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新型コロナウイルス流行によって、「ゲーム」の位置づけはどうなる?~スマホゲーマーの実態を紐解く~

新型コロナウイルスの流行に伴い、この数か月で生活様式は大きく変化しました。中でも在宅時間の増加は、生活者のエンタメ行動を変えています。
図表1は新型コロナウイルスの流行がきっかけで、利用し始めた・増えたものを聞いた結果です。

図表1covid19-dcgs-4_01.png

エンタメ関連では、テレビ/動画やサイト/インターネットなどの利用が伸びており、ゲームについても「スマホゲーム」の利用が増加している傾向が見られます。また、後述しますが、新型コロナウイルスの流行をきっかけにゲームを始めたという人もいるほどに、「スマホゲーム」を取り巻く実態は変わりつつあるようです。

今回の記事では、そんな「スマホゲーム」に着目してみました。新型コロナウイルス感染の流行、緊急事態宣言全面解除からひと月が経ち、生活者のゲームに対する意識はどのようになっているのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大がスマホゲームのプレイに与えた影響は?

2020年6月時点で、スマホゲームをプレイしているという人は全体の44.1%を占めました。このスマホゲームプレイヤーに、新型コロナウイルスの流行前後でプレイ時間が変わったかを聞いた内訳が図表2です。

図表2covid19-dcgs-4_02.png

新型コロナウイルスの流行をきっかけに「プレイし始めた人」は3.3%、「プレイ時間が増えた人」は21.1%と、4分の1近くのユーザーはスマホゲームのプレイが増えているという結果となりました。

では、どのようなタイプのスマホゲームのプレイが増えたのでしょうか。新型コロナウイルスの流行がきっかけでプレイし始めた、もしくはプレイが増えたゲームの、ジャンルやプレイスタイル、特徴などについて聞いてみました。(図表3)

図表3covid19-dcgs-4_03.png

新型コロナウイルス流行がきっかけで始めたものは
ゲームジャンル:空き時間で遊べる、時間つぶしになるゲーム
プレイスタイル:ソロプレイ
ゲームの特徴:わかりやすい・簡単なゲーム
が上位に挙がりました。
特に「プレイし始めた/プレイ時間が増えた」人は「プレイ時間が変わらない」という人に比べて、「わかりやすい・簡単なゲーム」の利用が増えています。「わかりやすい・簡単なゲーム」がスマホゲームを楽しむ敷居を下げ、ユーザーの活性化につながったと言えそうです。

今後どのようなスマホゲームをプレイしたい?プレイヤーがスマホゲームに求めるもの

次に、今後はどのようなスマホゲームをプレイしたいと考えているのかを聞いてみました。(図表4)

図表4covid19-dcgs-4_04.png

基本的に、「新型コロナウイルス流行がきっかけで始めた・プレイ時間が増えたゲーム」と「今後もプレイしたい・プレイ時間を増やしたいゲーム」の傾向は同じでしたが、スマホゲームを「プレイし始めた/プレイ時間が増えた人」は「プレイ時間が変わらない」という人に比べて、「キャラクターやアイテムの見た目・デザインを楽しめるゲーム」が上位に挙がっているのが特徴的です。

では、なぜこのような特徴のスマホゲームの利用が増えたり、今後プレイしたいと思われたりしているのでしょうか。
ゲーム(スマホゲームに限らず)をプレイすることでどのような気持ちになりたいと思っているのか、プレイヤーの心理を見ていきます。(図表5)

図表5covid19-dcgs-4_05.png

「プレイし始めた/プレイ時間が増えた人」は、「達成感を得たい」「ストレス解消をしたい」「リラックスしたい」という気持ちが、新型コロナウイルス流行後の「現在」で「流行前」よりも高まっていました。ウイルスに対する恐怖や不安、そして孤独感などの解消手段として、“分かりやすいゲーム”や“ソロプレイ用ゲーム”など自粛生活の中でも手が出しやすいゲームを選択していると考えられます。

なお、今後もプレイしたい・増やしたいもので挙がっていた「キャラクターやアイテムの見た目・デザインを楽しめるゲーム」についても、キャラクターやアイテムを収集による“達成感”や、見た目やデザインを楽しむことによる“気分転換”“リラックス”を求めているのではないでしょうか。

コロナをきっかけに増えたスマホゲームプレイヤーは定着するのか?

新たにスマホゲームをプレイし始めた/プレイする時間が増えた人は、今後定着するのでしょうか。
現在リリースされているスマホゲームに対して感じている不満を聞いてみました。(図表6)

図表6covid19-dcgs-4_06.png

総じて「プレイし始めた/プレイ時間が増えた人」は「プレイ時間が変わらない人」よりも不満に感じている項目が多く、中でも、「ゲームシステムが分かりにくい・難しい」ことが最も高いハードルとして感じられていました。一方、コロナ前後で「プレイ時間が変わらない人」では「途中で飽きてしまう」ことが最大の不満点でした。この層は自粛要請下にあってもゲーム時間が増えていないため、今後、自粛要請が緩和されてエンタメ利用の幅が広がるにつれ脱落していく可能性も考えらます。

withコロナの流れの中、シンプルで簡単に楽しめるゲームシステムで、 “気分転換” “達成感” “ストレス解消” “リラックス”が得られるようなゲームが今後投入されていくと、コロナをきっかけに広がったスマホゲームプレーヤーの定着やさらなる広がりにつながるのかもしれません。


今回の分析は、自主企画調査を用いて行いました。
本調査は4回目の調査であり、外出者も徐々に増えてきた緊急事態宣言全面解除からおよそ1か月後のタイミングに実施しました。(実査期間6月26日~6月29日)

【インテージ自主企画調査】

調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ: n=794
調査実施時期: 2020年6月26日(金)~6月29日(月)
調査項目:自粛要請中のサービス利用状況、流行以前の状態に戻るサービスとその具体的な時期、働き方・テレワーク実態、自宅での過ごし方(ゲーム・動画など)、外出時の移動手段 など

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