【未知との遭遇】Vol.6 次世代型小売店

この【未知との遭遇】は、インテージの男性若手リサーチャー伊東祐貴が女性向け市場について知るべく、世の女性方の趣向やトレンドを実体験して学びを得る様をコラムでお届けするシリーズです。

第6回は次世代型小売店です。2018年10月のレポートです。

第5回の「カラフェ」の記事へはコチラから


季節の変わり目には、寝る前に鼻血が出がちな伊東です。
その代わりといってはなんですが、あまり風邪をひきません。

【目次】

次世代型小売店とは?

注文や決済などの工程において、先進的な技術を取り入れている小売店です。

特に、古来より主婦(主夫)の味方であったスーパーマーケットや、若年女性の味方であるコンビニエンスストアなどの業態で著しい進化が見られます。

その筆頭として名高いのは、2018年1月にシアトルで1号店をオープンしたAmazon GOです。
専用アプリを使用し、入店時にQRコードを読み取れば、後は好きな商品をかばんに入れてお店を出るだけ。
レジでの精算はおろか、現金やカードでの支払は必要ありません。

他方、中国武漢の中百倉儲スーパーマーケットでは、顔認証決済システムが導入されています。
アリババが展開する決済サービス支付宝(アリペイ)に紐付けした携帯電話番号を入力し、専用の機械で顔を撮影するだけで支払いが完了します。

ゆっくりではあるものの、日本国内でも着実に次世代型店舗が普及しつつあります。

西友東大宮店では、買い物客が自らのスマホで商品のスキャンを行うアプリ、「スマホdeレジ」を採用。

買い物をしながら自分のスマホでレジ打ちをすることで、待ち時間無しでの決済が可能です。
さらに西友では、我らがひばりヶ丘店を含め、既に多くの店舗でセルフレジが導入されています。
※インテージにはひばりヶ丘事業所があります

また、秋葉原本社前のローソンもリニューアルオープンを機に先進的な都市型店舗へと様変わり。
従来のコンビニの常識を打ち破る棚割と、「ローソンスマホペイ」アプリによる決済で、最先端のお買い物体験が楽しめます。
※スマホペイの利用にはローソンアプリのダウンロードが必要です

すさまじい速度で技術が発展するこのご時世。
次世代だったものが常識へと変わるのはあっという間です。
店舗で実際に体感をして、来たるべき未来に備えておくのも良いかもしれません。

体験レポートと今回の学び

読者の方より耳寄りな情報をご提供いただきました。

スマホによる新しいお買い物方法を取り入れたスーパーがオープンするそうです。

アプリを使って自分のスマホでレジ打ちをし、最後はそのまま支払いをする仕組みとのこと。
もしこのシステムが普及すれば、全国の主婦(主夫)にとって大きな買い物革命が起こります。

台風が迫り、JRの運休予定が発表される中、西友東大宮店にやってきました。
駐車場が満車となり、多くの車が行列を作るなど大変な賑わいを見せています。

オープン直後のスーパーは活気があって、どこかわくわくしてしまうもの。
ゆっくりとフロアを見回ってから、最先端の決済を味わうとしましょう。

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野菜売り場に足を踏み入れるや否や、食欲を誘う香りが立ち込めて来ました。
群馬県産しいたけのバターいための試食が提供されているようです。

さらに少し歩くと、今度はお肉を焼いたような香ばしい香りが。
アンガス牛のステーキです。

他にも鶏だししょうが鍋や酢豚など、多様な試食を駆使して、所かまわず嗅覚を攻めてきます。
すっかり購買意欲を刺激され、当初買う予定の無かった豆腐やホタテをかごに入れてしまいました。

店内を15分ほどかけて一周し、いよいよお待ちかねの決済タイム。

どうやら本当はアプリを起動した状態で、店頭を回りながらバーコードをスキャンする流れでした。
まとめてスキャンするのでは隣接されたセルフレジと変わりありませんが、今さら悔やんでも仕方ありません。

