【2020年生活者が楽しみにしているコト~5 key stories~】第2回 20代男性編

生活者の声なき声から生まれたデ・サインストーリー。5回連載の第2回目は20代男性編をお届けします!((第1回記事:2020年生活者が楽しみにしているコト~5 key stories~【第1回 20代女性編】

【目次】

プロローグ

今回のストーリーの主役20代の男性たちは、2020年の日々の生活にどのようなことを期待しているのでしょうか。彼らの期待構造を可視化したインテージの自主企画調査「2020年、日々、生活者が楽しみにしているコト」から描かれたマインドディスカバリーマップを読み解いてみました。その結果、彼らが考える2020年への期待は、「心理的にも物理的にも手の内に入っている極々身近な世界を大切に、今も手にしている体験をあたためようとしている気持ちがあること」が見えてきました。今回の第2回コラムでは、20代男性生活者の声なき声に耳を傾け、キーワードを紡ぐことで現れた5つのストーリーを、第1回目の20代女性との違いにも注目しながらご紹介します。

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デ・サインストーリー1)「世界の中心でコンビニとiPhone命と叫ぶ」

~そこにアクセスすれば、何か面白いことがある気がするんだよね。
たいていのものは手に入るし、ほどよい刺激にも出会える。iPhoneとコンビニエンスストアがあれば、十分楽しい毎日を送れるんだよね~

20代男性の期待構造のハブ(連想の中枢)にはiPhoneコンビニエンスストアがほぼ同じ場所にあります。マインドディスカバリーマップのハブにあるのは、「期待」として生活者が自由に回答したワードどうし、様々な他のワードとの結びつきが強い、期待構造の中枢を織りなすワード群です(本分析手法の特徴)。つまりiPhoneコンビニエンスストアは、2020年の期待として回答された他の多くのワードとつながる中枢ワードと読むことができます。

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周辺に注目してみると、その上にある休日の先のベクトルにはアメリカ、夢、雑誌が同じ位置に表出しています。さらにその先に目を移すと宝くじも。これらのワードの配置や構造から、“アメリカンドリーム”とは紙媒体(雑誌)の世界としての連想が強く、彼らにとっては自分の住む世界とは違う、雑誌で読むようなカッコイイ非現実性の高い文脈であると解釈しました。このような夢見る少年のココロの現れがマインドディスカバリーマップの中央付近にありつつも、前述のとおり、iPhoneコンビニエンスストアがハブ連想であることから、これらが生活の中心にあれば、近未来へと期待することは十分であると考えていそうです。

前回のコラムでご紹介した20代女性たちも、「ヨーロッパ旅行ではなく、韓国旅行」というように、“ミドルジャンプ”で色々なものを手に入れることを期待していましたが、男性は女性よりもそのジャンプの飛距離がもっと小さいと言えるでしょう。むしろ「背伸びや“ジャンプはしない”」といった方がいいかもしれません。既にゲットしているものや、日常の身近な楽しみが2020年の楽しみのベースにありそうだ、という気づきに至りました。

デ・サインストーリー2)「彼女とドライブ。デートの〆はラーメンで。」

~楽しい時間の締めくくりはラーメンで。まさにラーメンは別腹。例えば、ドライブで行くサービスエリア、ご当地グルメ、女性たちのアイスが俺たちのラーメンに値する~ 
(値するぜ!とは言わないかもしれないけれど)

マインドディスカバリーマップでは、20代女性と同様に、20代男性にも「体験する非日常ゾーン」が構成されていますが、女性たちではアイス「体験する非日常ゾーン」に表出している食品だったのに対して、男性たちは同じポジションにラーメンが確認できます。

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ラーメンの他の食品では焼肉が表出していますが、焼肉ラーメンの真逆のポジションに位置しています。ラーメンは女性と同様に旅行ドライブがある「体験できる非日常エリア」に存在するのに対し、焼肉マンガ等と同位置にポジショニングし、どちらかというとバーチャルなエリアにあると読み取れます。焼肉の近くに競馬というワードもあることから、焼肉とは、彼らにとって「“体験できる”非日常性を感じられる食品」ではなく、賭けに近いワクワクを感じられ、好きなマンガのようにも没頭できる、という意味があると言えそうです。

彼らにとって、改めて2020年に日々楽しみにしているコトとして代表的な食品であるラーメンの存在とは、女性にとってのアイスと同じ意味があります。旅先やレジャーで訪れる場所のご当地文化を感じられる希少性や、味のバリエーションやこだわりなどストーリーを感じられる、その場だけの瞬間性の高い体験価値があるからこそ、近未来への期待を投影する食品の代表格として連想されたことが窺えます。

彼らのためにラーメンがあり、彼女のためにアイスがある。20代のカップルには、そんなデートコースが望ましいと言えるのではないでしょうか(笑)

デ・サインストーリー3)「ボクらが結婚するとき、それはクルマを買うとき。」

~2020年に期待することといえば、旅行に、オリンピック、車。若者のクルマ離れと言われることもあるけれど、2020年といえば結婚もして子供もいて・・生活基盤を考えるとクルマも必要だよね。自分のためというより、結婚して家族のためにクルマが必要なんですよね~

