食パン。そしてメインとなる献立が二食分(各二人前)。
早速食材を取り出し、唖然とします。

食材イメージ図
すべて洗浄とカットが済んだ野菜が届くものと思っていましたが、そこまで甘くはない様子。
しかしそれこそがオイシックスのこだわり。
味が落ちる食材はあえて加工せずに詰めているそうです。

今日のメニューイメージ図

今日のメニューは「ジューシーそぼろと野菜のビビンバ」。いかにもご飯が進みそうな一品です。

小松菜とニラ、エノキを洗い、食べやすい大きさにカット。

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続けて、ニンジン、エノキ、ひき肉を炒め、カットした小松菜、ニラを加えて火を通し、タレで味を整えたら、炊き立てのご飯にかけて完成です。

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手際が悪くこの時点で17分29秒が経過していますが、一から作っていたら30分は掛かっていたでしょう。

献立はもう一品ありますが、一口コンロの狭小キッチンではスペースに限界が。まずは主菜とお米から先にいただきます。

一口ずつ噛みしめていると、ふと調理中の出来事が浮かんできます。

エノキの根をどこまで切り落として良いかわからず途方に暮れたこと。
入れる順番が異なるエノキを、ほかの葉物と混ぜてザルに入れてしまったこと。
フライパンに入れた後で、エノキをほぐしておく必要があったと気づいたこと。

幾多の試練を乗り越えて作った一皿には、どことなく達成感が伴います。

この勢いでもう一品のスープを作っていきます。
豆腐と小ねぎをカット。

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和風だしは常備していないので、インスタント味噌汁の出汁で代替します。

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最後に醤油で味を調えて、瞬く間にシメにふさわしい優しいスープが完成しました。

~数日後~
もう一食の「たっぷり4種類野菜と鶏の甘酢あん」を調理していきます。

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”どうせなら食材はすべて切っておいてくれればいいのに”
オイシックスのデビュー前ならば、そう考えていたに違いありません。
すべてカットされた野菜を炒めるだけでは、あの時の達成感は生まれません。

大切に育てられた食材だからこそ、一番おいしく食べてもらいたい。
中に種が入った素のままのピーマンもまた、オイシックスの愛なんだと思われます。

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既に揚がっている唐揚げと、種を取り除き四角く切ったピーマンを炒めていきます。
餡をかけたらあっという間に完成です。

今回のもう一品は火を使わないため、副菜も併せて調理。
カット済みのニンジンを塩で揉み、味を染み込ませていきます。
ごま油は常備していませんが、とりあえずオリーブオイルを入れておけば大丈夫でしょう。
干しエビを混ぜ合わせて二品目が完成。

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やはり狭小キッチンではタイムロスが多いものの、13分37秒と比較的スピーディーに調理できました。

手塩にかけて切り刻んだピーマンの味に感激しながら、あっという間に2人前を完食。

その後、同梱されていた食パンやヨーグルトは朝食に、ウインナーは夕飯のプラス一品に添えてミールキットを食べつくしました。

味も手軽さもなかなかの満足度。ただし、二人前ではボリュームが多いのがネックです。
食べきれないわけではありませんが、毎食二人分を食べていてはかなり食費が割高になってしまいます。
いつかライフステージが変わることがあれば、その時再度検討することにしました。

◆今回の学び

・家事の時短ニーズは日々高まってきている。
 その背景には社会の構造変化が深く関係している。

 cf.1980年に1,114万世帯あった専業主婦世帯は、2018年に600万世帯とほぼ半減。
  一方、共働き世帯は同期間で、614万世帯から1,219万世帯に倍増。

・楽はしたいが、手抜きは許されない。日本人に新たな文化を提案するならば、罪悪感の軽減が必須となる。

 例、カルビー フルグラ
   1991年に前身商品が発売されて以来、
   「手抜きで食事らしくない」というネガティブイメージにより、
   長らく日本人の食卓に浸透することはなかった。
   時は流れ2012年、売上高100億円を目指す「フルグラ100プロジェクト」が発足。
   パンケーキなどに端をなす朝食ブームに乗じ、
   まずはヨーグルトとの相性の良さをフックに食卓の片隅に侵攻。
   その後、「時短」「健康」「食感」のポジティブな価値を訴求することで、
   一気に朝食の主役へと躍り出た。


 例、ミールキット
   わずかな調理工程により、手作りの料理を食卓に並べる充実感が生まれる。

 例、セブンプレミアム テレビCM
   仕事帰りの女性がセブンイレブンでお惣菜を購入し、家族みんなでそれを囲むストーリー。
   "家庭の手作りみたいなおいしさ"のコピーの後に、夫・娘と三人で幸せそうに食卓を囲む映像が流れる。
   ※一人で惣菜を食べる女性の様子を最後に一瞬流すことで、単身世帯もフォロー。

・プラットフォーマーは自らの武器で未開の市場を切り開く。
 商材自体での差別化が難しい場合、顧客との強い結びつきが決め手となる。

 例、セブンミールキット
   圧倒的な流通網のもと、近所の店舗で受け取りが可能。
   在宅が不要なため、終日家を空けがちな人でも使いやすい。
   ※自宅への配送も選択可能

 例、パルシステム
   既に囲っている生協の会員組織へリーチが可能。
   食材の配送を注文している人々なので、商材の親和性も高い。

 例、dミールキット
   ドコモ回線契約者や会員組織にプロモーションが可能。
   dポイントが貯まるおトク感で利用を促進。

脚力強化のため、日々のトレーニングにスクワットを導入しました。

Vol.12 チョップドサラダへ

Vol.14 温活へ

著者プロフィール

伊東祐貴
伊東 祐貴(いとう ゆうき)
20代の男性リサーチャー。入社当時、全国女性消費者パネル(SLI)の運用に関わった経験から、女性向け市場を知るための体験レポートを社内に継続的に発信。歳の離れたきょうだいの視点も取り入れ、「いまのワカモノ」視点で市場を追っています。
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