センター員もりもとの生活者研究記録 【Vol.2】男性の化粧品購入

【目次】

5月のごあいさつ

徐々に暖かいを通り越して暑い日が増えてきましたが、みなさま体調お変わりないでしょうか。生活者研究センター 森本です。
毎年4月下旬~5月になると、「昨年はなにを着ていたっけ」と頭を悩ませるのですが、昨年同時期は緊急事態宣言が出ていたこともあり、そもそも外出していないので、本当に何を着ていたのかわからず頭を抱えていました。コロナ禍2年目はお散歩という1人遊びを見つけ、外に出ることも増えましたが、やっと悩まず服を決められる気温になってきたように感じます。梅雨になったらお散歩もできず、大好きなスポーツ観戦もできないため、なにをして過ごそうか、悩みごとは尽きません。

今回のテーマは・・・・

「コロナ禍でも伸びた!男性の基礎化粧品購入」で紹介した通り、化粧品市場が縮小する中で男性による化粧品市場規模は104%と伸長傾向にあります。

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そんな伸長する男性化粧品市場では、「BULK HOMME(バルクオム)」「MENCOS(メンコス)」のような男性用ブランドが多く展開されている中で、女性用のスキンケア品を使う若年男性が増えている傾向があるようです。

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そこで、女性用基礎化粧品を選んで利用している若年男性と、男性用基礎化粧品を利用している若年男性との違いを比較することで、男性用ではなく女性用を選び利用する背景をひも解き、探っていこうと思います。

若年男性の女性用基礎化粧品利用者分析

基礎化粧品の女性用利用者と男性用利用者の人となりの比較にあたり、約15,000項目に及ぶデータを連携させた、立体的で細密なターゲットのプロファイリング分析サービス、「生活者360°Viewer」を用いて分析をしていきます。分析軸はインテージ消費者パネルSCIの購買ログをもとに下記の定義で設定しました。

メインセグメント:男性10-30代女性用基礎化粧品利用者
比較セグメント:男性10-30代男性用基礎化粧品利用者
 ※基礎化粧品:洗顔/化粧水/乳液/クリーム/美容液/フェイスシート(シェービングは含まない)

集計期間:2020年1月~12月
対象者:本人利用目的(代理購入などの他人利用のものは除く)で1回以上該当基礎化粧品を購入した人
分析軸の考え方:
【女性用基礎化粧品利用者】の特徴を明らかにする際に、比較対象を【男性用基礎化粧品利用者】としています。また、年代を絞らずトータルで見てしまうと、年代の特性(女性用基礎化粧品利用者は10-20代、男性用基礎化粧品利用者は30-50代)が強く出てしまうと考え、メインセグメント及び比較セグメントどちらにも<10-30代>の条件をかけています。さらに、それぞれの特徴を強調するために、男性用女性用の併用者は分析対象から除外しています。

さて、今回も上述の通り膨大なデータ がアウトプットされる「生活者360°Viewer」を用いるため、データに溺れてしまうことを防ぐために、データ読み込みにあたり仮説を立案します。今回は身の回りの基礎化粧品利用男性を思い浮かべながら仮説立案を行いました。
以降のデータ解釈では、仮説と、仮説に関わる調査項目について(1)生活価値観・好みテイスト(2)消費意識・行動の2つの視点で確認していくことにします。

(1)生活価値観・好みテイスト

◇仮説
<男性10-30代女性用基礎化粧品利用者(以降、女性用利用者)>
見た目へのこだわりが強く、おしゃれでセンスの良い自分でありたい。

<男性10-30代男性用基礎化粧品利用者(以降、男性用利用者)>
見た目へのこだわりはあまりなく、人から見て”ダサい”と思われない程度に気を使う。

◇生活者360°Viewerデータ ※コチラからダウンロードいただけます

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◇データから見えた人となり

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女性用利用者、男性用利用者ともに、ざっくり見ると仮説と大きく外れてはいないようです。
女性用利用者はシンプルなモノトーンや淡く主張の強くない色味を、男性用利用者は発色はしっかりとしつつ少し渋めな馴染みのよさそうな色味を好むなど、好きな色味・トーンからも両者の違いがハッキリと見え、おもしろいですね。ドラッグストアの男性用コーナーを思い浮かべると、鮮やかな青色や黒色が浮かびますが、意外と鮮やかさよりも渋みのある色味の方が好まれるのかもしれません。最近出てきた男性用化粧品は洗練されたシンプルなデザインが多い印象があるので、女性用現利用者も好むテイストなように感じました。

