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位置情報ビッグデータから見えた初詣の狙い目時間帯

※この記事は2016年12月のリリース記事を再構成したものです

日本のお正月といえば、1年の無事や幸せを祈願する初詣ですね。皆さんは、どこに参拝に行くのか、もうお決まりでしょうか?

乗換案内のジョルダンが、2016年12月6日に発表した新年三が日の人出を基にした初詣人出ランキングによれば、トップ10は、明治神宮(東京都)、成田山新勝寺(千葉県)、川﨑大師(神奈川県)、浅草寺(東京都)、鶴岡八幡宮(神奈川県)、住吉大社(大阪府)、熱田神宮(愛知県)、武蔵一宮氷川神社(埼玉県)、大宰府天満宮(福岡県)、生田神社(兵庫県)でした。

トップ10に入った神社仏閣は、だれもが知っている有名どころばかり。当然ですが、2017年もこれら神社仏閣の境内はもちろんのこと、その周辺も多くの人出が予想されます。

せっかく普段よりも清々しい気分で出かけるのなら、だれしも混雑は避けたいでしょう。そこで、インテージでは、明治神宮と浅草寺の2カ所にスポットを当て、2017年にこれらの周辺がどのくらい混雑するのか、どのような人がどこから訪れるのか、2016年の1/1~1/3までの3日間のデータを基に両エリア周辺の来訪者の動きを探ってみました。

 

三が日に初詣に行くなら、いつがいいのか

初詣で多くの人が気にするのは、どのくらい混むかということではないでしょうか。そこで、両エリアの滞在人口の時間帯別推移を分析してみました。

すると、明治神宮、浅草寺の両エリアとも、8時以降に少しずつ来訪者数が増えはじめ、14~15時にピークを迎えていることがわかりました(図表1)。つまり、午前中よりも正午過ぎのほうが混雑するということなのです。

また、日別に見ると、各時間帯の来訪者数は、元日よりも2日、2日よりも3日のほうが多い傾向にあります。これは明治神宮と浅草寺の個別データでも同じ傾向が見られました。

この結果から、三が日に初詣に行くのならば、午前中、それも朝10時ごろまでがベストのようです。初詣は年初めの大切なイベント。できれば、混雑を避けて、静かな境内でゆったりとお参りしたいものですね。

Key Point 1

人出は、元日より2日、2日より3日と、日を追うごとに増える。三が日に混雑を避けて参拝したいのなら、午前中、それも10時までに行くのがいいでしょう。

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図表1 「明治神宮」「浅草寺」エリア、時系列の人出チャート(両エリアの合計データ)
①集計期間:2016年1月1日~1月3日
②集計対象者:「明治神宮」「浅草寺」周辺エリア来訪者
③集計方法:下記エリア図赤枠内に各時間帯に滞在していた人口を推計
④調査エリア:下記参照

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来訪者の年齢層、初詣スポットによって違いがあるのか

明治神宮があるのは原宿、浅草寺は浅草。一般的に原宿は若者が多く、浅草はどちらからといえば年配の人が多そうなイメージを持たれやすいでしょう。では、来訪者の年齢層に関してはどうなのでしょうか?

両エリアにおける来訪者の年齢層の違いを分析したところ、30~40代ではほぼ同じ構成比になりましたが、20代までと60代以上の2つの年齢層では明らかな差異が出ました(図表2)。

10~20代を比較すると、明治神宮が31%なのに対して浅草寺は20%と、明治神宮のほうが11ポイントも高くなっています。逆に、60代以降では、浅草寺の23%に対して明治神宮は15%と、浅草寺のほうが8ポイント高い結果となりました。

このことから、周辺エリアのイメージ通り、明治神宮はより若者に、浅草寺はよりシニア層に支持されているといえるでしょう。どちらも人気のある初詣スポットですが、来訪者の顔ぶれはずいぶんと違うようです。

Key Point 2

より若年層が多い明治神宮、よりシニア層が多い浅草寺。“どこ”の初詣スポットかによって、来訪者の年齢層には違いがあります。

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図表2 年代構成比帯グラフ「明治神宮」「浅草寺」比較チャート(来訪者数のピークとなっていた1月3日14~17時台平均での比較)
①集計日時:2016年1月3日14時台~17時台
②集計対象者:「明治神宮」「浅草寺」周辺エリア来訪者(対象エリアは図表1で掲載のエリアマップのとおり)
③集計方法:調査対象日時での来訪者の年代別構成

あれほど大勢の来訪者、いったいどこから来るのか

明治神宮と浅草寺とでは、来訪者の年齢層に違いがあることがわかりました。それでは、これらのエリアを訪れる人がどこから来るのかも違うのでしょうか?

来訪者の居住地の違いを分析したところ、両エリアとも東京23区が56%と、どちらも都内居住者が過半数を占めています(図表3)。

一方、周辺の各地域からの来訪者を詳しく分析すると、明治神宮では東京都下(東京23区以外)や神奈川県から、浅草寺では埼玉県や千葉県、1都3県以外からと、来訪者の居住地に違いが見られます。これは、おそらく居住地からのアクセスのしやすさが、どこに初詣に行くかの決め手のひとつとなっているからでしょう。

この結果から、アクセスルートを工夫することで混雑を避けることができるのかもしれません。

Key Point 3

東京23区以外からの来訪者を比較すると、明治神宮は東京都下(東京23区以外)や神奈川県から、浅草寺は埼玉県や千葉県から訪れる傾向がある。混雑回避にはアクセスルートを検討するのも一手。

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図表3 県構成比帯グラフ「明治神宮」「浅草寺」比較チャート(来訪者数のピークとなっていた1月3日の14時~17時台平均での比較)
①集計日時:2016年1月3日14時台~17時台
②集計対象者:「明治神宮」「浅草寺」周辺エリア来訪者(対象エリアは図1で掲載のエリアマップのとおり)
③集計方法:調査対象日時での来訪者の居住地別構成

毎年多くの人出でにぎわう初詣。今回のようなデータを参考にすれば、混雑を避けて参拝することができるかもしれません。


今回の分析ではモバイル空間統計を利用しています。モバイル空間統計とは、ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを利用して作成される、人口統計情報を提供するサービスです。 ドコモの携帯電話ネットワークは、基地局エリア毎に所在する携帯電話を周期的に把握しています。この仕組みを利用して携帯電話の台数を集計し、ドコモの普及率を加味することで人口を推計することができます。本サービスにより、地域の人口分布や、性別・年齢層別・居住地エリア別の人口構成などを知ることができます。

※「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの登録商標です。

参照:乗換案内のジョルダン|初詣特集2017|初詣ランキング

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