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「土用の丑の日」うなぎはいつ食べる?意外と知らない由来や豆知識。なぜ「うなぎ」を食べるのか?

毎年7月中旬になると、スーパーやデパートなどでは「土用の丑の日」キャンペーンが展開され、売り場にはたくさんのうなぎの蒲焼きが並びます。「土用の丑の日」にうなぎを食べることはよく知られていますが、そもそも「土用の丑の日」とはどのような日なのか、そしてなぜこの日にうなぎを食べるのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。2017年は7月25日(火)と8月6日(日)が「土用の丑の日」にあたります。今回は「土用の丑の日」のうなぎ食実態を独自データで分析するとともに、「土用の丑の日」の由来や豆知識などをどれくらいの人が理解しているのかを自主企画調査で探りました。

 

「土用の丑の日」にうなぎを食べる人はどのくらいいる?

まずは、「土用の丑の日」を知っているかどうかについて聞いてみました。すると、「知っている」と答えた人は94.6%と大半を占め、あらためて広く知られていることが確認できました。近年では、ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種に指定されるなど、その稀少性と価格高騰などが話題となっている「うなぎ」。一部、若者を中心に「うなぎ離れ」も聞かれますが、テレビの特集や店頭など目にする機会も多いせいか、「土用の丑の日」は社会全体に浸透していることがわかります。

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では、「土用の丑の日」にうなぎを食べている人は一体どれくらいいるのでしょうか。続いて、うなぎの食の実態を探ってみました。すると、「毎年、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる」と答えた人は22.3%、「毎年ではないが、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる」と答えた人は43.2%で、7割近くの人が『土用の丑の日にうなぎを食べる習慣がある』ことがわかりました。また性年代別にみると、女性50代では「毎年、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる」が30.2%と他の層と比べて高い結果となっています。身体にとって、大切なビタミン群はもちろん、ミネラル成分や美容に大切なコラーゲンまで含んでいるとされる「うなぎ」。積極的に摂って夏の暑さを乗り越えたいところです。

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Key Point 1

「土用の丑の日」認知率は94.6%で、最も低い男性20代でも9割を超え、広く浸透している。認知者のうち「毎年うなぎを食べる」は22.3%で、女性50代では30.2%と他層に比べ高い。

「土用の丑の日」の由来や豆知識、どのくらい知られている?

ここまで、「土用の丑の日」の認知率が高く、また多くの人がうなぎを食べる習慣があることを見てきましたが、そもそも「土用の丑の日」とはどのような日なのか、実はあまり詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。ここからは、あまり知られていない「土用の丑の日」の由来や実態について、独自のデータも交えながら解説していきますが、まずは「土用の丑の日」の成り立ちについて簡単に触れておきたいと思います。
その昔、世の中はすべて「木・火・土・金・水」の五つからなるという「五行思想(五行説)」という考えがありました。この五行は、「春=木、夏=火、秋=金、冬=水」として四季にも割り当てられているのですが、「土」のみは季節の変わり目に割り当てられ、四立(立夏、立秋、立冬、立春)の直前約18日間が「土用」と呼ばれており、その「土用」の中でも十二支が「丑」の日が「土用の丑の日」になります。
冒頭でも触れましたが、今年は「土用の丑の日」が7月25日(火)と8月6日(日)の2回あります。「あれ?丑の日が2回?いつから増えたの?」などと疑問に思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、「土用」が約18日間あり「丑の日」は12日周期で訪れるため、暦によっては「土用」の期間に2回の「丑の日」が存在することもあるのです。ちなみに、1回目は「一の丑」、2回目は「二の丑」と呼ばれています。

では、一体どれだけの人が、「土用の丑の日は1回の年と2回の年がある」という事実を知っているのでしょうか。みなさんに聞いてみた結果、認知率は42.3%で、店頭などで目にする機会も徐々に増え、ほどほど浸透してきていることがわかりました。性年代別では、男女ともに40代、50代と年代が上がるにつれて認知率は高く、食に関する情報に触れる機会が多いと考えられる女性50代では53.6%と半数以上が認知しており、一方で若年の20代では男女ともに3割程度と低い結果となりました。

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ちなみに、「土用の丑の日が春夏秋冬に存在すること」についてはどのくらいの人が知っているのでしょうか。こちらも聞いてみたところ、全体での認知率は50.8%で、性年代別では男女ともに若年の20代では低く、またいずれの年代でも女性は男性に比べて認知度がやや高い結果となりました。

