リオ五輪 日本の大活躍が生活者の行動、キモチに与えたインパクトとは?

※この記事は2016年9月13日のリリース記事を再構成したものです

2016年 夏、日本のメダル獲得が過去最高の41個と、日本中を沸かせた「リオデジャネイロオリンピック」(以下、「リオ五輪」)。日本選手が出場する競技をテレビの前で手に汗を握り、声援を送りつつ観戦した方も多いのではないでしょうか。

8月の速報(リオ五輪いよいよ開幕!日本人が注目する競技は?関連購買とキモチは?)では開始早々の注目競技などについてレポートしましたが、実際はどのような競技が盛り上がったのでしょうか。

インテージでは、日本の大活躍に熱い注目を集めたリオ五輪が、生活者のキモチとテレビ視聴、消費行動にどんなインパクトをもたらしたのかを追ってみました。

日本のメダル獲得とテレビ視聴の関係は?

開会から閉会まで会期を通して様々な競技で日本の健闘、メダル獲得が続いたリオ五輪。まずは日本のメダル獲得と五輪番組のテレビ視聴の関係を見てみましょう。
日本のメダル獲得状況とリオ五輪の公式番組をリアルタイムで見た人(※)の割合をチャートにしてみると(図表1)、放映競技や休日の影響で変動しながらも、開会から閉会まで一定の番組接触率が持続していたことがわかります。 (※関東・京浜エリアの10〜60代の男女のうち、各日に地上波のオリンピック公式番組 -10分以上・ハイライト除く- を1分以上見た人)

ピークだった8/11は休日と日本選手の活躍が重なり、全体の半数弱が何らかのオリンピック公式番組を視聴。早朝の内村航平選手の体操個人総合金メダル、柔道のベイカー茉秋選手、田知本遥選手の金メダルに始まり、競泳の星奈津美選手の銅メダル、福原愛選手の卓球シングルス3位決定戦、女子バレーの対ブラジル戦など盛りだくさんの一日でした。番組視聴が多くなるのも頷けます。

図表1 日別の公式番組接触率と日本のメダル獲得状況

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テレビ観戦者の“オリンピックテンション”は会期中どう変化?

日本のメダル獲得とテレビ視聴の関係から、日本選手が活躍する休日には多くの人たちがテレビを通して選手を応援している様子がうかがえました。
では、テレビ観戦した時のキモチは会期中どう変化していったのでしょう。リオ五輪番組を視聴した際に回答頂いたレコーディングリサーチ(記録型アンケート)で「今」の〝オリンピックテンション"を0~100の数字でお聞きし、その結果を日本のメダル獲得状況と並べてみました(図表2)。
やはり、開会から日本選手の活躍に伴いテンションは高まり、閉会まで盛り上がりが続いたことが見てとれます。
会期の中盤からスタートの卓球、レスリング、バドミントンでの日本の活躍が“オリンピックテンション”の継続につながったようです。

図表2 日別の“オリンピックテンション” と日本のメダル獲得状況

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Key Point 1

リオ五輪公式番組の視聴が特にアップしたのは日本選手の活躍と休日が重なったタイミング。テレビ観戦者の“オリンピックテンション”も日本選手のメダルラッシュを反映し、会期を通して盛りあがりをキープ。

テレビ観戦のきっかけは「競技」?「選手」?「メダル」?

“オリンピックテンション”をより具体的に探るべく、テレビ観戦のきっかけを見てみましょう。
五輪番組視聴時に回答頂いたレコリサ(記録型アンケート)の結果と日本のメダル獲得状況とを並べてみると(図表3)、視聴のきっかけは「好きな競技」と「メダル・勝ちへの期待」が会期を通して高いスコアで推移し、「メダル・勝ちへの期待」は、会期の終盤、卓球、レスリング、バドミントンが盛り上がりを見せた時期に「好きな競技だから」をどんどん上回っています。普段はその競技に特に関心がない人たちも多数、メダルへの期待で視聴していた様子。

図表3 日別の番組視聴きっかけ(視聴ごとに選択肢から複数回答)と日本のメダル獲得状況

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つづいて、競技別の視聴傾向にフォーカスしてみましょう。
レコリサ(記録型アンケート)で多くの視聴レコードが集まった競技をランキングし、その競技を観ることに決めたタイミング、主な視聴のきっかけをまとめてみると(図表4)、視聴レコード数の上位4競技(卓球、競泳、体操、柔道)の視聴きっかけはいずれも「メダル・勝ちへの期待」。やはりこれが、五輪観戦の最大のモチベーションのようです。 

中でも、もっとも多く視聴レコードが集まったのは卓球。
開会前から活躍が期待されていた女子だけでなく、男子でも水谷隼選手が日本初の個人銅メダル、団体では日本初の銀メダルを獲得。図表4でも、開会前の卓球の視聴意向は他の上位競技に比べ低く、開会後に視聴を決めた人が多い結果。日本選手の予想以上の活躍が、俄然、卓球への注目を集めたことがわかります。