気持ちを切り替えてスマホdeレジのレーンへ。
3人体制のスタッフの方々が、アプリのインストールから支払までをフルサポートしてくれるようです。
これなら機械に強くない人でも安心です。

それでは誠に僭越ではございますが、一足先に未来の景色を見てきます。

新しいお買い物体験は少しばかり刺激が強いかもしれませんが、
どうかしっかりと付いてきてください。

・・・・・・・・・・・

筆者のスマートフォンが付いてきてくれませんでした。
端末がアプリに対応しておらず、スタッフもサポートをしてくれますが原因がわからず断念。

iPod touchで代替したいところですが、
位置情報サービスが使えないことにはアプリが利用できません。

台風で帰れなくなるリスクを負ってまで東大宮に来たのに、体験できないまま終わるとは。

諦めの文字が脳裏をよぎりましたが、体感していないものを記事にするのでは信念がぶれます。
日を改めて、開店前から秋葉原のドコモショップへ向かいました。

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~1週間後~

入手したばかりのiPhone8を携えて19:00に入店。

今度は無事にインストールできたので、アプリを起動した状態で店内を回っていきます。

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~スマホdeレジ - SEIYU アプリ画面~

バーコードをスマホのカメラで読み取ると、アプリ内に商品データが蓄積されていきます。
商品ごとにイメージ画像が表示されるかはまちまち。

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~スマホdeレジ - SEIYU アプリ画面~

一体どうやってマスタを構築しているのでしょうか。

カメラの精度は比較的高いようで読み取りはスムーズ。
思ったよりも負担は感じません。

また、現在いくら分の商品をかごに入れているかが分かるため、買い過ぎの防止にもなり便利です。

およそ1000円分の商品をスキャンしたところで、いよいよリベンジの時です。
前回同様に利用者があまり多くないため、スタッフの方がつきっきりでサポートしてくれます。

スマホアプリの画面にバーコードが表示されるので、それをレジのスキャナーで読み取ります。
商品のデータがすべてレジに転送され、現金またはカードで料金を支払い。
商品を自分で袋に詰めて、スタッフの方にレシートをチェックしていただき、未来のお買い物体験が終了。

あまりに一瞬の幕切れでしたが、このあっけなさこそが未来のショッピングスタイルなのかもしれません。

◆今回の学び

・新たなシステムの導入やサービスの変更時には顧客の教育が必要となる。
 顧客に望ましい態度や行動をとってもらうことで、店舗の雰囲気が良くなったり、
 従業員の負担の削減につながる。

 例、スマホdeレジ
  顧客にアプリを利用した決済方法を覚えてもらわなくてはならず、
  初期にはそのためのスタッフを配置しなくてはならない。

  ただし、決済方法が浸透してしまえば、
  数台の防犯カメラや顔認証機能等のみを配置し無人化を進めることができ、

  人件費の大幅な削減につながる。

 例、ラーメン二郎
  ラーメンが出てきたら黙って無心に食し、食べ終わったら速やかに出て行かなくてはならないという
  暗黙のルールがユーザーの間で浸透している。
  そのおかげで居座る客が出てこず、一定の回転スピードが保たれる。

・お得感に影響を与えるのは、実際に要したコストではなく、いくら払ったと認識しているかである。
 例、交通費や時間的コストを考えると通販の方が合理的な場合でも、
  送料・手数料を嫌がって店頭にこだわる(人もいる)。
 
 例、価格が税抜で表示されている方が、なんとなく安く買い物ができている気がする(という人もいる)。

Vol.5 カラフェへ

著者プロフィール

伊東祐貴
伊東 祐貴(いとう ゆうき)
20代の男性リサーチャー。入社当時、全国女性消費者パネル(SLI)の運用に関わった経験から、女性向け市場を知るための体験レポートを社内に継続的に発信。歳の離れたきょうだいの視点も取り入れ、「いまのワカモノ」視点で市場を追っています。
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