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「暖冬」の恩恵を受けたのは、ビール、止渇系飲料、殺虫剤、アイスクリーム、日焼け止め~「暖冬」による消費の変化をカテゴリーごとに詳細分析~
PICK UP
  • 飲料で“暖冬効果(恩恵)”を受けたのは「100%ジュース」「麦茶」
  • アルコールでは、ビール系飲料に“暖冬効果”
  • 家庭用医薬品では、“花粉症関連”が大きく伸びる
  • 日用雑貨では、“発汗関連”が堅調
  • 殺虫剤・カビ防止剤・ラッピングフィルムも伸びる
  • 食品では、アイスクリーム、そうめん・冷や麦、冷うどん・冷そば・冷しゃぶが恩恵
  • 隠れた“暖冬ヒット”は、マヨネーズ・ドレッシング
マーケティングリサーチ最大手の株式会社インテージは、同社のパネル調査サービス(SRI(*)・キッチンダイアリー(**))のデータをもとに、「飲料」「アルコール」「医薬品」「雑貨」「食品」「化粧品」のカテゴリーについて、暖冬による消費の特徴・変化を詳細に分析した。
気象庁データによると、この冬(2006年12月~2007年2月)の平均気温はほぼ全国的に平年を1.5度以上上回った。また、同時期の降水量は、関東を始めとした東日本で平年比150%超という地域が多く見られた。気温が1度違うと消費量を大きく左右する商品もあると言われるが、実態はどうだったか。各商品のブームやメーカー各社の販促などによる“カテゴリーの勢い”も加味しつつ、暖冬によって伸びたあの商品を探った。

分析:株式会社インテージ パネルリサーチ部
飲料:小島 剛
アルコール:溝口 隆之
家庭用医薬品・医薬部外品:林 芳行
日用雑貨/化粧品:茜ヶ久保 佳子
食品:住 幸
監修:榎本 哲也
(*)SRI(全国小売店パネル調査)
GMS、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター等、国内の主要な小売店の業態を網羅する約5,000店舗を対象としたパネル調査(同一対象を継続的に追跡し時系列を把握する調査)。POSデータなど小売店頭での販売動向に関するデイリーのデータを収集・分析し、「どの商品が、いつ、どこで、どのような店舗で、いくつ、いくらで、販売されたのか」というマーケティング戦略に不可欠な情報を提供するサービス。食品・日用雑貨品など大手消費財メーカーのほとんどに提供されている。SRIの中で、医薬品カテゴリーは、特に「SDI」と称している。

(**)キッチンダイアリー
京浜地区(東京・神奈川・埼玉・千葉)240世帯の20~59歳の家事担当者を対象に、Webによる自記入方式で家庭でのメニュー情報を継続的に収集する調査。メニュー・材料・調味料の出現率、生鮮品購買率など集計分析し、顧客企業に報告している。
調査結果

調査結果の詳細

インテージSRI「飲料」「アルコール」「家庭用医薬品・医薬部外品(SDI)」「日用雑貨」「食品」「化粧品」の各カテゴリーおよびキッチンダイアリーについて、2005年12月~2006年2月と2006年12月~2007年2月の2期間で、販売金額の比較を行った。

1.飲料
飲料のカテゴリーは、もともと気温の影響を受けやすく、今冬の暖冬を受けて清涼飲料は、総体的に売上を伸ばしている。ただし、この業界は競争も激しく、相次ぐ新製品の投入・活発な販売促進などにより、気候と関係なく好調を続けているカテゴリーも少なくない(ミネラルウォーター・野菜ジュース・紅茶ドリンクなど)。
そういった要因を勘案した上で、“暖冬の影響で販売金額が伸びた”と思われるものとしては、「液体茶」(前年比+7.1%)、「スポーツドリンク」(同+6.7%)などの止渇系清涼飲料や「100%ジュース」(同+5.3%)、「麦茶(液体を除く)」(同+4.4%)が挙げられる。

2.アルコール
ビール系飲料では、ビール、第3のビールが伸びており、発泡酒もほぼ前年並みで推移している。ビール系飲料ではダウントレンドが続いていたが、各社この時期に新商品を相次いで投入したことに加え、暖冬の後押しもあったと推定される。
また、ワインが若干伸びているが、容量ベースで見るとほぼ前年並みとなっており、ユーロ高による価格の上昇が影響してきているものと思われる。
焼酎、低アルコール類(チューハイなど)は、ほぼ前年並みで推移している。

3.家庭用医薬品・医薬部外品
暖冬の直接の影響というより、暖冬によって花粉の飛来が早まった、あるいは花粉の量が昨年に比べて増えたということが影響してか、1~2月の「鼻炎治療剤」「アレルギー用薬」が前年比大きく伸長している。また、洗眼用・アレルギー用を中心に、目薬も好調となっている。

4.日用雑貨
「暖冬」は「発汗」を促した。特に制汗剤は、前年比1割以上の伸びとなり、石鹸・シャンプー・ヘアリンス、さらに洗濯用洗剤等も前年比を上回った。
また、暖冬は住居内の動植物の活動も促進したようで、殺虫剤・カビ防止剤もこの時期としては異例の売れ行きを見せた。
さらに、ラッピングフィルムが好調であった。季節的には、夏の行楽シーズンに販売が増えるが、その連想で言えば、暖冬で外出機会が増えたからといえるかもしれない。

5.食品
飲料同様、毎日の消費材である食品も温度変化を受けやすいと言われる。
伸びたメニュー(注)を見ると、そうめん・冷や麦、冷うどん・冷そば・冷しゃぶなど、暖冬の影響がわかりやすい献立が並ぶ。
品目では、アイスクリーム、(そうめん・冷や麦などの)乾麺のほか、暖冬および良好な気候によって前年は高値で推移した葉物野菜の価格が安定したことから、シチューや鍋料理の代替としてサラダが食卓に登場する機会が増え、ドレッシング・マヨネーズが好調な売れ行きとなった。

(注)メニューは、インテージ「キッチンダイアリー」データに基づく。

6.化粧品
インテージSRIによれば、「日焼け用・日焼け止め」が大きく販売を伸ばしている。気象庁データによれば、全国の日照時間は、日本海側でこそ平年比20~30%以上となったものの、関東を始めとした太平洋側では前年並みのところが多かった。気温が高かったことで、外出機会が増えたことや、顔や手など素肌の露出が多かったことを示唆しているようだ。

【暖冬効果で売上が伸びたと思われるカテゴリー】

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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