また、このランキングの中で唯一、「好きな選手が出場するから」が最大の視聴きっかけだったのがテニス。錦織圭選手の人気と日本初の快挙への期待の高さがうかがえます。

そして、開会式や閉会式を見る人の視聴のきっかけ1位は「オリンピックが好きだから」。閉会式視聴についてのコメントとして、「フラッグ・ハンドオーバー&セレモニーを期待していたので」や「今度の開催が東京だから」など、引継ぎセレモニーに期待する声も寄せられました。

図表4 競技ごとの視聴レコード数ランキングと視聴を決めたタイミング、きっかけ

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Key Point 2

テレビ観戦の二大きっかけは「好きな競技」と「メダル・勝ちへの期待」。開会前には観戦意向がなかった競技でも、開会後の日本の善戦、メダルへの期待感が視聴者を誘引。

テレビ観戦の“お供”となった食べ物・飲み物は?

予想以上の日本の善戦で、テレビ観戦者を引き付けたリオ五輪。では、リオ五輪番組を楽しむ人たちはどんな食べ物、飲み物を“お供”に視聴を楽しんだのでしょう。 
これを探るべく、一日平均どのくらい公式番組を見ていたかで人を分類し、消費行動にどのような特徴があるのかをi-SSPのテレビ視聴ログデータとSCIの購買行動データで見てみました。

まず、一日の平均視聴時間による人数の分布から、公式番組を見た人のうち、視聴時間上位の半数にあたる、一日平均15分以上視聴者を「視聴層」、15分未満視聴者を「低視聴層」としました(図表5)。
食品、飲料、アルコール飲料の中で、京浜・関東エリア全体でリオ五輪期間中に「視聴層」が前年に比べて特に多く買うようになったカテゴリー(*2)のトップ3は、デザート類、コーラ、つまみ類 でした。(*2:視聴層の動きが五輪期間前と比べて顕著に表れたもののみをピックアップ)

図表5 公式番組の視聴時間による視聴者分布

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図表6 視聴者層の対前年購入額が増えたカテゴリー

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では実際、テレビ観戦者はどんなキモチでこういった商品を手に観戦していたのか、レコリサ(記録型アンケート)で収集した購買記録(観戦のための商品/五輪関連グッズと購入理由)を見てみましょう(図表7)。
長時間あるいは夜間の観戦での「口さみしさ解消」や「小腹満たし」だけでなく、「オリンピック気分を高めたい」「好きなものを食べながら観戦を楽しみたい」といった欲求も観戦のお供の購買に反映されていることがうかがえます。

図表7 レコリサ(記録型アンケート)の購買記録への回答例

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五輪消費のメジャーアイテムはスポンサー商品 

レコリサ(記録型アンケート)で集まった、観戦のために買った商品や五輪関連グッズの購買記録の概要を見てみると(図表8)、圧倒的に回答が多かったのは様々なデザインボトルが展開されたコカ・コーラ。次いで「必勝」キャンペーンのマクドナルド、そして明治の応募キャンペーン商品、五輪デザインのアサヒ缶アサヒビール。スポンサー効果の強さが見て取れます。
また、飲料・食品以外では、観戦のためのテレビやレコーダ購入、リオ五輪のバッジ、2020年の東京五輪のTシャツなどの公式グッズ購入も一定のレコードが集まりました。

図表8 購買記録の概要

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Key Point 3

リオ五輪期間中、五輪番組視聴層が前年より多く購入したカテゴリーはデザート類、コーラ、つまみ類。観戦中の口さみしさ解消、小腹満たしだけでなく、オリンピック気分の高揚、好きなものを食べながら観戦を楽しみたい欲求あり。

今回、日本は過去最多メダルを獲得し、五輪のフラッグをリオから引き継ぎました。
2020年の東京五輪はどのような大会になるでしょうか。ホスト国となることから、日本選手の活躍や関連グッズへの関心が高まることは間違いありません。ホストとしてのパフォーマンス、日本の競技パフォーマンス、そして経済効果に熱い注目が集まることでしょう。


今回の分析は、下記の設計で実施した調査結果をもとに行っています。

調査手法 スマートフォンによるインターネット調査
対象地域 全国
対象者条件 20~60歳男女
標本抽出方法 ドコモ dポイントクラブ会員のうち調査協力依頼が可能な方より抽出
実施期間 スクリーニング調査:2016年7月29日~8月2日
     レコーディングリサーチ(スマホ型記録アンケート)本調査:2016年8月3日~8月23日
サンプルサイズ スクリーニング調査有効回答:n=10,428
                     レコーディングリサーチ(スマホ型記録アンケート)本調査:n=743

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