(2)消費意識・行動

◇仮説
<女性用利用者>
購入前にクチコミや成分を調べ、自分に合ったものを選んで購入する。多くの選択肢の中から自分にあったものを選びたい。女性用は種類が多く、自分に合ったものがあるだろうと考えて女性用基礎化粧品を利用している。

<男性用利用者>
”男性用”と言われている方が、きっと間違いないのだろう、と考えて男性用基礎化粧品の中から商品を選択する。その際に、みんなが使っているものは安心できると考え、よく売れているものを選んで購入する。


◇生活者360°Viewerデータ 
※コチラからダウンロードいただけます

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◇データから見えた人となり

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ここは仮説と違った結果が出てきて思わず「へえ~~~」と声を出しながらデータを読んでしまいました。
男性用はどうしても爽快感の強いイメージがあったため、その強さを好まない(自分には合わないと思う)人が女性用を選んでいるのかと思っていましたが、コスパ重視層が浮かび上がってきて意外でした。たしかに女性用はブランド数も多く低価格でも品質のよいものがたくさんあるので、なるほどな、という感じです。一方で、男性用利用者については、「男性用って書いてあるから自分向きなんだろう」とあまりこだわりなく購入しているのかと思っていましたが、男性と女性との肌の違いやそれによって必要な成分なども違うことを理解した上で品質にこだわり選択・購入している様子が浮かび上がってきました。

おわりに

当初仮説立案の段階では、女性用基礎化粧品利用者は、美容意識やこだわりが強いことから”あえて”女性用を選んでいると思っていましたが実際にデータを見てみるとそうではなく、コスパの良さ(男性用は女性用と比べるとやや高め)やパッケージのデザインを重視していることがわかりました。
ただし、そこで気になるのは、そもそも男性用と女性用はドラッグストア内でも売場が異なる中で、女性用化粧品売場へ足を運んだきっかけです。店販ではなく、ECでの購入なのでしょうか。女性用を自分向けとして認知するきっかけはなんだったのでしょうか。
「生活者360°Viewer」では俯瞰した人となりの理解に留まるため、次回は女性用基礎化粧品利用者に実際に深堀インタビューをしてみようと思います。

それでは次回またお会いしましょう。


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【生活者360°Viewer】
多面的で精緻なターゲット像を描き出すことにより、生活者理解に基づいた商品・サービス開発やコミュニケーション・プランニングを支援する分析サービスです。デモグラフィック属性や意識・価値観だけでなく、購買行動やメディア接触行動といったインテージの持つさまざまなパネルデータを横断・連携した15,000項目におよぶ膨大なデータから、各お客様企業のマーケティング課題に応じて柔軟にターゲット・セグメントを設定することが可能です。
※ さまざまなパネルデータを横断・連携するという性質上、出力結果のサンプルサイズはデータによって異なります。


生活者研究センター概要

インテージの生活者理解の拠点として2020年8月3日に誕生。
長きにわたり蓄積している生活者の消費行動やメディアへの接触行動、さらには生活意識・価値観データなど膨大な情報を連携・横断して用いるとともに、社内の各領域におけるスペシャリストの知見を織り合わせることにより、生活者をより深く理解し、生活者を起点とする情報を発信・提供することを目的として設立された。また、お客様への直接的な貢献を目的として、共同研究や具体的なプロジェクトへの参画などにも積極的に取り組んでいく予定。


著者プロフィール

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生活者研究センター コンシューマーチームリーダー
森本 瑠奈(もりもと るな)

2016年インテージへ新卒入社。2018年までインテージのアンケートモニターであるキューモニターの管理・運営を担当。
2018年から社内の膨大なファクトデータを用いた生活者のプロファイリング分析ツール「生活者360°Viewer」の開発プロジェクトに参画。
現在は生活者研究センター コンシューマーチームのリーダーとして、事業開発、商品・サービス開発、コミュニケーション・プランニングなど幅広い領域において、生活者理解を武器としたコンサルタントを行っている。
コロナ禍でのマイブームはパン屋さんを目的地にしたお散歩。時間と体力が許せば2時間以上歩き続けてパン屋さんを3軒ハシゴすることも。
趣味はスポーツ観戦で、B.League(バスケ)とXLeague(アメフト)の試合に足繁く通う。

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