2019年消費税増税直前調査 ~進まぬ「軽減税率」の理解、 「キャッシュレス決済ポイント還元」対策はこれから

いよいよ2019年10月1日に実施される消費税増税。消費税が8%から10%に上がりますが、同時に、消費の冷え込み軽減に備えたさまざまな対策が取られています。本記事では、消費税増税を目前に実施した消費者意識調査の結果から、今回の増税で導入される軽減税率、キャッシュレス決済を対象とするポイント還元について、増税直前の浸透状況と、見えてきた課題をご紹介します。
※軽減税率についてはこちら

【目次】

「軽減税率」の認知は9割超、ただし、「内容を理解」は半数未満

まず、今回の増税で初めて導入される軽減税率について認知状況を見てみましょう。

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消費税増税まで1~2週間となった2019年9月実施の調査では、9割を超える人が軽減税率について「内容を理解している」または「名前は知っている」と回答。増税半年前の2019年4月に実施した調査と比べて認知率は約5ポイント伸びており、軽減税率が実施されること自体は広く浸透したといえそうです。一方で、「内容を理解している」は、2019年4月と比較して14ポイント程度伸びているものの、増税直前になっても半数を下回っており、「理解」にまでは至っていない人が多いことが分かります。

そこで、10月から各品目の税率が何%になるのかについて、生活者の理解度を見てみました。

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軽減税率対象ではない税率10%の品目については、6~8割が「消費税10%」と回答しており、理解が進んでいるといえそうです。一方で、軽減税率の対象となる食品・飲料については、認識が分かれています。例えば、持ち帰るのであれば8%、コンビニエンスストアなどのイートインスペースで飲食するのであれば10%と税率が変わる「インスタント麺」や「清涼飲料」については、4割前後が「消費税8%」、3割前後が「消費税10%」と回答しています。増税直後は店頭での混乱が見られることもありそうです。

「軽減税率」については否定的な印象を持っている人が約4割

消費税増税が近づくにつれて、メディアでも「●●の場合は▲%」など軽減税率の解説をよく見かけるようになりました。前述のとおり、なかなか軽減税率に関する理解が進んでいるとは言い難い状況ですが、生活者はどのように捉えているのでしょうか。

印象を聞いたところ、約4割が「否定的な印象を持っている」「どちらかというと否定的な印象を持っている」と回答。2018年11月、2019年4月の調査と比べて、肯定的な印象を持つ人が減る一方で、否定的な印象を持つ人が大きく増える結果となりました。

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気になるのは、今回の調査で軽減税率について「内容を理解している」と答えた人のうち、2割が「否定的な印象を持っている」と回答した点です。

キャッシュレス決済のポイント還元、4人に1人は「知らない」

次に、もう1つの目玉施策である、キャッシュレス決済時のポイント還元について、浸透状況を見てみました。

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増税直前にも関わらず、4人に1人程度は「知らない」と回答しています。2019年4月時点と比べても認知率が大きく伸びてはおらず、軽減税率に比べると浸透が進んでいないことが分かります。

また、キャッシュレス決済時のポイント還元について、制度の詳細の認知状況も聞いてみました。ポイント還元が実施されること自体は知っている人のうち、「①ポイント還元が利用額の5%(または2%)であること」「②中小小売店でキャッシュレス決済した購入が対象であること」「③実施期間が2019年10月からの9か月間であること」それぞれについて「知っている」と回答した人は5~6割前後でした。

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半年前に比べると全体として認知を伸ばしてはいるものの、制度の開始直前にも関わらず、まだ知らない人が多い状況と言えそうです。

キャッシュレス決済利用に関心はあるが、まだ何もしていない人たちの取り込みが今後のカギ

では、キャッシュレス決済時のポイント還元を受けるために、新たにサービスに登録したりクレジットカードを作ったりした人はどの程度見られるのでしょうか。キャッシュレス決済時のポイント還元を「知っている」人に、ポイント還元を受けるために何か対策を取ったか聞いたところ、1割を超える人が「対策をした」と回答しました。対策の内容としては、「スマホ決済のサービスに登録した/アプリをダウンロードした」が最も多くなっています。

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注目すべきは、ポイント還元を受けるための対策について「関心はあるが、まだ何もしていない」という3割超の人たちです。キャッシュレス決済をするためのサービス登録など、この方たちがアクションを起こすためにもう一押しできるかどうかが、今後のキャッシュレス普及のカギとなりそうです。

今回の分析は、自主企画のインターネット調査のデータをもとに行いました。
調査地域:全国
対象者条件:20~69 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015 年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2017 年度の構成比にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=1,673
調査実施時期: 2019 年9月19 日(木)~2019 年9 月24日(火)
※2019年4月調査は標本サイズ:n=2,113、調査実施時期: 2019 年4月26 日(金)~2019 年5 月7 日(火)、2018年11月調査は標本サイズ:n=2,122、調査実施時期: 2018 年11月22 日(木)~2018 年11 月26 日(月)で行っています。

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