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自分の睡眠に満足している人はどのくらい?多忙な世代の睡眠実態

人生の約3分の1の時間を占めると言われる睡眠。最近では、OTCやサプリメントをはじめ、枕や布団といった寝具、良い睡眠の環境を整えるためのアイマスクや加湿器など、様々なカテゴリにわたって睡眠の改善に関する商品が展開されており、生活者の関心の高さがうかがわれます。

実際、睡眠に満足している人はどのくらいいるのでしょうか?どのようなことが睡眠に対する不満を引き起こしうるのでしょうか。
インテージヘルスケアの実施している「生活健康基礎調査」から見えた、今の生活者の睡眠実態を紹介します。

睡眠に満足している人はどのくらい?年代で異なる満足度合い

図表1は16~79歳の男女2,618人に対し、最近一年間の自分の睡眠に関する満足度を5段階で聴取した結果です。

図表1

性年代別 睡眠に対する満足度

自分の睡眠に満足している人は37.0%、逆に不満に感じている人は24.8%という結果でした。4人に一人は少なからず不満に感じているというのが現状のようです。

年代別に見ると、30~40代の男性で睡眠に不満に感じている人が多いことがわかります。いずれも30%を超える人が不満を感じていると答えました。不満の背景は性別や年代によって違うはず。ここからは、30~40代の男性に注目して、睡眠実態を追ってみましょう。

睡眠満足度の低い30~40代男性 睡眠の理想と現実

図表2は、30~40代男性の理想の睡眠時間と、睡眠満足度別の睡眠時間を比べた結果です。

図表2

30~40代男性の理想の睡眠時間・睡眠満足度別の睡眠時間

まずは理想の睡眠時間を見てみましょう。75.1%と3/4の人が6~8時間を理想の睡眠時間と答えています。2014年に厚生労働省が出した睡眠の指針(※)」によると、「個人差はあるものの、必要な睡眠時間は6~8時間」となっていますので、この感覚は国の指針と一致しています。

では、現実を確認してみましょう。睡眠に満足していると答えた人の約7割が6時間以上の睡眠がとれているのに対し、不満と答えた人で6時間以上の睡眠がとれているのは約4割。睡眠に不満を抱えている人は、『睡眠の量』が明らかに少ないことがわかります。

それでは、睡眠に不満を感じている30~40代男性は、具体的にどのようなことで困っているのでしょうか。図表3は30~40代男性の睡眠の悩みを多い順に並べたものです。「寝ても疲れが取れない」「ぐっすりと寝た気がしない」「眠りが浅い」など、『睡眠の質』がよくない様子がうかがえます。

図表3

30~40代男性の睡眠に関する悩み

特に「寝ても疲れが取れない」は睡眠に不満のある人全体と比べても高く、この年代で特に大きな悩みとなっているようです。

睡眠への不満、どう対処する?睡眠に伴う悩みと行動

では、睡眠の「量」「質」ともに問題があり、睡眠に不満をおぼえている30~40代男性は、日ごろどのような症状を抱えているのでしょうか。
図表4は同じ30~40代男性で、睡眠に不満を持っている人と満足している人が感じている症状の割合を比較した結果です。

図表4

睡眠に不満のある30~40代男性特有の症状

睡眠に不満のある人の方が、「疲れやすい」、「ストレスを感じる」、「だるい・倦怠感」などの症状を感じている割合が明らかに高くなっており、日常生活のパフォーマンスにも支障が出ていることが容易に想像できます。

日常生活にも影響を与えてしまう睡眠の満足度。ふだんの生活からその要因をのぞいてみましょう。(図表5)

図表5

睡眠に不満のある30~40代男性特有の行動

仕事や勉強の忙しさに起因する不規則な生活のほかに、寝る前のスマホやゲームといった行動も、30~40代男性の睡眠の満足度に影響している様子がみられます。

では、彼らは睡眠の質を高めるために何らかの対策をとっているのでしょうか?対策について聞いたところ、睡眠に不満のある30~40代男性がとっている対策は主に寝具の見直しくらいで、半数以上の51%は特に何もしていませんでした。(図表6)

図表6

30~40代男性は、仕事でも役職を持ち始めたり、家庭でも育ち盛りの子供がいたりと、多忙な時期。そんな生活の中で、質・量ともに満足のいく睡眠がとれていない人が他の世代と比べて多くみられました。

不規則な生活が睡眠の質・量に影響を与えて慢性的な「疲れ」などの不調を引き起こすことで、仕事のパフォーマンス低下や、さらなる不規則な生活につながり、またさらに睡眠の質が下がるという悪循環に陥っている可能性も考えられます。

一方で、睡眠改善に関する商品・サービスが広く展開される中、睡眠に不満を持っていても何も対処していない人が多いというのが現状です。睡眠そのものの改善だけでなく、睡眠に関係する生活行動の改善や、睡眠に関わりのある症状の改善をサポートしてくれる商品・サービスが知られていくことで、対処する人が増え、睡眠の質を高めて健康な生活を送れるようになることが期待されます。


この記事は「生活健康基礎調査」のデータを基にしています。

生活健康基礎調査
1991年に調査を開始。生活者の健康状態・健康意識、市販薬の使用実態など、市販薬と生活者との関わりについての経年データを整備 しています。
調査対象は京浜地区、京阪神地区の16~79 歳の男女個人約 2,000 人。2018 年より 70 歳代の調査を追加しています。

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