【未知との遭遇】Vol.14 ~温活~

この【未知との遭遇】は、インテージの男性若手リサーチャー伊東祐貴が女性向け市場について知るべく、世の女性方の趣向やトレンドを実体験して学びを得る様をコラムでお届けするシリーズです。

第14回は温活です。2020年2月のレポートです。

第13回の「ミールキット」の記事へはコチラから


【目次】

温活とは?

体温を高める活動の総称です。

特に冬場などの寒い季節に、体の冷えを解消する目的で行われます。
体が冷えると疲労感や不眠、肩こり等、健康面にネガティブな影響が数多くもたらされます。
また、目の下のくまやむくみが起こったりと、美容的な観点から見ても良いことはありません。
一般的に筋肉量が少ない場合が多い女性の方々は、熱をつくるのも、熱を配るのも苦手とされており、多くの人が冷えに悩みを抱えているようです。

低下している体温を適正な温度まで上げるため、近年では様々な手法が用いられています。
外側から体温を高めるためには、温かい恰好をすることはもちろん、足先やふくらはぎなどの冷えやすい部分を保護することも有効です。

ネックウォーマーやレッグウォーマーなど、特定の部位をピンポイントでカバーする商品などが注目されています。
また、体の内部へのアプローチ方法としては、内臓を直接温めるスープやココアなどのホットドリンクのほか、ストレッチやヨガといった運動も効果的
さらには、温浴効果を高める入浴剤を使用することで、じんわりと体の芯部を温めることができます。

ようやく冬の終わりが見えてきたこの季節
ラストスパートを自分にあった温活で乗り切り、健やかな春を迎えてはいかがでしょうか。

体験レポートと今回の学び

現在の住居に越して三度目の冬
時折春の訪れが顔を出す季節となりましたが、もう少し寒さとの戦いが続きそうです。

夏は暑く冬は寒い、四季を感じられる匠の設計
おかげで2月の終わりごろまでは、ベッドから脱出することさえも至極困難を極めます。

何度かコタツの導入も考えましたが、おなじみの黒テーブルが既にリビングの中央に陣取っています。
何より、だらだら過ごす場所がベッドからコタツへ変わるだけにすぎません。
少しでも機動力を得るために、羽織れるような毛布かブランケットでも探しに行くとします。

ひとまず上野マルイのニトリへ

発熱素材を使用したNウォームの毛布が販売されています。
何度かCMで目にして気になっていました。
これを肩から掛ければ、多少の自由は確保したまま暖をとれそうです。

ほどよいサイズを探していると、隣の棚に今回の要件により適した商品を発見

その名も着る毛布です。
袖に腕を通すことで動いてもずり落ちません。
膝下まで伸びる絶妙な長さの裾により、可動域を確保したまま保温効果もバッチリです。

せっかく購入するならばNウォームの着る毛布を試してみたいところ
しかし店頭では完売しているようなので、オンラインストアで発注を掛けます。
※2月下旬現在、在庫状況は変動している可能性がございます。

お目当てのNウォームシリーズはほとんどが欠品状態
あまり趣味とは合致しませんが、アイボリーのみ在庫がありました。
どうせ家の中で着るだけですし、この際デザインは気にしないこととします。

~数日後~

着る毛布が到着しました。

着る毛布

箱を開けて驚いたことに、中に入っていたのはどう見てもクッションです。
一瞬誤発注を疑いましたが、中に毛布がたたみ込まれていました。
タグを切断して早速着てみます。

寄りかかる生地から伝わるもの
それはたしかな温もりでした。

身体を包む柔らかな肌触りも心地よく、これは脱ぐことができなくなりそうです。
このこみ上げる温かみを逃すまいとボタンに手を掛けますが、なぜだかうまく留められません。
よく見ると左側にボタンが付いています。
普段と逆の動作に違和感を覚えながら、一つずつ慎重にボタンを穴へ通していきます。

