【未知との遭遇】Vol.5 カラフェ

この【未知との遭遇】は、インテージの男性若手リサーチャー伊東祐貴が女性向け市場について知るべく、世の女性方の趣向やトレンドを実体験して学びを得る様をコラムでお届けするシリーズです。

第5回はカラフェです。2018年5月のレポートです。

第4回の「おしゃピク」の記事へはコチラから


こんにちは。根は慎重派の伊東です。
グーグルホームに天気を聞いた後は、必ずヤフー天気で答え合わせをします。

【目次】

カラフェとは?

水差しです。
英語でいう「ピッチャー」にあたります。

透明感あふれるなめらかなボディが、自宅を華やかにしてくれると、オシャレ女子を中心に注目を浴びています。

同じく飲料を入れる「デキャンタ」と混同されがちですが、使用用途が大きく異なります。

カラフェはワインを空気に触れさせるために、
デキャンタは、ワインの殿(オリ)を沈ませて分離する目的で使用されます。
(前者の行為をキャラファージュ、後者をデキャンタージュと言うそうです)

ちなみに、こちらが両者のイメージ

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近年はワインに限らず、様々な用途で使われている様子

水や紅茶などワイン以外の飲料を注いだり、
コーヒー豆やシリアルをストックしたり、
花を挿して花瓶代わりに使われることもあります。

それにしても、ペットボトルや紙パックから直接コップへ注げばいいものを、なぜ一旦カラフェに移すのか
一見合理的ではない行動ですが、今の時代の生活様式を考えると何か理由がありそうです。

デジタルシフトや自動化の波が、生活上のあらゆる作業を効率化してくれました。
一方で、浮いた時間はさらなる別のタスクのために使われており、人類はますます忙しくなっています。

飲み物を一旦カラフェに移す
あえてその一手間を加えることに意味があります。

効率化するほど時間に追われる不思議な現象に気づいた人たちが、そのスパイラルから脱出するためにたどり着いた手段がカラフェなのかもしれません。

あえて一手間を加えて、ゆとりのある日々をカラフェと過ごしてみてはいかがでしょうか?

体験レポートと今回の学び

Vol.4のおしゃピクでは、とても悔しい想いをしました。

おしゃの借りはおしゃで返していきましょう。
※おしゃれな人は「おしゃれ」のことを「おしゃ」と呼ぶそうです。

失敗が許されない中、吉祥寺へやってきました。

住みたい街ランキングの常連としてしられる吉祥寺は
言わずと知れた雑貨屋天国

ロフト、無印良品、Francfranc(フランフラン)、
PLAZAなどの定番はもちろん
私の部屋、フライングタイガーコペンハーゲン、
unico(ウニコ)、off&on(オフノオン)など、
キャラクターが立った店舗が共存しています。

駅の周辺には活気あふれる商店街もあり、とても魅力的な街だと感じます。

幸せそうに行き来する人々を見ていると、消費欲が掻き立てられるもの

気がついたときには左手にたい焼きが握られていました。

「これだけ雑貨屋があれば、カラフェなんてすぐに見つかるだろう」

そんなことを思いながら気楽にお店を回っていきましたが、話はそう単純には進みません。

ピッチャー、タンブラー、ジャグは各店舗にて取り扱われているのですが、カラフェがなかなか見つからず

それらしき商品を見つけても、保存用容器やガラスジャグ、ジュースジャーなど、別の商品名が付けられています。

10店舗ほど回りましたが、カラフェを取り扱っている店舗は、3店舗のみでした。

今回はアトレ吉祥寺内の「アフタヌーンティー・リビング」にて、ふた付きのポリカーボネート製カラフェを購入しました。

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ついに念願のカラフェを入手しましたが、中に注ぐ飲み物までおしゃでなくてはいけません。

おしゃドリンクの代表格、サングリア作りに挑戦します。

まずはワインに漬け込むドライフルーツを調達

インナービューティを提案する新業態「innavi(インナビ)」コピス吉祥寺店にやってきました。

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店頭にてフルーツの量り売りをしてくれます。
今回はパイナップルとネクタリン(桃のような果物)をチョイス


続けて、コーヒーと輸入食品のワンダーショップ
「KALDI」でワインを調達

ワインの選び方はよくわからなかったので、店頭で売り出し中の1000円ワインを購入

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役者はそろいました。

ここまで来ればほぼ勝利を収めたも同然ですが、念のため正しいサングリアの作り方を検索します。

クックパッドに投稿されている各家庭のレシピを見比べていると、気になる記述を発見しました。

自宅で梅酒やサングリアなどを作る際の酒税法違反に関する注意
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前略

また、アルコール分20度未満のお酒(ワイン等)を用いる場合には、
上記のルールは満たせないので原則として行ってはいけませんが、
例外として「飲む直前」に混和することは認められています。
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要するに、ワインに果物を漬け込むのは酒税法上で違法行為に当たるようです。

サングリア罪という罪はありませんが、堂々と違法行為を配信して炎上するのは避けたいところ

一晩寝かせるつもりでしたが、飲む直前での混和に切り替えます。

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絵面はおおよそ期待通り

ほとんどワインの味しかしませんでしたが、おしゃな時間は過ごせた気がするので良しとしましょう。

◆今回の学び

・同じ性質を持った製品でも、どのような「ラベル」を貼るかによって、消費者の捉え方は変わる。
 例、保存容器のカラフェ、デキャンタ、ジャー
   薄味な商品に用いるクリア、すっきり、あっさり
   平凡な飲み会のコースに「女子会プラン」とつける

・雑貨屋は商品そのものではなく、一歩先のライフスタイルを提供する業態である。その際に重要なのは個々の商品のクオリティ以上に、店舗のデザインや品揃えの一貫性、消費者の想像を超えた意外性のある提案である。
 例、「spice of a day」のメッセージのもと、日常に旬やトレンド取り入れ、彩りのある生活を演出するAfternoon Tea LIVING(アフタヌーンティー・リビング)

・普通のスポンジでは、カラフェの底は洗えない。

カラフェって響きだけでおしゃになれる気がします。

Vol.4 おしゃピクへ
Vol.6 次世代型小売店へ

著者プロフィール

伊東祐貴
伊東 祐貴(いとう ゆうき)
20代の男性リサーチャー。入社当時、全国女性消費者パネル(SLI)の運用に関わった経験から、女性向け市場を知るための体験レポートを社内に継続的に発信。歳の離れたきょうだいの視点も取り入れ、「いまのワカモノ」視点で市場を追っています。
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