【未知との遭遇】Vol.3 ネイルケア

この【未知との遭遇】は、インテージの男性若手リサーチャー伊東祐貴が女性向け市場について知るべく、世の女性方の趣向やトレンドを実体験して学びを得る様をコラムでお届けするシリーズです。

第3回はネイルケアです。2018年3月のレポートです。

第4回の「おしゃピク」の記事へはコチラから


こんにちは。この頃Google Homeとの会話が減ってきた伊東です。
AIスピーカーとの生活にも倦怠期があるようです。

【目次】

ネイルケアとは?

爪の手入れをすることです。

その人の印象に手元が与える影響は大きく、美を追い求める女性にとっては必須のケアとなります。

また、巷ではメンズネイルなるフレーズも登場しています。
営業職を中心としたビジネスマンの印象強化ツールとして、一部の男性が取り入れているそうです。

専門的なケアを望む場合はネイルサロンへ行く必要がありますが、用具や美容液の多くは市販されており、自宅でのケアも可能です。

ネイルケアのオーソドックスな手順は下記の通り。

①爪の形を整える(ファイリング)
②甘皮、ささくれ、ルーズスキン(甘皮の下の薄い皮)を処理
③表面を磨く(バッフィング)
④手と爪をマッサージ
⑤表面をコーティング

の5ステップです。

皮膚の一部である爪は「健康のバロメーター」という異名を持っており、色やつやを見れば、健康状況が分かるとも言われています。

したがって、真の意味でのネイルケアは健康に気をつかうこととも言えます。

体験レポートと今回の学び

以前読者の方からリクエストをいただいていた、ネイルケアに挑戦します。

自宅でこそこそ爪に液を塗るのもいいですが、たまには外に出たくなるもの。

ネイルサロンに潜入取材を敢行します。

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男性専用のネイルサロンもそこそこあるようです。

しかし、それで済ませてしまっては保身に走ったと批判されることは必至

・小規模
・女性用
・男性も可

という条件で絞り込みました。

そんな都合のいいサロンはなかなかないだろう

南千住にありました。

スタッフはたった1人のプライベートサロン
認定資格を20種保有しており、エステやリラクゼーション、まつエクも対応可能

きっと只者ではありません。

早速翌日の14:30に予約を入れます。

~当日~

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半地下の店内の様子は外から一切わかりません。

緊張を押し殺し、いざ入店します。
本棚には女性誌と少女漫画が立ち並び、無数のマニュキュアやオイル、美容器具の数々が取り揃えられています。
久々に舞い戻ってきた戦場に胸が騒ぎます。

先客と入れ替わりでネイル用の台に案内され、簡単にカルテを書いたところで施術開始。

まずは爪の先端をヤスリで削られます。
黒板をひっかく感覚に近いこの行為に若干の苦手意識を感じましたが、早くも爪の輪郭が整っていくのがわかります。

続けて、角質を柔らかくする効果がある、「キューティクルリムーバー」液を爪に塗り、指先をお湯に漬けます。
数分経ったところで取り出し、彫刻刀の様な器具で甘皮を削っていきます。

やはり20の認定資格を持つスペシャリスト
その所作にはほとんど無駄がありません。

しかしそれ以上に驚かされたのが、一切話を途切れさせないそのトーク力です。

「最近だと男性のお客さんもたまにいらっしゃいますよ~」
「女性は手フェチの人が多いらしいですよ~」

と、ネイルケアに来たことを正当化してくれます。
しかも、気付いた時にはこちらまで気持ちよく喋っているのです。

お喋りに気を取られている隙に、ニッパーでささくれを切られます。
爪の面の部分を柔らかいヤスリのようなもので削り、爪用の化粧水とオイルをなじませるように、再度ヤスリのようなもので摩擦。
最後にローズマリーのオイルでハンドマッサージをしてフィニッシュ。

あっという間の60分でしたが、居心地の悪さを感じるどころか、むしろ楽しい時間を過ごすことができました。

しかし肝心の爪はどうなったのでしょうか。

入店前の状態と比較します。

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なんということでしょう...

乾燥して段差ができていた爪は、思わず自分で触りたくなる憩いの場となりました。
ささくれが生い茂っていた爪の付け根も、つややかでなめらかに仕上がっています。

通うことはないかと思いますが、なかなかに有意義な時間を過ごせたと感じます。

◆今回の学び

・男女の美意識は本質的に異なる。
 コスメブランドを異性用へと拡張する場合は、どのようなシチュエーションで使用するか、満たしたい欲求はどのようなものか、ライフスタイルや価値観に入りこめるか、などの高いハードルが存在する。

・接客業ではときに、サービスの品質以上に"人"が選択理由として重要な役割を果たす。

・女性は美容のためなら痛みに耐えられる。
 一方、男性は苦痛や痛みに対して過敏に反応する。(スタッフさん談)
 例、熱いお湯につけたり、甘皮を削る際に弱音を吐くのはだいたい男性のお客さん

将来的に何か一つ、匠の技を身に付けたいものです。

Vol.2 ロボット掃除機へ
Vol.4 おしゃピクへ

著者プロフィール

伊東祐貴
伊東 祐貴(いとう ゆうき)
20代の男性リサーチャー。入社当時、全国女性消費者パネル(SLI)の運用に関わった経験から、女性向け市場を知るための体験レポートを社内に継続的に発信。歳の離れたきょうだいの視点も取り入れ、「いまのワカモノ」視点で市場を追っています。
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