浸透するか?プレミアムフライデー

月末の金曜日に仕事を早く切り上げ、消費喚起や余暇促進を狙う「プレミアムフライデー」がいよいよ2月24日(金)からスタート。初めてのプレミアムフライデーは、普段より早く退社することができたのか、当日はどのように過ごしたのか、を京浜エリア(東京・埼玉・神奈川・千葉)にお住まいの有職者の方2,235名にインターネット調査で聞いてみました。

プレミアムフライデー初回、実施・奨励・退社状況は?

まず、職場に導入された人はどれ位いたのでしょうか?初回である2月24日(金)に職場で「プレミアムフライデーが実施された」または「奨励された」人は10.5%でした(図表1)。事前調査の結果(2.5%)と比べると増えており、2月上旬以降に実施・奨励の方向性を打ち出した企業もそれなりにあったようです。一方で、9割近くが「実施・奨励されなかった」と答え、企業の実施・奨励についてはまだ様子見段階といえるでしょう。
また、実際にプレミアムフライデーを利用して早く帰った人は有職者の3.7%という結果に。職場で実施・奨励された人の中でも、早く帰らなかった人も多くいるようです。

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図表1 プレミアムフライデー実施・奨励・退社状況

また、プレミアムフライデーの実施・奨励状況は企業規模によっても違うことが分かりました。
企業規模が『1000人以上』の人は24.1%が職場でプレミアムフライデーが実施・奨励されたのに対し、『100人未満』または『100~499人』の人は9割以上が実施・奨励されなかったという結果に(図表2)。従業員人数が多い会社の人に勤めている人ほど「プレミアムフライデーが実施・奨励された」割合が高いようです。

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図表2 勤務先の企業規模別 実施・奨励状況

Key Point 1

職場でプレミアムフライデーが実施された人は2.8%、奨励は7.7%、実際に早く帰った人は3.7%と限定的。企業規模によって実施・奨励の差に開きがある。

プレミアムフライデー当日はどうだったのか?

では、プレミアムフライデーの日、職場で実施・奨励されていた人は意識的に早く帰ろうとしていたのでしょうか?実際は職場でプレミアムフライデーが実施・奨励されている状況であっても、「早く帰るつもりがなかった」人の方がやや多い結果に(図表3)。さらに、行動とかけあわせてみると、「早く帰るつもりがなく、早く帰らなかった」(早く帰ることを意識しておらず、早く帰るという行動にもうつさなかった人)人が最も多い(45.8%)ことが分かりました。一方で、「早く帰るつもりだったが、早く帰らなかった」という人が16.3%おり、帰りたくても帰ることができなかった人も一定数いたようです。

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図表3 早く帰る意識と、実際の行動

職場で実施・奨励されているのに早く帰らなかったのはなぜでしょう?早く帰るつもりがあった人もなかった人も、帰らなかった理由第1位は「仕事が終わらなかったから」(図表4)。
また、早く帰るつもりがなかった人の中には「プレミアムフライデーを特に意識していなかった」人も3割ほどいる点に注目です。職場で実施・奨励されていても自分ごと化にいたらない人も一定いるようです。

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図表4 プレミアムフライデーで早く帰らなかった理由上位3位

では、早く帰った人は何時頃退社したのでしょうか?プレミアムフライデー時の退社時間は「15時台」(33.7%)が最多(図表5)。『プレミアムフライデーで早く帰った』という人の8割以上が18時前には退社していました。また、普段の退社時間と比べてどれ位早いのかを聞いてみると、「1時間程度(1時間未満も含む)」の人が最も多く、次に「3時間程度」、「2時間程度」という結果に。このことから1~3時間程度がプレミアムフライデーで生まれた“余暇”と言えるのではないでしょうか?

