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外出自粛要請下でのサービス利用 生活者が企業に求めることは?

新型コロナウイルスの感染拡大対策として、政府が緊急事態宣言を発令してから約1ヶ月。当初5月6日までの予定だった適用期間は全国で5月31日まで伸び、多くの企業で事業活動の継続のための取り組みが模索されています。

生活者はこの行動自粛要請下で店舗・施設やサービスを利用する中で、企業に対して何を求めているのでしょうか。
この記事では、行動自粛要請下での店舗・施設やサービスの「利用状況」や、生活者が「いま、求めていること」、生活者が考える「コロナ以前の利用状況に戻るきっかけ」などの調査結果から、企業が今後に向けて「いま、できること」について考察していきます。

調査は緊急事態宣言の対象地域が全国へ拡大となった4月16日から1週間後のタイミングに行いました。(実査期間4月24日~4月27日)

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緊急事態宣言下で利用が減ったサービス 感染拡大の影響が特に大きなエリアで見られた変化とは?

緊急事態宣言の発令を受け、生活者のサービスの利用や行動が実際にどの程度変化したのか店舗や施設、サービスごとに利用が減ったものについて聞いてみました(図表1)。

図表1

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最も利用が減ったものは「外食」で6割以上が回答しました。次いで、「ショッピングモール/ホームセンター」「国内旅行」「映画館」「理容店/美容院/ヘアサロン」が約4割、「鉄道」「百貨店」で約3割の回答がありました。
多くの人が集まる場所や人との距離が近くなるサービスなど、生活者の3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避ける意識がうかがえます。

行動の自粛は、そのエリアの感染状況の深刻度によっても変わってくると考えられます。そこで、感染拡大の規模が大きく、4/7に全国に先駆けて緊急事態宣言が適用された7都府県とそれ以外の対象外地域とで、行動変化の度合いを比較してみました(図表2)。

図表2

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「鉄道」「百貨店」「田舎への国内旅行」「テーマパーク・遊園地」で7都県とそれ以外の地域で1割以上の差がありました。7都府県において、『お出かけ』が特に控えられていることが分かります。

外出自粛で増えるおうち時間 特に利用が増えたサービスは?

外出自粛要請のなか、逆に利用が増えたサービスや行動は何でしょうか。図表3は新型コロナウィルス流行の影響で、利用が増えたサービスと行動を調査した結果です。

図表3

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利用が増えたと答えた人が最も多かったのはプライベートでの「動画閲覧」で7.9%でした。次いで、「テレビ視聴」「料理/お菓子づくり」「ネットショッピング」「家の掃除/メンテナンス」や仕事・学習での「動画閲覧」「WEB会議」が多く、それぞれ5%以上の人が、利用が増えたと回答しました。

プライベート面でも仕事・学習面でも、インターネットへの依存度が高まっているようです。
「料理/お菓子づくり」「家の掃除/メンテナンス」については、インテージの小売店パネルデータ(SRI®)の分析でも、調味料や住居用洗剤といった関連する日用消費財カテゴリーの販売増が確認されています。最近ではパンケーキミックス人気により店頭で品切れが起き、新たな転売対象になっているといった現象も話題になっていますが、実際に巣ごもり生活を少しでも有意義に快適に過ごしたいという人が増えていることが確認できます。

利用が増えたサービス・行動についても、緊急事態宣言が先行して適用された7都府県とそれ以外の地域を比較してみました(図表4)。

図表4

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「テレビ視聴」「料理/お菓子づくり」「家の掃除/メンテナンス」で7都府県が5ポイント以上高くなっていました。7都府県では前述の通り、それ以外の地域と比べて『お出かけ』を控える傾向が強く見られています。自宅でオフを過ごす時間が増えた分を、本来は家事である料理や掃除などに時間をかけて、“気晴らし“としている側面も想像されます 。

どんな対策が取られていたら安心?生活者がサービスに求めること

生活者がいま企業に求めることの一例として、旅行やレジャー施設などに求めることを聞いてみました(図表5)。

図表5

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「交通機関や各種施設の消毒」が最も求められており44%の回答がありました。次いで「新型コロナウイルスの感染防止のために取り組んでいる事を情報開示する」が37%、「交通機関で移動時の隣の人との間隔を空けた着席」が36%で続いています。企業がこれらの対策を取ったうえで、発信することが、生活者の安心につながりそうです。

長期化が予想される新型ウイルスとの闘い 以前のようにサービスを利用するようになるタイミングは?

それでは、どのような状況になったら生活者のサービス利用は戻ってくるのでしょうか。緊急事態宣言下で利用が減ったサービスについて、どのような状況になれば以前と同じように利用しようと思うかを聞いてみました。(図表6)

図表6

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「鉄道(近郊)」「外食」「コンビニエンスストア」「スーパー」「百貨店」「ショッピングモール/ホームセンター」「家電量販店」「公園/運動場」「スポーツジム」「理容室/美容院/ヘアサロン」については、3割以上が、『自粛要請が解除される頃』、もしくは『解除後ある程度経った頃』と回答しました。
ショッピングや外食など生活圏内におけるサービスには、利用者は比較的早く戻ってくると思われます。

一方、利用者が戻ってくるのに時間がかかりそうなサービスは何でしょうか。「タクシー」「高速バス(遠距離)」「国内旅行」「海外旅行」「劇場・ライブハウス」「テーマパーク/遊園地」「カラオケボックス」「ホテル・旅館」「スポーツ観戦施設」は、7割以上が『終息の見通しが立った頃』、もしくは『それよりも後』に利用が戻ると回答しました。長時間滞在するサービスや少し離れた街へのお出かけ、遠くへの旅行に対する生活者の警戒心や自制心は強く、自粛要請が解除されても影響は続きそうです。

今回ご紹介した調査結果は、外出自粛が全国に拡大してから1週間経った時点のものです。高い緊張状態にある生活者の警戒心の強さが、サービスの利用意向やサービスに対する要望に現れていると考えられます。
緊急事態宣言の適用期間が延長された一方で、地域間の感染状況の違いを受け、5月7日からは13の特定警戒都道府県を除いて自粛要請のレベルが緩和されました。また、地域の感染状況に応じて緊急事態宣言の前倒し解除もありうるという話も出てきています。
日々刻々と変わる状況の中、生活者のサービス利用に対する考え方や意識は今後どのように変化していくのでしょうか。知るGalleryでは、今起きている変化を引き続き追いかけます。

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今回の分析は、自主企画調査を用いて行いました。

【自主企画調査(ネットリサーチ)】

調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ:n=823
調査実施時期: 2020年4月24日(金)~27日(月)
調査項目:自粛要請中のサービス利用状況、流行以前の状態に戻るサービスとそのきっかけ、働き方・テレワーク実態、
自宅での過ごし方(ゲーム・動画など)、外出時の移動手段 など

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