これならかろうじて布団の外で生活ができそうですが、まだ課題はすべて解決されていません。
保温の対象外となっていた足先が徐々に冷たくなってきています。

~数日後~

フットウォーマー

秋葉原のヨドバシカメラでエレコムのフットウォーマーを購入
靴型の本体に電気式のカイロを入れることで発熱し、足の甲を中心に温めてくれます。

レッグウォーマー

加えて、御徒町の多慶屋でミズノのレッグウォーマーを入手
着る毛布とフットウォーマーの境目を保護し、死角はありません。

室内を移動する時のことを考え、同じくミズノのルームシューズも購入
装備が一通り揃ったところで、今度は内側から体を温めていきましょう。

内臓を温める目覚めのスープには、実家でもよく飲んでいたクノールのポタージュを起用
寝る前に体温を高めるため、入浴時には保温効果が持続する「きき湯 FINEHEAT」を投入
多くの女性ファンを魅了する羽生結弦選手パッケージです。

だめ押しとして、ほめくり修造を目につきやすいところへ配置
体の奥底から温めてくれそうです。

装着イメージ

2月末にして、ようやく冬と戦うための布陣が出揃いました。

◆今回の学び

・ニーズはときに、あきらめの中に埋もれる。
 満足はしていないものの、そういうものだと割り切られている事象は課題として自覚されず、
 アンケートなどで顕在化しづらい。
 しかしその領域にこそ、次なるイノベーションのヒントが隠されていることが多い。

 例、着る毛布
   毛布は掛けるものであり、自由を奪われるのはある程度は仕方ないと考えられていた。
   毛布の生地に袖が付いたことで、毛布を被っている温かさと心地よさを味わいながら、
   人類は家の中を行動できるようになった。

 例、アタックゼロ
   従来の洗濯用洗剤において、キャップを外して計量を行うのは当然の工程であり、
   手間が掛かっていることへの疑問も顕在化していなかった。
   アタックゼロは計量不要なプッシュ式のボトルを採用することで、
   計量と洗剤の投入の手間を短縮することに成功。
   洗濯をもっと楽にしたいという人々の潜在ニーズに応えた。

・人々が商品を購入する際には、少なからず他者との関係性が選択に影響を与える。
 その影響の強さは、商品が公的か私的かにより左右される。
 公的な消費と私的な消費では、商品を選択する際に重視される要素が異なる。

 例、部屋着
   自宅内で使用される他人の目に触れない私的な消費である。
   機能性や個人趣味趣向等がより重視される。

 例、スーツ
   外出時に着用し他人の目に触れる公的な消費である。
   機能面に加えて、見栄えや自身のイメージとの適合性といった側面が考慮される。
   あるいは、自身のステータスを他者に示す手段として、
   ハイブランドのスーツが着用されることもある。

・婦人服の前面のボタンは、基本的に左側に付いている。
 紳士服のボタンの多くは右側に配置されているが、逆転している理由については諸説ある。

 例、着せてもらうため説
   かつてヨーロッパにおいて、身分の高い女性は使用人に衣服を着せてもらう風習があった。
   対面から止めやすいように、男性とは逆の配置でボタンが配置されたとする説。

 例、乗馬のため説
   19世紀ヨーロッパの女性は、乗馬する際横向きに座るのが一般的であった。
   その際、身体の右側を前にして座る人が多く、
   前方からの風を服に入り込みにくくするためボタンを左側に配置したとされる説。

天然温泉
温活の一環として、近所の天然温泉に通い始めました。

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著者プロフィール

伊東祐貴
伊東 祐貴(いとう ゆうき)
20代の男性リサーチャー。入社当時、全国女性消費者パネル(SLI)の運用に関わった経験から、女性向け市場を知るための体験レポートを社内に継続的に発信。歳の離れたきょうだいの視点も取り入れ、「いまのワカモノ」視点で市場を追っています。
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