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図表5 退社した時間帯・どれ位早く退社したか

プレミアムフライデーで生まれた“余暇”で、何をしたのか聞いてみました。退社後にしたことで最も多かったのは「自宅で過ごした」(41.8%)で、「食事に行った」(32.1%)、「買い物に行った」(26.6%)が続く結果に(図表6)。
『自宅で過ごした』人は、自宅で「テレビ・DVDを観た」「ゴロゴロした・寝た」「インターネットをした」といった声があり、自宅でリラックスして過ごした様子。『食事に行った』人が一緒に食事をしたのは「会社の同僚」や「友人・知人」。現状では企業によって実施・奨励状況が異なるため、同じ状況の会社の同僚とまずは食事や飲みに行く、というような過ごし方をしたのではないでしょうか?また、『買い物に行った』人からは「スイーツ」や「洋服」を買ったという声が聞かれ、”余暇を楽しむ買い物”をしたようです。

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図表6 プレミアムフライデーで退社後にしたこと

Key Point 2

プレミアムフライデー当日の退社時間は15時台が最多。「自宅で過ごした」人が最も多く、次いで「食事に行った」、「買い物に行った」。帰らなかった人は「仕事が終わらなかったから」。

プレミアムフライデーを迎えて、今の気持ちは?

では、プレミアムフライデーの前と後で、プレミアムフライデーの受け止められ方に変化はあったのでしょうか?2月上旬に行った事前調査と、実際にプレミアムフライデーを迎えた後の事後調査の結果を比べてみました。
印象の変化を見てみると、プレミアムフライデー前に比べ、後の方が否定的な印象を持っている人が増えています(図表7)。なぜでしょうか?
プレミアムフライデー後の結果を、実際にプレミアムフライデーで『早く帰った人』、『早く帰らなかった人』、『職場で実施・奨励されなかった人』の3つのグループに分けてみます。すると、『早く帰った人』は6割以上が肯定的な印象を持っていますが、『実施・奨励されなかった人』が否定的な印象を強く持っていることが分かりました。自分にとってプレミアムフライデーが関係あったかどうかで印象がだいぶ違うようです。

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図表7 プレミアムフライデーの印象比較

肯定派と否定派にそれぞれ理由を聞いてみました(図表8)。肯定派は「早く帰れるから」が最も多く、その後に「プライベートが充実するから」「週末をゆったりと過ごせるから」が続きました。プレミアムフライデーで早く退社することで自分の時間にゆとりが生まれると感じた人が多いようです。
一方、否定派は、「全ての職業・業種の人が早く帰れるわけではない」や「自分の職場は導入しないと思う」という理由から否定的に。実際にプレミアムフライデーを迎え、プレミアムフライデーを利用できる人とそうでない人がはっきりしたことで、公平性の面で否定的な側面がより色濃くなったようです。

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図表8肯定的な印象、否定的な印象の理由上位

プレミアムフライデーを経験した人にとっては、どうだったのでしょうか?プレミアムフライデーで早く帰った人を対象に、次もまたプレミアムフライデーを利用したいかを聞いたところ、82.3%が「次回も利用したい」 (「次も利用したい」+「どちらかといえば次も利用したい」) と回答しました(図表9)。早く帰った人は次回に対しても前向きな期待を持っており、早く帰ることで生まれた余暇を自分に合った形で過ごし満足しているようです。しかし、プレミアムフライデーで早く退社し、”余暇”を過ごすことができた人は有職者の中でもごくわずかという現実を考えると、定着・効果拡大に向けては今後の実施施策の浸透がカギとなりそうです。

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図表9プレミアムフライデーの次回利用意向

Key Point 3

プレミアムフライデーと自分の関係によって肯定派と否定派が分かれる。経験者にとっては「また利用したい」プレミアムフライデーだが、”余暇”を過ごした人はごくわずか。まずは今後の実施施策の浸透がカギ。

以上、プレミアムフライデーの結果をご紹介しました。
プレミアムフライデーは初めての取り組みということもあり、実施・導入企業の数が限定的であったり、全ての人が恩恵を享受できるわけではなかったりと課題が浮き彫りになってきた現実もありますが、今後の浸透状況にも注目です。


今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。

調査手法 インターネット調査
調査地域 京浜エリア(一都三県:東京、神奈川、千葉、埼玉)対象者条件以下の条件を満たす20-59 歳の有職(※)男女  ※:1日7時間以上勤務者
・事前調査(2017年2月3日~6日)でプレミアムフライデーを「知っている」と回答者
・勤務先でプレミアムフライデーを「推奨・実施することが決まっている」または「わからない」と回答者
・2月24日(金)に出勤者
ウエイトバック 性年代別の有職者の構成比にあわせてウエイトバック集計
サンプルサイズ n=2235
調査期間: 2017年2月24日(金)~2017年2月27日(月)

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