浸透が進むフリマサービス 生活者の利用実態から見えたEC、オークションサービスとの違いは?

これまで、デジタル上の商取引は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング等のB to C向けの「ECサービス」、Yahoo!オークション等の主にC to C向けの「オークションサービス」が中心でしたが、近年はC to Cに特化する「フリマサービス」が台頭し、業界・市場での注目も年々高まっています。
少し前まではテレビ CMで目に触れることが多かったフリマサービスの広告ですが、最近では動画サイトでも頻繁に目にするようになり、幅広い層に認知が広がっていることが想定されます。では実際には「誰が」「どのように」フリマサービスを利用しているのでしょうか。フリマサービスの利用実態とその利用者像をデータで捉えました。

【目次】

フリマサービスのメインユーザーは若年層

フリマサービスとは、個人間電子商取引のサービスで、Face to Faceのフリーマーケットと同じく、出品者が自由に価格を設定し、様々なモノを販売・購入する事が出来るサービスです。フリマサービスが着目されたのは、2013年からと云われ、若年層の間で急速に浸透してきました。

ではいま、フリマサービスを利用している人はどのくらいいるのでしょうか。インターネット人口を母集団とする、「デジタル統合視聴率 ※1」のデータを見てみましょう。
同じフリマサービスでも、パソコンから利用する人や、スマートフォンから利用する人、複数のデバイスを横断して利用する人と様々です。これまで存在したデータの多くでは、パソコン、スマートフォン等のそれぞれのデバイスからの利用率しか確認することができませんでしたが、「デジタル統合視聴率」はデバイスを横断した“デジタル全体”での利用率も、各デバイスからの利用率のいずれも精緻に計測することができるデータとなっています。

フリマを代表して業界No.1のフリマサービスA(以下、「フリマ A」)の利用率※を、それぞれ業界No.1のECサービスB(以下、「EC B」)、オークションサービスC(以下、「オークション C」)と比較してみました(図表1)。フリマAはフリマサービスユーザーの8割近くに利用されているサービスで、EC Bとオークション Cはまさに各業界を代表するサービスのため、これらの比較によって業界の特徴が明らかにできます。
※購入有無によらず、Webブラウザ・アプリを通しての接触経験を「利用」と定義しています。

図表1

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デバイスを横断した“デジタル全体”における「フリマ A」の利用率は、20.9%という結果でした。「オークション C」の33.1%には及びませんが、一方で、デバイス別に見たスマートフォンからの利用率では、「フリマ A」が17.7%と「オークション C」とほぼ変わらない水準となっていました。
図表2は “デジタル全体”における各サービスの性年代別利用率です。「フリマ A」は年代が若いほど利用率が高く、男性10代や女性10-30代では「オークション C」よりも多くの人に利用されていました。
これらのデータから、フリマサービスが他の電子商取引サービスと比べて、「若年層に」、「スマートフォンで」利用されていることがわかります。

図表2

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フリマサービス利用者は「ネットで買うならフリマサービス」という文化で、ECサービス、オークションサービスといった既存の電子商取引サービスは使わないのでしょうか。「フリマ A」利用者の他サービスの併用状況を確認したところ、図表3の通り「フリマ A」のみの利用者は全体の10%程にとどまりました。ほとんどの人が「EC B」、「オークション C」と使い分けているようです。

図表3

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ECやオークションとは異なるフリマの利用目的

フリマサービス利用者の多くが併用しているそれぞれのサービスは、どのように使い分けられているのでしょうか。「フリマ A」・「EC B」・「オークション C」で購入した商品と、1回あたりの購入金額を比較して、それぞれの特徴を見てみましょう。
図表4の通り、「フリマ A」での購入商品のうち、最も多いのは「レディースファッション」となり、「本・雑誌・コミック」、「化粧品・香水」、「キッズ・ベビー・マタニティ用品」、「メンズファッション」と続きます。「フリマ A」はファッションアイテムの売買が中心のようです。また、「EC B」、「オークション C」と比べて購入率の高い特徴的な商品は、「レディースファッション」、「化粧品・香水」等のファッションアイテムと、「キッズ・ベビー・マタニティ用品」でした。

図表4

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1回あたりの購入金額にも「EC B」、「オークション C」と異なる傾向が見られました(図表5)。1万円未満の少額決済が全体の80%強を占めるなど、他のサービスよりも1回の購入金額が少なくなっています。

図表5

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ネットでのまとめ買いの対象となる本・CDなどのソフト類や、信頼できる所から新品を買いたいパソコンや家電といった耐久消費財が特徴的に買われている「EC B」、車用品・バイク用品が特徴的に買われている「オークション C」は高額な買い物が行われやすいのに対し、使わなくなったファッションアイテムなどを売りに出す「フリーマーケット」の発想が起点である「フリマ A」は比較的少額のやり取りとなるようです。

フリマサービス利用者像から見えるフリマならではの特徴とは?

