「北海道ふっこう割」は終わっても、引き続き必要な「旅して応援」札幌のイベントの魅力を探る

「平成30年北海道胆振東部地震」で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

2018年9月6日の未明に起きた「平成30年北海道胆振東部地震」。北海道で初めて震度7が観測されたこの地震では、大規模な土砂崩れが発生し、多くの犠牲者を出しました。また、「ブラックアウト現象」発生で北海道のほぼ全域で停電が起き、影響が広範囲に及んだことも多くの人の印象に残っているのではないでしょうか。その後宿泊キャンセルも相次ぎ、9月15日の段階で影響額は292億円という推計が北海道庁から出されるなど、観光業への打撃は大きなものとなりました。

この震災後ほどなくして、「北海道ふっこう割」という制度がスタートしました。
北海道観光への風評被害を払しょくし、観光需要を早期に回復するために、国や北海道、民間事業者が連携して北海道内の旅行商品や宿泊料金を割引する制度です。対象となる旅行商品を予約する、もしくは対象となる宿泊施設を予約することで割引を受けられるようになっており、その数には上限がありますが、30年10月から31年3月にかけて複数回にわたって新たな枠が設けられ、販売されました。

インテージの札幌事業所では、31年3月31日に終了したこの「北海道ふっこう割」の効果について調査しました。また、ふっこう割の制度が終わっても震災の影響は少なからず続くと考えられ、道内外に対する観光資源のアピールは欠かせません。そこで、札幌の観光資源である「札幌大通公園で行われる大型イベント」の魅力についても調査してみました。

【目次】

「北海道ふっこう割」の利用はどのくらい?

そもそも、「震災があったために北海道内の観光旅行の予定を中止した」という人はどのくらいいるのでしょうか。図表1は全国の20~69歳の男女に調査した、12月13~14日時点での道民、道外それぞれの人の回答結果です。道内への観光・イベント参加を地震の影響で中止した人は、道民の3.4%、道外の人の2.2%でした。

図表1

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地震の影響ではじめから北海道を旅行先の候補に入れなかった人もいることを考えると、影響はこの数値よりも大きいと想定されます。

つぎに「北海道ふっこう割」は道内外でどれだけ認知されていたのかを聞いてみました(図表2)。道民は72.3%が認知していましたが、道外の人の認知は27.6%にとどまりました。

図表2

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また、道外で「北海道ふっこう割」を認知していた人のうち、利用したいと答えた人は63.6%に上り、実際に利用した人は5.8%でした(図表3)。多くの人にとって距離的に気軽に行ける場所ではないということを考えると、少なくない人が利用したと言えそうです。

図表3

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「制度は知っていたのに利用しなかった」人に対してその理由を聞いたところ、「詳細がわからない」「利用方法がわからない」といった情報発信に関する課題や、「募集が終わっていた」「枠がいっぱいで利用できなかった」といった販売枠の設定に対する課題があがってきました。復興支援という意識で利用する制度のため、これらの課題に不満を持って旅行の計画を取りやめる、ということは必ずしもないと考えられますが、前述の道外での認知の問題と合わせ、情報発信に関する課題の解消が重要だったと言えそうです。

札幌大通り公園のイベント 道内外でどの程度浸透している?

「北海道ふっこう割」の制度終了後も、るるぶトラベルなど一部のサービスでは継続して同様のクーポンを発行し、北海道を応援しています。暖かくなり、観光シーズンを迎えるこの機に北海道へ、という人も多いのではないでしょうか。実際、前述の「制度は知っていたのに利用しなかった」理由として、「時期が合わない」「寒さが厳しい」という回答も多く見られました。

各所で様々なイベントも行われています。札幌の大通り公園でも一年を通して大型イベントが行われます。このうち、「さっぽろライラックまつり(5月~6月)」「さっぽろ夏まつり(ビアガーデン・盆踊り)(7月~8月)」「さっぽろオータムフェスト(9月)」「ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo(11月~12月)」「さっぽろ雪まつり(1月~2月)」の5つのイベントについて道内外での評価から、その魅力を探ってみましょう。

図表4は各イベントの概要です。雪まつりだけでなく、夏まつり、ライラックまつりは60年以上と歴史のあるイベントになっています。

図表4

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まずはそれぞれのイベントの道民の認知実態と参加状況を見てみましょう(図表5)。

図表5

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道民においては、ほとんどのイベントが認知率90%以上と、広く浸透していることがわかります。参加経験についても、道民の66%と3人に2人が参加している「さっぽろ雪まつり」を筆頭に、「夏まつり」や「オータムフェスト」は約40%、最も少ない「ライラックまつり」でも約20%と、それぞれ多くの人に参加経験があるようです。

道外の結果が図表6です。

図表6

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「さっぽろ雪まつり」は93%と他のイベントと比べて圧倒的に高い認知率となっていました。「さっぽろ夏まつり」「さっぽろライラックまつり」といった昔からのイベントは比較的名前が知られているようですが、それでも認知率は30%台と、雪まつりに大きく差をつけられています。比較的新しい「さっぽろオータムフェスト」「ミュンヘン・クリスマス市」に至っては認知率が13%という結果でした。
当然参加経験を比べると、「さっぽろ雪まつり」の14%に対し、認知率の低い他のイベントは2~3%と低くなっていました。道外の人にイベントに来てもらうためには、まずそれぞれのイベントを知ってもらうことからのようです。

札幌大通り公園のイベント 道内外からの評価ポイントは?

イベントについての情報発信では、どのような魅力が伝わればいいのでしょうか。道内・道外のイベント参加者に、満足した点を聞いてみました。
まずは道内外のイベント参加者の満足度を見てみましょう(図表7)。

図表7

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道民にとって、道内のイベントは日常の延長線にあるためでしょうか。おしなべて道外からの参加者の満足度の方が、道民よりも高いという結果が見られています。

そんな中、道内外共に高い満足度が見られたのが「さっぽろ夏まつり」と「さっぽろオータムフェスト」です。
これらのイベントの満足した点としては、道内外共に「地域の料理が食べられること」、「天候・気候のよさ」が上位でした(図表8)。

図表8

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全国的にフードイベントが定着してきたいま、気候のいい季節に、道民も認める「北海道のおいしいもの」を味わえるイベントは改めて魅力的に映るのではないでしょうか。図表6で見たとおり、さっぽろ夏まつりの道外での認知率は32%、さっぽろオータムフェストは13%とまだまだ知られていない状態。広く知られることでさらに多くの集客が期待されます。

「さっぽろライラックまつり」の満足度が高いポイントは「自然・緑の多さ」「天候・気候のよさ」、「ミュンヘン・クリスマス市」の満足度が高いポイントは「海外の料理が食べられること」「目新しさ」となっていました。
それぞれのイベントの特徴が評価されている様子が見てとれます。

異なる魅力が評価されている札幌の5つのイベント。それぞれの魅力が伝わることで、道内外からのリピート訪問のきっかけになるといいですね。


今回の分析は、自主企画のインターネット調査のデータをもとに行いました。
調査地域:北海道内/北海道外
対象者条件:(1) 道内20~69 歳の男女一般 (2) 道外20~69 歳の男女一般
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
*ウェイトバック:(1)道内対象者については、性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに、人口動態など加味した2018年度の構成比にあわせてウェイトバック
標本サイズ:(1)北海道民 n=529 (2)北海道外の人 n=546
調査実施時期: 2018 年12 月13日(木)~2018 年12月14 日(金)

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