ランナーたちはなぜ走る?7つのタイプとその違い

※この記事は2015年7月のリリース記事を再構成したものです

近年、うなぎのぼりのランナー人口。笹川スポーツ財団が2014年に実施した調査によればジョギング・ランニングを年1回以上する成人は1,000万人弱。世界の主要マラソン大会のひとつにもなった東京マラソンは、抽選の倍率が10倍を超えるほどの人気ぶりです。
健康、ダイエットのイメージが強いジョギング・ランニングですが、ランナーたちはどんな目的で走っているのでしょう? 走ることへの関わり方に違いはあるのでしょうか?
そこでインテージでは、全国のランナーを対象に「ジョギング・ランニングの実態調査」を実施、ランナーの実態に迫ることにしました。

ダイエット?トレーニング?ランナーたちが走る目的とは

まずはランナーたちが走る目的を見てみましょう。ジョギング・ランニングをする目的をたずねた結果から大きく次の7つのタイプに分類しました。
1.「健康管理・体力維持」=健康管理/体力づくり・体力維持
2.「美容・ダイエット」=美容・ダイエット
3.「ストレス解消・リフレッシュ」=ストレス解消・リフレッシュ
4.「自己研鑽」=やりがい・達成感/走ること自体が楽しい/自己満足
5.「ファンラン」=家族や仲間と楽しみを共有できる/家族や仲間とのお付き合い/旅行ができる/手軽に始められる/あまりお金をかけなくてもできる
6.「アスリート」=ほかの競技の練習として/記録の追求(自己記録の更新)
7.「その他/特に明確な目的はない」=その他/特に明確な目的はない
これら7つの目的タイプのうち、最も多いのは「健康管理・体力維持」で全体の5割以上を占めます。続く「美容・ダイエット」は15.5%、3位は「自己研鑽」で9.7%となっています。(図表1)。

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図表1 走る目的(男女別)

女性ランナーの4分の1は「美容・ダイエット」目的

男性と女性とで比較してみると(図表1)、「健康管理・体力維持」が最も多いという点は同じです。しかし、2位の「美容・ダイエット」の占める割合にかなりの違いが見られました。女性ではこの「美容・ダイエット」が25.5%と、男性の2倍以上の割合。女性の美容意識の高さがうかがえます。
また、「ファンラン」タイプは男性より女性に多く、逆に「アスリート」タイプは女性より男性に多いところにも、男女の志向の違いが表れています。

60代は「健康・体力」が突出、20代女子は「美容・ダイエット」も最大の目的

さらに、性年代別に比較してみましょう(図表2)。まず目立つのは60代。男女とも「健康管理・体力維持」目的の人がほかの年代に比べてひときわ高い反面、「美容・ダイエット」の割合は最も低くなっています。シニア世代では走るモチベーションが、足腰を鍛えて元気に過ごすことにシフトするのもうなずけます。
そして20代女性では「美容・ダイエット」目的が4割と最も高いのが、ほかの性年代とは違った特徴です。

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図表2 走る目的(性年代別)

Key Point 1

ジョギング・ランニングを行う目的タイプは7つ。その中の筆頭は「健康管理・体力維持」で全体の5割以上がこのタイプ。特にこのタイプの割合が高いのは60代。20~59歳の女性、特に20代は「美容・ダイエット」目的が大きい。

継続年数、走る目的タイプによって違う?

さまざまな目的で走るランナーがいることが分かりましたが、そのランナーたちはどのくらいの期間、走り続けているのでしょうか?
ジョギング・ランニングの開始時期を聞いたところ、走る目的に関わらず「5年以上前」が最も多く、全体の38.1%を占めました(図表3)。この結果を牽引しているのが「アスリート」(57.7%)、「自己研鑽」(48.2%)、「健康管理・体力維持」(39.7%)の3タイプです。ストイックな目的で走る人たちが、他のタイプより長続きしている様子。
「美容・ダイエット」目的の人たちの中では「1年以内」が最も多いのが対照的です。

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図表3 開始時期(目的別)

走る頻度と距離も目的タイプで違いあり

走る目的が違えば、その頻度や距離も違うことが想像できます。実際、どれくらい違うのでしょうか?走る頻度と、1回当たりの距離を目的タイプ別に見てみましょう(図表4)。
高頻度、長距離だったのはやはり「アスリート」タイプ。4割強が週3回以上、過半数が5km以上走っていると回答しています。これに次いで「自己研鑽」タイプも頻度・距離ともに他の目的タイプより多くなっています。
ストイックなタイプと対照的に、「美容・ダイエット」「ファンラン」のタイプは、月1回以下が最も多く、走行距離も1~3km程度との回答が最多。気軽に取り組んでいる人が多い様子が見て取れます。
「健康管理・体力維持」と「ストレス解消・リフレッシュ」のタイプは、頻度にばらつきがあり、距離は3~5km程度が最も多く、ちょうど、“ストイックタイプ”と、“お気軽タイプ”の中間にあるといえそうです。すべての性年代で最も割合の高い目的タイプである「健康管理・体力維持」の人たちは、それぞれの健康状態や体力に合わせて走っていることが表れています。

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図表4 実施頻度(目的別)

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図表5 1回当たりの走行距離(目的別)

Key Point 2

「アスリート」と「自己研鑽」は他の目的タイプより継続年数が長く、走る頻度が高く、距離が長い。「美容・ダイエット」「ファンラン」は他タイプより低頻度、短距離。「健康管理・体力維持」と「ストレス解消・リフレッシュ」はその中間。

グッズにお金をかけるのはどのタイプ?

