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発表!2016年好調商品ランキング 今年はどんな顔ぶれに!?

※この記事は2017年2月のリリース記事を再構成したものです

2016年にヒットしたもの。「君の名は。」「PPAP」は誰もが思いつくのではないでしょうか。ではそのとき日用消費財ではどのような商品がヒットしていたのでしょう?
インテージでは2016年に平均購入額が増加した日用消費財を調べてみました。

2016年に好調だった商品の共通点は?

インテージの購買データ「SCI」によると、トップ3は、「甘酒」、「蜂蜜」、「ドリンクヨーグルト」。
他にも健康に良いとされる食品の購買が増加傾向にあることが明らかになりました。

図表1

それぞれ2016年に何があったのかを振り返ってみましょう。
トップの「甘酒」は米麹から作られたものが様々な美容・健康効果がある「飲む美容液」として紹介されるなど、2017年に入ってもメディアで取り上げられることが続いています。平均購入額は82%もアップしました。
続く「蜂蜜」はある食材をプラスして効果倍増を図るレシピがお昼の情報番組で紹介されたり、マヌカハニー、タイムハニーといった高額商品が最強の抗酸化力を持つとして様々なテレビ番組で紹介されました。
「ドリンクヨーグルト」については、その免疫強化の効果について2016年に限らず定期的にテレビで取り上げられています。
さらに4位の「もずく、めかぶ」は、「腎臓病を予防でき、尿酸値をも下げる効果がある食材」として、8位の「食酢」は、「『酢しょうが」や『氷酢たまねぎ」など、誰でも手軽にできる健康調味料の材料」としてテレビ番組で取り上げられました。
つまり、いずれも健康に関する効果やそのレシピについてテレビ番組で多く取り上げられたという共通点がありました。

Key Point 1
2016年に好調だった商品トップ3は「甘酒」「蜂蜜」「ドリンクヨーグルト」。そのほかにも健康に良いとしてテレビ番組で取り上げられた商品が多数ランクイン。

好調の背景はネットでの情報拡散?

好調だった商品にはテレビで取り上げられたという以外にもう一つ共通点があります。それはインターネット上の情報が豊富なこと。テレビで紹介された情報のネット記事からユーザーがアレンジして発信したレシピまで、幅広い情報があふれています。

メディア発信の情報に加え、ユーザーがアレンジした情報が発信される。これは健康関連の商品に限ったことではありません。6位の「アルミホイル」にもあてはまります。
アルミホイルを使ってハンバーグやローストビーフが簡単にできるレシピや時短で弁当を作る方法、排水溝のヌメリを取る方法まで、幅広い使い方がテレビで紹介されましたが、その情報はテレビで紹介された内容の記事やレシピといった形でインターネット上に広がっています。
このインターネット上の情報に生活者がどのくらい触れているのか?例としてレシピ検索サイトクックパッドでの「アルミホイル」の検索頻度を調べたところ、2015年→2016年で1.5倍以上と大きく伸びていました(出典:クックパッド(株)たべみる)。
商品好調の背景には、テレビなどで紹介された効果や活用法がインターネットの記事になり、テレビやネット記事でその効果や活用法を知った生活者がさらなる活用法を求めてネット検索を重ね、ときには自分で試してみて開発した活用法をネット上で発信する、この繰り返しで活用が深まりながら広がる、といった動きがあるのではないでしょうか。

Key Point 2
健康関連商品やアルミホイルの好調の背景には、テレビやインターネットで効果や活用法を知った消費者が自分なりに情報を探したり、開拓した活用法をインターネット上に投稿する、といった「インターネット上での口コミ現象」がありそう。

他にもこんな好調要因が

好調だった健康関連商品の要因としてはもうひとつ、機能性表示食品があります。特に、ヨーグルトとトマトジュース。
機能性表示食品とは、事業者が消費者庁に届けた上で商品パッケージに科学的根拠のある機能性を表示して販売している食品で、健康効果をアピールしているものです。
トマトジュースは、定番商品が機能性表示食品としてリニューアルしてその効果を訴求した結果、売り上げが大幅に伸びてトマトジュースの商品全体も活性化した好事例でした。
健康関連商品の伸びはボリュームゾーンの中高年層に限定された動きではなく、若年層にも見られました。例えば、1位の甘酒。20代男性の購入額にも+58%の伸びが見られました(図表2)。ボリュームゾーンである中高年女性が一層の伸びを見せていることもあり、伸びに対する影響は決して大きいものではありませんが、若年層における健康関連商品の浸透は見逃せない動きといえるでしょう。

図表2

ユーザー数・購入額の増加は続く!好調なまま定着へ

ここで、好調だったそれぞれの健康関連商品のユーザー数とユーザーの購入額について、2015年からの変化を見てみましょう。
ユーザー数とユーザーの購入額はすべてのカテゴリーで大幅にアップしていました(図表3)。これは、前年と比べて買う人の数が増え、さらには買う量も増えたということです。
なかでも「甘酒」は年間のユーザー数が40%増加と飛びぬけていました。

図表3

この好調ぶり、年末の段階にはどうなっていたのでしょうか?
2016年12月のみの月間ユーザー数と月間購入額を見てみると、「甘酒」のユーザー数の増加割合は年間で見るよりさらに高く、75%増と絶好調でした(図表4)。年末に「甘酒」の効果をうたうようなメディア露出が多かったことが影響しているものと思われます。

図表4

この傾向は、甘酒ほどではないものの、他の健康関連商品にも。一過性のブームであれば年末の段階には落ち着いていそうなものですが、人気安定の兆しが見えてきたと言えそうです。

Key Point 3
ランキング上位の健康関連商品の勢いは年末まで続き、人気安定の兆しが。

人気の広がりも安定も、テレビで発信された情報がインターネット上でユーザーによって深められながら広がり、その情報に触れたユーザーがいろいろなレシピ、シーンで活用するようになる、昨今ならではの動きが後押ししていると思われます。2017年はどのような商品が売れるのか、今後の動きに注目です。

sciannual.png

今回の分析に利用した購買データ「SCI」(全国個人消費者パネル調査)は、全国男女50,000人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービスです。モニターが購入した商品のバーコードを携帯端末でスキャンし、インターネット調査画面から入力したその商品を購入したチャネルや個数・金額などの情報を元に消費者購買行動が分析できます。
随時データ集計・分析が可能なツールでのご提供形式の他、年間の市場全体や各カテゴリーの動きが俯瞰して見られるhtml形式のレポート【SCIアニュアルレポート】のご提供も行っています。

参考:「機能性表示食品」って何?(PDF)|消費者庁

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