【2020年生活者が楽しみにしているコト~5 key stories~】第4回 50代女性編

【2020年生活者が楽しみにしているコト~5 key stories~】第4回 50代女性編

2019年も12月、いよいよ2020年も迫ってまいりました。『2020年、日々、生活者が楽しみにしているコト』と題した調査結果から、生活者の声を “デ・サインストーリー”としてご紹介していますが、今回は、50代女性編をお届けします。

プロローグ

人生100年時代の真ん中と考えられる50代とは、どのような世代といえるのでしょうか。50代男性編でもお伝えしたように、マーケティングリサーチではこの世代をプレシニア、シニア予備軍ともグル―ピングする時もありますが、50代女性は、子育てからも解放され、自分のための時間をどのように過ごすかを改めて考えなおす世代といえるかもしれません。彼女たちは、男女雇用均等法解禁から女性社会進出を果たした先駆けの女性が属するセグメントでもあります。20代の時には、ハイブランドや海外旅行などに対する旺盛な消費意欲を発揮したHanako世代、バブル時代の日本の消費を牽引した世代といわれています。また、女子大生ブームも女子高生(おニャン子ブーム)も当事者として、経験した層にあたります。

「夫を支えながら子育てに励んで、家庭を守る」といった旧来の既婚女性の有りようを変えて、自分を中心とした生き方を肯定し実現してきた最初の世代ともいえるかもしれません。その世代が再び自分の時間を見つめ直し、今後の人生を考え直すタイミングに差し掛かる2020年。50代女性が“2020年、日々、楽しみにしているコト”の全貌を、約500人の調査結果から「デ・サインストーリー」として描き出しました。彼女たちの自由連想ワードが織りなすこのマップを基に、デ・サインリサーチの読み解き法にてキーワードを紡いだ5つのストーリーをご紹介します。

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※本デ・サインストーリーは、弊社自主企画『2020年、生活者が楽しみにしているコト』をテーマに実施したデ・サインリサーチの調査を実施。PAC分析の応用解析ツールPAC-iを活用し、期待構造を描き出した『マインドディスカバリーマップ』を生成、読み込み自主WSの分析結果より編集しております。

デ・サインストーリー1)「シャベリを止めるな!」

~2020年、そうね、まずは健康かしらね、だって、それが基本でしょ。もちろん、私自身も家族も、みんなが健康!それから自分を磨くため、美容に取り組み、趣味のミュージカル鑑賞や山登りなど、ダンスもやってみたいわ。何よりも、おしゃべりしながらの友達と旅行や食事が楽しみ。ああ、挙げたらきりがないかしら。そうそう、あなたはどう?うんうん、わかるわ。私はね、・・・・(続く)~

50代男女共通して、マインドディスカバリーマップには健康が表出しているのが20代と異なる点です。男性がオリンピックをきっかけに、自分でスポーツをする文脈の中に健康がポジションをとっているのに対し、女性ではハブ連想であるセンターに健康が表出しているのが大きな特徴です。健康の近くに自分磨き、美容が表れていますが、このテーマの重要な解釈となるハブ連想にはおしゃべり友達とおしゃべりがセンターを取り巻くように表出しています。彼女たちの健康は、おしゃべりと密接な関係がありそうです。また、健康の近くには温泉に行く、温泉めぐりがあり、その先に旅、友人との旅行が表出する「レジャーエリア」が形成され、ここにも友人とおしゃべりが表れています。

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さらに「レジャーエリア」には食べ歩き、外食も表出していることから、彼女たちにとって「食べる」ことと「しゃべる」こと、つまり、食べて・しゃべってを同時に行う、口をたくさん動かすことをとても楽しみにしているということが明らかになりました。特に、彼女たちが楽しみにしている「しゃべり」は絶対に止めないほうがよさそうです(笑)。

デ・サインストーリー2)「フレンズ・イン・ザ・シティ」

~家族が健康であれば、基本は幸せ。2020年の楽しみといえば、友達との集まりね。女子会やらランチ会など、おいしいものを食べに行きたいの。また、旅行がてら、みんなで集まれるのも楽しいわね。海外旅行なら、買い物もしたいじゃない?ショッピングメインで行ったり。子供も大きくなったし、孫のお世話もあるけれど、友達と自由満喫の時がやってきたわーー!~

デ・サインストーリ1では50代の女性の健康についても触れましたが、健康という概念に注目すると、同世代の男性50代と異なり家族が健康も連想ワードに挙がっています。家族全員が健康であることを願う気持ちが表れているといえます。

そして、家族の健康へと思いを馳せる気持ちの他に、友人と楽しもうとする気持ちもたくさんのワードが挙がってきています。友達とおしゃべり、友人との旅行の他、同じ文脈上には友達との食事、また、外食、グルメ、食べ歩きといった食に関するワードがたくさん表出しています。さらにその先に、デ・サインストーリ1で紹介した「レジャーエリア」があり、友達、友人とおしゃべりが表れています。

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彼女たちの楽しみの中には、友人と過ごすシーンがたくさん描かれています。一方、50代男性層では「友達」というワードの連想が乏しく、50代の男女間で意識が大きく異なる興味深い特徴です。

デ・サインストーリー3)「男と女の不都合な真実?!」

~え・・・?旦那とのワインの時間ですか?思い浮かびませんでした。本当かしら?この間、久しぶりに一緒に出かけたんですが、うまいものでも食べようと連れて行ってもらったのが、ラーメンでしたし。やっと自由な時間ができたのだから、私たち、素敵な外食やグルメを楽しみたいのよね。~ 
本コラム 第3回 50代男性編もご参照ください。