走っている年数、頻度と距離から、目的タイプごとの、ジョギング・ランニングとの関わり方の温度差が伝わってきます。その関わり方、関連グッズへのお金のかけ方にも影響しているのか、調べてみました。
まずは全体を俯瞰してみましょう(図表6)。ジョギング・ランニングをするためのグッズ購入の年間支出金額の平均は16,318円。
一方、目的タイプ別に見ると、支出金額が最も多いのはやはり「アスリート」。45.1%が「3万円以上」支出しており、年間支出金額の平均も33,373円と高額です。次に平均支出額が多かったのは22,859円の「自己研鑽」。このタイプも半数以上が「1万円以上」支出しています。走る頻度と距離がより多いタイプでグッズへの支出がより多くなるのは納得です。
次いで平均支出額が多いのは17,075円の「ファンラン」。ファンランの大会では色々なテーマがあり、それにちなんだ仮装をして走ります。このタイプの支出には大会に出場する人の衣装代も含まれているのでしょう。
一方、年間支出金額の平均が12,856円と最も少ないタイプは「美容・ダイエット」。約4割が支出「0円」と回答しています。
年間の支出額が0円の人から3万円超の人までという幅の広さ。これは、ジョギング・ランニングが費用をかけなくても誰でも気軽に始められ、目的やレベルに応じて多様な関わり方があるスポーツであることの証しともいえそうです。
なお、ここでいうグッズとは、シューズ、インナー類、ウエア、サングラス・ゴーグル、ウォッチ、イヤホン・ヘッドホン、サポーター・テーピング、スキンケア商品、運動・スポーツ向け食品・サプリメントのことです。

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図表6 年間支出金額(目的別)

Key Point 3

走るためのグッズ購入のための年間平均支出は16,318円。支出が多い目的タイプは「アスリート」次いで「自己研鑽」。

グッズ購入のカギは、快適な走りのための“肌感覚”

グッズ購入にかける金額は、タイプによってかなりバラつきがあることが分かりました。では、購入するときに重視するポイントにはどんな特徴があるでしょう。

主なグッズである『シューズ』『ウエア』『インナー類』『運動・スポーツ向け食品・サプリメント』の4つのカテゴリーについて、これらを購入した人に、選ぶ際に重視したポイントを聞いてみました(図表7)。
すると、『シューズ』『インナー類』といった“快適な走り”に影響を与えるグッズで重視するのは、「フィット感・肌感覚」「機能性」「価格の安さ」の順。
ファッション性も重要な『ウエア』は、「フィット感・肌感覚」に次いで、「デザイン」が重視されています。
また、『運動・スポーツ向け食品・サプリメント』では、「飲みやすさ」「価格」「効果」が重視点のトップ3。
どのグッズカテゴリーでも共通しているのは、「メーカー・ブランド」より自身の体感、心地よさで選択されている、といえそうです。

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図表7 購入時重視ポイントランキング(カテゴリー別)

Key Point 4

ジョギング・ランニングで使用するグッズを選ぶ際に最も重視するのは、シューズ、ウエア、インナー類は「フィット感・肌感覚」、食品・サプリメントは「飲みやすさ・摂取のしやすさ」。いずれも、「メーカー・ブランド」より自分の体感、心地よさが選択基準になっている様子。

ランナーたちの実態を、走る目的のタイプ別に見てきましたが、ランナーの性年代構成や、走る頻度・距離、グッズへの支出額もかなりタイプごとに傾向が異なることが分かりました(図表8)。いつでも、どこでも、手軽に始められるからこそ、多くの人に支持されるスポーツであり、それだけに、走ることへの関わり方、取り組み方にもバリエーションがありそうです。

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図表8 目的別プロフィール



今回の分析は、下記の設計で実施した調査結果をもとに行いました。
調査手法 インターネット調査
調査地域 全国
対象者条件 インテージ・ネットモニター“キューモニター”のうち、 最近1年以内のジョギング・ランニング・マラソン実施者・20~69才男女個人  
サンプル構成
サンプルサイズ n=2,037
調査期間 2015年4月10日(金)~4月14日(火)


参考:笹川スポーツ財団 成人のジョギング・ランニング実施率の推移(1998年~2014年)

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