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縁起物として「夏の土用の丑の日」周辺に食べられる「うなぎ」。夏のイメージが強いですが、実は天然うなぎの旬は秋冬であるということをご存じでしょうか。特に水温が下がりはじめる10月頃の冬眠に備えてたくさん栄養を蓄えたうなぎは非常に美味しいとされています。では、なぜ旬ではない“夏の”「土用の丑の日」に、うなぎを食べる習慣ができたのでしょうか。これには諸説あるようですが、江戸時代の蘭学者「平賀源内」が発案した販売戦略が発端という説が有名です。この販売戦略とは、あるうなぎ屋の店主が、秋冬が旬で、夏に売れず困っていることを平賀源内に相談したところ、店頭に「本日、土用の丑の日」の張り紙をするアドバイスをもらい、それを実践した結果、大繁盛したというものです。その背景には、「丑の日に“う”のつく物を食べると病気にならない」という迷信があったとも言われています。

さて、このような「土用の丑の日」に関する豆知識について、みなさんにどれくらい認知されてるのでしょうか。まず、「天然うなぎの旬は秋冬」について知っていたかを聞いてみたところ、全体で73.3%の人が「知らなかった」と回答し、男女ともに、いずれの年代でも共通して低い認知率となりました。

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次に、「土用の丑の日を平賀源内が発案したという説」について知っていたかを聞いてみたところ、こちらは全体で35.8%の人が「知っていた」と回答し、「天然うなぎの旬は秋冬」に比べると多くの人が知っていることがわかりました。また、この「土用の丑の日を平賀源内が発案したという説」について認知度を地域別に見てみると、平賀源内の出身地である讃岐国のある四国地方が46.9%と最も高く、次いで中国地方が46.8%と近隣地域が比較的高い結果になったのに対し、四国から遠く離れた北海道では21.4%と最も低く、興味深い結果となりました。

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Key Point 2

「土用の丑の日、1回の年と2回の年がある」を知っていた人は約4割で、認知率は男女ともに上の年代で高く、女性50代では半数以上が認知。「天然うなぎの旬は秋冬」は7割以上が「知らなかった」と回答。「平賀源内発案説」は、源内の出身地=四国地方で認知率が高く、5割近くが「知っている」と回答。

「土用の丑の日」周辺でうなぎが食卓に上がるのはいつ?

では、その「土用の丑の日」に、うなぎが家庭の食卓に上がるのは実際のところいつのタイミングなのでしょうか。インテージが独自に保有する「キッチンダイアリー®(京浜・京阪神・東海の1,260世帯の食卓・調理の状況を食場面(朝食・昼食・夕食)ごとに継続的に捉えたデータ)」で、直近4年の「土用の丑の日」前後のうなぎの食卓登場率を確認してみました。
すると、うなぎが食卓に登場するのは「土用の丑の日」当日がピークとなるものの、「一の丑」が金曜日だった2015年はその週末に、「丑の日」が火曜日だった2014年はその前の週末に食卓に上がるなど、「土用の丑の日」が平日にあたっている場合には、その前後の週末にも分散して食卓に上がっていることがわかりました。
次に、「土用の丑の日」が2回ある年にはいつ食卓に上がるのか、今夏と同様「土用の丑の日」が2回あった2015年、2013年のデータで確認してみました。すると、うなぎが食卓に上がるのは『一の丑』当日に集中しており、『二の丑』当日も、その前後の日に比べるとうなぎの食卓登場率は高くなるものの、『一の丑』当日の10分の1程度にとどまりました。
価格が高く、高級品のイメージも強い「うなぎ」。ハレの日の食べ物として、家族が揃う週末などに食卓に上がる傾向がうかがえました。今年の『一の丑』は、25日(火)。平日ということで、「フライングをして週末に食べた」という人も多かったのではないでしょうか。

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Key Point 3

うなぎが食卓に上がるのは「土用の丑の日」当日がピークだが、平日にあたった年は前後の週末に分散も。「土用の丑の日」が2回ある年では「一の丑」に集中し、「二の丑」は「一の丑」の10分の1にとどまる。

手軽に自宅で食べるも良し、贅沢にうなぎ屋さんに並ぶも良し、うなぎを美味しく食べて、スタミナ補給をし、夏の暑さを乗り切りましょう。


今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果、およびキッチンダイアリーのデータをもとに行いました。

調査手法 インターネット調査
調査地域:全国
対象者条件:20-59 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター®」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を2015年度実施国勢調査結果にあわせてウェイトバック
標本サイズ:1600
調査実施時期:2017年7月7日(金)~2017年7月10日(月)

キッチンダイアリー®
京浜、京阪神、東海地区1,260世帯のパネルモニターによる食卓実態動向のトラッキングサービス。毎日の食卓で食材がどのように調理され、どんな家族に、どんなメニューで食べられているのかについてのデータ収集を継続的に行ない、京浜、京阪神、東海地区での食卓実態動向を明らかにしている。

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