前回のコラムでご紹介しましたとおり、50代男性のマインドディスカバリーマップのハブ連想はワインであり、夫婦で過ごす時間が楽しみの連想として表れていました。

では、50代女性にとって夫の存在は、どのように捉えられていたのでしょうか。50代女性のハブ連想は前述のとおり健康おしゃべり友人とのおしゃべりが目立ち、「夫とのおしゃべり」等、夫婦で過ごす時間の連想は、友達との連想に比べると圧倒的に少ないボリュームです。マップの中に表出している「夫」は夫婦で旅行主人との旅行の2つ。夫婦で旅行は「レジャーエリア」にポジションをとっているので、レジャーを楽しもうとする文脈として読めますが、もう一つの主人との旅行は、「レジャーエリア」と真逆の位置に表出しています。同質文脈を読んでみると、孫の子守、英会話、ボランティア、親孝行、筋トレといった使命感や“がんばり感”を感じさせるワードが並びます。夫を表すワードとして主人を連想する女性にとっては、50代男性が期待する「妻とワイン」という時間とは、違う方向を向いてしまっているようです。

2020_50s女性_不都合な真実.pngこのベクトルの違いを解消するにはどうしたらよいのでしょうか。女性は友人とおしゃべりをしながらグルメなランチやショッピングが楽しみの中心にあることと、男性が考える日常での食&レジャーシーンで“ラーメン”一強説を考えると、別の接点にも目を向けた方がよいかもしれません。期待としては、50代の男女とも“健康”がハブ連想にあることから、健康にまつわる日常シーンを夫婦で楽しむ時間として創っていくことが、両者の共有できる楽しみになりそうです。

デ・サインストーリー4)「長男の結婚」

~子供も成長して、時間ができたら趣味を楽しみたい。長男が結婚したら、きっと寂しくなるし、ペットでも飼おうかしら。家で花を育てたり。そして、友人とランチをしよう。(この文脈でも“友人”とランチ!)~

50代男性では長女の結婚を紹介しましたが、50代女性もマップ上に子供の結婚に関するワードが登場します。長男の結婚のポジションをみると、子供の成長から、その先にパン作り、ボランティア活動、インテリア、京都旅行が表れ、その先にペットを飼う病気、同線上に長男の結婚(そして、近くに友人とランチ)。

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子供が成長したことによって、自分の趣味探しを始め、さらに子供の成長と幸せを願いながらも、自分の老いを感じた寂しさを伴う気持ちが現れているといえるでしょう。50代男性編でも長女の結婚には特別な意味が読み取れましたが、父親、母親とも、子供の成長と自分の生活の変化に期待と寂寥が入り混じる、複雑な心理がマップ上に描写されています。

デ・サインストーリー5)「わたしが働く理由」

~リフォームするには、お金がかかるわよね。そのために仕事をしたいともいえるし、私は自分の時間を楽しむには、まだまだお金がかかると思っているの。それにどうせ働くなら、仕事も楽しくやりたいし、自分へのご褒美も買いたいわ~

仕事も多くの50代女性が連想したワードですが、仕事の近くにはリフォームが表出しており、そのための資金づくりのために働こうとしているかもしれません。一方でボランティア活動読書、ガーデニング、宝塚歌劇観劇といった趣味ワードの近くに仕事があるので、趣味と同じように明るく楽しく仕事をしたいという気持ちをも同時に読み取ることが出来ます。また、近くにはエルメスも表出しており、その収入はリフォームや“趣味活”のためだけでなく、自分へのご褒美にも使うつもりになっている心理が浮上しています。

2020_50s女性_わたしが働く理由.pngなお、50代女性にとってのリフォームは、50代男性が連想していた“シアタールーム”のような具体性はなく、多様な趣味を楽しむ中のひとつにリフォームが存在していると読め、ここでも50代男女の温度差が透けてみえてきています。

エピローグ

50代女性が『2020年、日々の生活に楽しみにしているコト』のデ・サインストーリー5つをまとめますと、~自分の健康も家族の健康も気にしながら、友人と多種多様な過ごし方を楽しもうとしている。楽しみの真ん中には「食べること」と「しゃべること」、とにかく食べてしゃべって、口を動かす。夫と過ごす時間への連想は、友人との時間の連想ボリュームにかなり押され気味であり、同世代の男女では、楽しむシーンの同伴者連想にすれ違いがある。50代女性は、たくさんの趣味を楽しむためにも、また、“まるで趣味のように”明るく楽しい仕事をしたいと考えている。~

以上、2020年、友達とおしゃべりを通じて情報交換をしながら、自分たちの世界を広げようと積極的に生きていこうとしている気持ちが浮かび上がってきました。(50代組の夫婦では、楽しく過ごすシーンへの期待が男女でアンマッチ感が表れていたため、子育て卒業世代の夫婦向けの新しいサービス提案や機会に余白があると願いたい。)

次回は、2020年をテーマに、改めて注目キーワードをピックアップしながら、これまでの4回のデ・サインストーリーを振り返りたいと思います。お楽しみに!

著者プロフィール

鮎澤留美子
鮎澤 留美子(あゆさわ るみこ)
飲料メーカー、航空会社、広告代理店グループ調査会社を経て、インテージ入社。生活者リサーチ全般、ワークショップデザイン、ビジネスエスノグラフィの知見を活かし、ファクトベースでアイデア発掘、新価値創造、コンセプトメイキングまでをリサーチデータと行き来しながら導出する『デ・サインリサーチ』を開発、推進を担当。自称、歴女(戦国時代の研究から進展しない笑)。
著者の記事一覧はこちら

※分析手法、解釈の仕方はこちらの動画でご覧ください。

今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。
調査地域:日本全国
対象者条件:50~59歳女性
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=555
調査実施時期: 2017年8月21日(月)~2017年8月24日(木)

分析手法:PAC-i

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