(含車の購入、クルマ等、車関連のワードの総計)の連想率は全体ワードの中で第3位にランキングしています。連想ランキング第1位の旅行、第2位のオリンピックに次いで25%の男性がを連想しており、仕事を上回っています。20代男性生活者にとってのへの関心の高さに注目し、どのような意味でを連想したのか、掘り下げてみました。

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まず、車の購入結婚生活が同じ位置に表出していることから、「車を買うことと、結婚すること」は、彼らにとって同じ意味があると解釈ができます。つまり、いわば“花婿道具”と位置づけられています。さらに、車の購入、結婚生活と同じエリアにお金、クルマ、未来といったワードがあります。

このように、彼らが連想したとは、“走る楽しみ”といった車に乗る自分のシーンではないことから、自分の楽しみのために所有するというイメージではなく、「結婚するためには車がないとなー」「車がないと結婚できないかなー」という文脈で捉えていそうです。恐らく、彼らのデ・サイン(声なき声)は、「家族のために、僕らはクルマを買います」でしょうから(そのようにははっきり言うことはないでしょう)、結婚後、奥さまは「iPhoneは好きなように、新しいモデルを買っていいからね」って言ってあげると、とても喜ばれると思います。

デ・サインストーリー4)「ガジェット活かして、一攫千金、密かに狙います!」

~タブレットやPCで自由に賭けができれば。まるで打ち上げ花火的に、当たるも当らないもゲーム感覚でマネタリーアップを狙います!~

PCタブレットといったデジタルガジェットの文脈やAI、また、プラモデル、カラオケ、動画、映画鑑賞や、その先にパチンコ、スロットといったギャンブルが群を構成するエンタメ趣味エリアに、FX、投資、宝くじ、給料UPが表出しています。これらの構成から、我々は「一攫千金を、ゲーム感覚で狙っていこうという気持ち」を読み取りました。

2020_20sM_KS4_Money_2.pngその周辺には花火もあり、働く対価である“給料”や昇給ですら「着実に手に入れる」気持ちではなく、ゲーム感覚で、できれば“花火のように打ち上げることができたら”という気持ちがあると解釈しました。

デ・サインストーリー5)「給料貯めず、ボーナス貯める主義。」

~結婚って、お金かかるでしょ。結婚式にマイホームにクルマ。未来への投資のため、ボーナスは、しっかり貯めます!~

20代はこれから生活基盤を形成していく世代。お金との付き合い方、向き合い方をどう捉えているのかが、「2020年の期待構造」のマインドディスカバリーマップにもハッキリ出てきていています。

20代男性のマップの左下にボーナス、未来、貯金、結婚生活、結婚が表出しており、生活基盤を形成していこうとする気持ちがしっかりと認められます。給料がデ・サインストーリー4でご紹介した“趣味・エンタメエリア”にあるのに対し、ボーナスは、結婚資金として貯めていこうとする意識があることが分かります。

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一方、20代女性のマインドディスカバリーマップでお金との付き合い方の文脈を同様に探ってみると、ボーナスに対する考え方が男性とは真逆であり、ボーナスが「ワクワク」する“エンタメエリア”に表出しています。ボーナスは、化粧、カフェめぐり、グルメ等と同じエリアにあることから、女性はボーナスを楽しみのために使いたい意識が強く、男性のように生活基盤のために“貯める気はない”と言えるでしょう。ボーナスに対する思考が、男女で正反対であることは、これからの近未来の生活を築いていく若い世代のお金の使い方の理解として、押さえておきたい“ツボ”の一つといえるでしょう。

エピローグ

20代男性が2020年に期待するデ・サインストーリー5つをまとめてみますと、~iPhoneとコンビニエンスストアがある生活に期待を抱き、給料内でのやりくりでゲーム感覚のマネタリーアップを狙う。そしてボーナスが入れば、豪遊することもなく、結婚やファミリーカーの購入等、近い将来のための貯蓄をする。日常を彩る楽しみの食は「ラーメン」。~ 

以上、同世代の20代女性よりも堅実であり、心理的にも物理的にもすぐに“アクセス”できる、“手”や“足”が届きやすい暮らしぶりが浮かび上がりました。

次回は彼らの親世代である、50代を主人公にしたデ・サインストーリーをお届けします。お楽しみに!

著者プロフィール

鮎澤留美子
鮎澤 留美子(あゆさわ るみこ)
飲料メーカー、航空会社、広告代理店グループ調査会社を経て、インテージ入社。生活者リサーチ全般、ワークショップデザイン、ビジネスエスノグラフィの知見を活かし、ファクトベースでアイデア発掘、新価値創造、コンセプトメイキングまでをリサーチデータと行き来しながら導出する『デ・サインリサーチ』を開発、推進を担当。自称、歴女(戦国時代の研究から進展しない笑) 。

※分析手法、解釈の仕方はこちらの動画でご覧ください。

今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。
調査地域:日本全国
対象者条件:20~29歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:20代女性 n=556、20代男性 n=555
調査実施時期: 2017年8月21日(月)~2017年8月24日(木)

分析手法:PAC-i

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