ここまで、フリマサービスの利用状況をみてきました。このフリマサービス利用者はいったいどのような人なのでしょうか。生活者360°Viewerの『消費に関する意識・行動』のデータを用いてその特徴を見てみましょう。
フリマサービスならではの利用者像を捉えるため、次の2つの比較を通して、ECサービス利用者との違い、オークションサービス利用者との違いを抽出してみました。(図表6-1,2)

  1. ECサービス利用者との違い:「フリマ A」は利用するが「EC B」は利用しない人 vs 「EC B」は利用するが「フリマ A」は利用しない人
  2. オークションサービス利用者との違い:「フリマ A」は利用するが「オークション C」は利用しない人 vs 「オークション C」は利用するが「フリマ A」は利用しない人

図表6-1

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図表6-2

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従来サービスとの違いとして、共通して抽出されたのが、

  • 「最新技術」・「ワクワクする新機能」といった新しいものへの興味・関心が高い。
  • 「モノをシェアして利用すること」に抵抗が少ない。
  • モノを利用して、「手間・時間を省いて生活を効率的にする」意識が強い。
  • デザインの良い商品・サービスを選ぶ事への意識が強い。

という消費意識と、

  • クーポンを入手し、お店や飲食店で買い物をした。
  • お店での買い物中に、スマートフォンで情報(クチコミ・評価、商品情報、他での価格、レシピ等)を調べた。
  • 購入した商品やサービスを写真にとって、ウェブサイト・SNSにのせた。

という消費行動でした。

新しい技術・機能の活用に積極的で、賢く情報を収集・活用・発信しながら消費活動をしているフリマサービス利用者の実像が浮かび上がってきます。また、シェアリングへの抵抗がなく、手間・時間を省く効率化志向が高いが故に、即決できるフリマサービスを利用している姿もうかがえます。


今回の分析からは、フリマサービスは、”手軽” に ”身近なアイテム” を売買出来る、双方向型電子商取引サービスとして若年層、特に10代男性や10-30代女性でよく利用されていること、フリマサービス利用にはスマートフォンが浸透、商品によって他の電子商取引サービスと使い分けしていることが明らかになりました。
また、比較的モノをシェアする事に抵抗が無く、情報の発信も積極的であるというフリマ利用者ならではの特徴を示すデータからは、彼・彼女らが「モノ」・「情報」を問わず他者と共有する意識を持ち、デジタルを積極的に活用して、価格や手間等の点でより良い消費の体験を求める消費者であることが言えます。

今後も拡大が進むデジタルの商取引。次々と新しいサービスが生まれる中、生活者がどのようなデバイスからどのようなサービスをどう利用するかは刻々と移り変わっていくでしょう。このため、定点的な意識調査や「デジタル統合視聴率」の様なデジタル市場全体を俯瞰出来る実行動データを活用して意識と行動の両面を捉え、仮説・検証を繰り返してマーケティング活動をアップデートし続けることが必要になってきます。

デジタル統合視聴率(ベータ版)


今回の分析にはデジタル統合視聴率とSCI、i-SSP® Media Profiler、生活者360° Viewerを用いました。

【※1 デジタル統合視聴率
デジタルメディアの市場分析、デジタルメディア間の比較分析等にご利用いただける、ASPで閲覧可能なサービスです。i-SSPのPC、Mobileのデータを基に、デジタルメディアの利用ログをデータベース化し指標化しています。2019年2月リリース。サンプルサイズは約1万2000です。

【※2 i-SSP Media Profiler】
オフラインメディアを含めたターゲットのメディア接触情報等を把握し、プランニングなどに活用できるサービスです。

ライフスタイル、オフラインメディア利用、メディア利用意識等をデータベース化したものです。毎年6月に実施しており、サンプルサイズ は約2万です。

【※3 生活者360° Viewer
多面的で精緻なターゲット像を描き出すことにより、生活者理解に基づいた商品・サービス開発やコミュニケーション・プランニングを支援する分析サービスです。インテージの持つさまざまなパネルデータを横断・連携した15,000項目におよぶ膨大なデータから、各お客様企業のマーケティング課題に応じて柔軟にターゲット・セグメントを設定することが可能です。

※さまざまなパネルデータを横断・連携するという性質上、出力結果のサンプルサイズはデータによって異なります。

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