東京モーターショー来場者が立ち寄った場所は?位置情報データから見えた来場者の特徴

JAMA(一般社団法人 日本自動車工業会)によると、第45回東京モーターショー2017の来場数は771,200人。最初の土日に台風による交通機関の乱れも発生し、前回(2015年 第44回ショー:812,500人)からは減少したものの、1日に最大112,000人が来場した、国内最大規模のイベントです。

これだけ多くの人たちは、一体どこから来場してきたのでしょうか。また、今回の東京モーターショーでは電気自動車(EV)や車両の電動化に関連する展示が目立ちましたが、このようなイベントに来場する人たちにとってEVはどう感じられているのでしょうか。
株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「di-PiNK®」の位置情報データとインテージが保有するCar-kit(自動車パネル)のデータを使用して調べてみました。

【目次】

 

東京モーターショーの来場者はどこから?

開催会場エリアに一般公開日である10月28日~11月5日の9日間に訪れた人を『来場者』とし、国際展示場(東京ビックサイト)が含まれるエリア(図表1)を対象にデータを集計しました。

図表1 対象エリア

motorshow1.png

集計対象者:開催会場である国際展示場(東京ビックサイト)周辺エリア滞在者
※2日間以上の滞在者は除外
集計方法:図表1エリア図の青枠内に滞在していた人口を推計

来場者の居住エリアを集計した結果が図表2です。一都三県からの来場者が66%という結果でした。一都三県以外の地域では、開催地から遠い地域ほど来場者が少なくなっていくものの、合計すると34%に達しており、広域から集客していることがわかります。

図表2

motorshow2.png 

では、一都三県以外の遠方からの来場者は、東京モーターショーだけを目的に来ているのでしょうか。
東京モーターショーを訪れた前後1週間以内に首都圏周辺で他にどこに行ったのか、をランキングした結果が図表3です。

図表3

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トップ10をみると、ターミナル駅を抱えるエリアを抑え、テーマパークやホテルを抱える東京ディズニーリゾートのある舞浜がトップになっています。この結果からは東京モーターショーと東京ディズニーリゾートには双方の集客に相乗効果があった可能性が考えられます。

Key Point1

東京モーターショーは一都三県以外の地域からの来場者も34%と、広域から集客。
一都三県以外の地域からの来場者が東京モーターショーに来場した前後1週間に訪れた場所は東京ディズニーリゾートがある舞浜が多く、集客の相乗効果があった可能性が考えられる。

東京モーターショー来場者の電気自動車(EV)への関心は高い?

今回の東京モーターショーでは電気自動車(EV)や車両の電動化に関連する展示が目立ちました。これらに関心の高い人たちが東京モーターショーに来場しているのでしょうか。
位置情報データから得られる来場情報を、インテージが保有している、生活者の車に関する意識・実態データベース「Car-kit」の情報と組み合わせることで、来場者の意識を捉えてみました。
図表4は、自動車を買うとしたらどのエンジンタイプがよいか、来場者と非来場者のエンジンタイプ別の購入意向率を比較したデータです。

図表4

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来場者は非来場者よりガソリン車やディーゼル車などの購入意向率が高く、EV車の購入意向率は非来場者と比べて特に違いが見られませんでした。EVへの関心は特に高くはないということでしょうか。
そこで、「次に自動車を買うとしたらいつ頃を想定しているか」、という『購入意向時期別』のEV購入意向率を、東京モーターショー来場者と非来場者で比べてみました(図表5)。

図表5

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図表5の結果をみると、来場者、非来場者共に全体的に購入時期が先であるほどEV購入意向率が高くなる傾向にあります。また、来場者においては「購入時期が5年以上先」という人のEV購入意向率が非来場者を有意に上回りました。EVはまだ現実的な選択肢としてあがりにくいながらも、来場者は「いずれはEVを購入したい」という気持ちが比較的強い様子がうかがえます。

さらに、来場者のうち「購入時期が5年以上先」という人に絞って、来場前後の意向の変化をみてみました。

図表6 

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図表6の結果から、ディーゼルに次いでEVや燃料電池自動車への意向が来場前をわずかに上回っていることがわかります。東京モーターショーを通じて刺激を受けた人もいるのではないでしょうか。

Key Point2

東京モーターショー来場者の直近の電気自動車(EV)の購入意向は特に高いわけではないが、「いずれはEVを買いたい」という意識は比較的強い。

このように「人の動き」に着目すると、遠方からの東京モーターショー来場者が東京ディズニーリゾートのある舞浜にも訪れていたように、同時に「別の何か」が発生しているという面白い関係性がみえてくるかもしれません。また、東京モーターショー来場者の自動車購入意向といった、「人の動き」に「人の意識」を紐づけてみることで、施策の検証や次の打ち手に向けた新たな仮説を立てることもできそうです。


今回の分析は、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「di-PiNK®」が保有するドコモの基地局位置情報と、インテージが保有するCar-kit(自動車パネル)のデータを用いをもとに行いました。

【di-PiNK(ディーアイピンク)】

ドコモの位置情報やサービス利用情報、アンケート回答データ、インテージが保有する生活者購買データ、TV・新聞も含めたメディア接触データ、提携先から提供される3rd Partyデータ等、Webとリアルのデータを統合したDMPです。di-PiNKを活用すると、ユーザーニーズや顧客像を知る手がかりを得て、生活者のインサイト(新たな発見)を可視化することができます。また、これを基に生活者へのコミュニケーションを高度化することにより、既存ユーザーや見込み顧客に対してシームレスにコミュニケーションを図ることができるようになります。

 ※「di-PiNK」は株式会社ドコモ・インサイトマーケティングの登録商標です。

【Car-kit(自動車パネル)】

株式会社インテージが毎月約60万人から前月の自動車情報を取得しているシンジケートデータです。
現有車や次期意向などを聴取する市場動向把握調査と、契約者に対して購入理由や購入時の重視点などを聴取する契約者調査の2部構成で実施しております。

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