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2023/12/25調査レポート

インテージ 年末年始に関する意識と行動を調査
年末年始の予算(国内)は前年比128%と大幅増

国内外の旅行は増えず、帰省の戻りと物価高が予算が増えた要因か

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、年末年始を前に全国の15歳から79歳の男女(5,000人)を対象に実施した調査結果を公開します。

[ポイント]

  • 年末年始の帰省や国内旅行などの平均予算は45,235円。前年比128%と大幅増

  • 年末年始の予定は「実家への帰省」が18.5%で最も高く、昨年+2.5ポイント。「海外旅行」は昨年同様少ない

  • 「実家への帰省」は20代以上男性と40代・50代女性で増加。コロナで帰省を控えていた層が戻ったか

  • 予算は増えるものの物価高の影響あり
    物価高に対しては食事・食材や暖房など日常の暮らしのみならず年末年始のイベントにおいても節約

2023年5月に新型コロナの感染症法上の分類がインフルエンザと同等の「第5類」へ移行となり、生活者の新型コロナへの意識や行動も大きく変化してきました。そうした変化後、はじめての新年(2024年)を迎えることになりますが、コロナ禍明けの年末年始をどのように過ごすのかについて調査をしました。
はじめに年末年始の国内旅行や実家への帰省に使う予定のお金について見ていきましょう。
全体では45,235円と昨年を9,835円上回り、前年比で127.8%と予算は大幅に増加していました。また、一昨年に比べると153.7%となっています。男女別でみると、男性は47,625円と昨年より15,023円も増加して、前年比146.1%と1.5倍近い伸びとなりました(図1)。

図1

年末年始の帰省や国内旅行などの予算のイメージ図

予定について尋ねたところ、「旅行や帰省の予定はない」が56.2%と昨年を6.5ポイント下回り、何らかの予定がある人がやや増えています。昨年に比べて増えているものは、「実家への帰省」。今年18.5%で昨年を2.5ポイント上回りました。一方、「国内旅行(日帰り)」「国内旅行(1泊以上)」は横ばい、「海外旅行」を予定している人も昨年同様少なくなっています。
新型コロナの「第5類」への移行や周囲におけるインバウンド(海外からの渡航者)の回復などを理由に、海外への旅行も回復に向かうことを想像しましたが、物価高や円安などを背景に海外旅行への意欲はまだまだ回復していないようです(図2)。

図2

年末年始の帰省や旅行の予定
のイメージ図

「実家への帰省」について、性年代ごとに詳しく見ると、とくに男性20~50代、女性40~50代で昨年に比べて増加していました。
これまでは、新型コロナの感染拡大を心配して、実家への帰省を控えていた方も多かったようです。40~50代の親は高齢と思われ、昨年までは親の新型コロナへの感染を慮っての自制が高かったのではと想像されます。今年、新型コロナが「第5類」へ移行となり、昨年まで自制していた方も帰省できる状況になったということなのかもしれません(図3)。

図3

年末年始の帰省や旅行の予定 実家への帰省のイメージ図

クリスマスや年末年始のイベントにかける予算を考える際、昨年から続く物価高や円安の影響をどのくらい受けるかについても質問しました。
「影響を受ける(「かなり影響する」+「やや影響する」)」との回答が最も多かったものは、「日常の料理や食材の費用(62.7%)」で、「暖房をつける時間や設定温度(53.7%)」、「クリスマスの予定全般(52.5%)」、「おせち料理の注文や年末年始の食材の費用(51.3%)」、「クリスマスの自宅でのパーティーや食事(45.6%)」が続きました。食費を削ろうとする動きはイベントでも日常でも見られました(図4)。
 年末年始の予算は増えるものの、物価高や円安の影響は無視できません。「年末年始の国内旅行・実家への帰省の予定」に4割が「影響する」と回答しています。
 また、日常の暮らしにおける節約意識の高さが伺える結果となりました。「日常の料理や食材の費用」について、7割の女性が「影響を受ける」と答えました(男性は54.7%)。また、「暖房をつける時間や設定温度」については約6割の女性が「影響を受ける」と答えました(男性は47.9%)。いずれも女性が男性に比べて「影響を受ける」と考えています(図5)。
「日常の料理や食材の費用」は全体でも6割を超える人が「影響を受ける」と答えています。物価高の影響が身近な日常に及んでいると言えます。

図4

物価高や円安はどの程度影響(予算を減らしたり行動を控えたり)するかのイメージ図

図5

物価高や円安はどの程度影響(予算を減らしたり行動を控えたり)するか 日常の料理や食材の費用 暖房をつける時間や設定温度のイメージ図

生活者研究センター センター長 田中 宏昌 コメント

コロナ禍明け、とも映る今回の年末年始。実家への帰省や国内旅行といった人の動きは着実に回復に向かっているようです。予算も増えたようですが「物価高」を考慮すると、「押し上げられた」要素も大きいのでは。とはいえ、「久しぶりに心からのんびりと実家や旅先で楽しく美味しいものを」というポジティブな要素もあると信じたいですね。賢堅消費(賢く堅実な消費)になぞらえるなら、年末年始は「多少はお金を使ってでも楽しみたい」という機会のはずです。


使用したデータ
インテージのネットリサーチによる自主調査データ
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=5000 ※国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
調査実施時期:2023年11月24日(金)~11月27日(月)


株式会社インテージ

株式会社インテージは1960年に創業。世界9か国に拠点を持ちマーケティングリサーチ/インサイト事業でアジアNo.1*のインテージグループを牽引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。
「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2023」に基づく(グループ連結売上高ベース)

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下河原(しもがわら)/森(もり)
TEL
03-5294-6000