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花火大会は何時間前から混む?人流データで見る足立の花火大会

2023年、足立の花火大会はコロナ以降4年ぶりの開催となり多くの来場者で賑わった一方、2024年は雷雨、2025年は強風の影響により2年連続で中止となりました。そして2026年は天候にも恵まれ、3年ぶりに開催されました。花火大会は毎年多くの来場者を集める地域最大級のイベントでもあります。開催日には普段とは異なる人の動きが見られますが、人々はいつ頃から集まり始め、どこから訪れているのでしょうか。

この記事では、モバイル空間統計を用いて、足立の花火大会開催時の人流変化や来訪者の特徴を分析します。通常時との人流の違いや、2023年から2026年にかけての人流の変化にも着目しながら、足立の花火大会がもたらす人の動きを見ていきます。

はじめに:分析データについて

この記事では、足立の花火大会会場周辺(北千住駅周辺)について国土数値情報を参照しながら500mメッシュ単位でテーブル化し、モバイル空間統計(リアルタイム版)から日別・時間帯別の“エリア滞在者数”を合算するかたちで分析を実施しました。したがって、該当エリアの来訪者だけでなく、居住者・勤務者も含んだ数字となります。

分析期間は、花火大会が開催された2023年から2026年までの4年間としました。花火大会が開催された年だけでなく、天候の影響により中止となった年も含めることで、足立の花火大会を取り巻く人流の変化を見ていきます。

4年間の花火大会当日の人流を振り返る

2023年から2026年にかけての足立の花火大会当日における人流推移を見ると、開催の有無や天候の影響によって大きな違いが生じていることがわかります。

足立の花火 過去4年の人流変化

2023年は新型コロナウイルスの影響による中断を経て4年ぶりの開催となった年であり、18時以降に急激な人流の増加が見られました。花火の打ち上がり時間である19時台には約9.4万人に達し、今回分析した4年間の中で最も多くの人が集まっていることがわかります。
2024年は雷雨のため開催直前に中止となったものの、18時台には約5.8万人、19時台にも約5.6万人が滞在しており、多くの来訪者が会場周辺へ向かっていたことがうかがえます。その後中止のため20時台には来訪者数が急激に減少していることがわかります。
2025年は強風により中止となった年です。18時台には約3.6万人まで増加したものの、他の年と比較すると人流規模は小さくなっている様子が伺えます。
2026年は、熱中症対策などのため開催時期を従来の7月から5月へ変更して実施された年となりました。18時以降に人流が大きく増加する傾向は2023年と共通しており、19時台には約7.1万人が滞在していました。2023年の水準には届きませんでしたが、中止であった2024・25年と比較すると大幅に多くの人が訪れていることがわかります。

いずれの年も16時頃までは人流の差が比較的小さいものの、17時以降大きな差が生じています。足立の花火大会では打ち上げ開始前の時間帯に来訪者が集中する傾向があり、開催の有無や天候状況が会場周辺の人流に大きな影響を与えていると考えられます。次章では、今年の足立の花火大会当日に着目し、通常の土曜日と比較しながら人々がいつ集まり、いつ帰宅したのかを詳しく見ていきます。

2026年 足立の花火大会はどれだけの人を集めたか

来訪者の属性を見る前に、まずは2026年の足立の花火大会当日における人流の推移を見ていきます。図は、花火大会が開催された2026年5月30日(土)と、その1週間前の通常の土曜日である2026年5月23日(土)の1時間ごとの滞在人口を比較したものです。通常の土曜日は10時から19時頃までおおむね2万人台前半で推移しており、大きな変動は見られません。

足立の花火 通常日との人流の違い

花火大会当日は15時頃までは通常時と大きな差はないものの、16時以降から来訪者数が急増していることがわかります。特に17時以降は増加ペースが加速し、18時には約6万人、花火の打ち上げ開始時刻である19時頃には約7.1万人に達しました。これは同時間帯の通常土曜日と比較して約3倍の規模となっており、花火大会が会場周辺の人流に大きな影響を与えていることがわかります。また、花火打ち上げタイミングの19時台にピークを迎えた後も、規制退場の影響などもあり20時台までは約6.7万人が滞在しており、高い水準を維持しています。

一方で、花火大会終了後の21時以降は急速に減少し、22時以降には通常時との差が徐々に縮小していきます。このことから、来訪者の多くは打ち上げ開始の1~2時間前から会場周辺に集まり始め、花火大会終了後には比較的短時間で帰宅している様子がうかがえます。

通常土曜日との比較から、足立の花火大会は短時間で数万人規模の人流を生み出すイベントであり、周辺エリアの人口動態を大きく変化させることが確認できました。次章では、こうした人流を生み出している来訪者がどのような属性を持つのか、性年代構成に着目しながら見ていきます。

足立の花火来訪者の性年代構成

ここからは、足立の花火大会における来訪者のデモグラフィックについて見ていきます。まずは性年代構成に着目します。各年の性年代構成を見ると、男女ともに20代から40代の割合が高く、足立の花火大会が若年層から中年層を中心に幅広い世代に親しまれているイベントであることがわかります。

足立の花火  来訪者の性年代構成

特に20代の割合は男女ともに大きく、開催年である2023年および2026年では来訪者の中心的な層となっています。花火大会というイベントの特性上友人同士やカップルでの来訪も多く、開催地の最寄り駅である北千住駅が公共交通機関でアクセスしやすい立地であることから、若年層が電車などで気軽に訪れやすいイベントであることが背景にあると考えられます。また、30代・40代の割合も高く、ファミリー層を含む幅広い世代が来場していることがうかがえます。

一方で、60代以上の割合は相対的に小さく、会場周辺の混雑や夜間開催といったイベント特性が影響している可能性があります。年ごとの違いに着目すると、大きな構成変化は見られず、開催年・中止年を問わず概ね類似した傾向となっています。これは足立の花火大会が毎年同じ年齢層から支持されているイベントであることを示していると言えるでしょう。

このように、足立の花火大会は20代から40代を中心としながらも、幅広い年代の来訪者によって支えられているイベントであることがわかりました。次章では、こうした来訪者がどこから訪れているのか、居住地構成に着目しながら見ていきます。

足立の花火へはどこから人が来ているのか

最後に、来訪者の居住地に着目して分析していきます。今回は足立の花火大会ということで1都3県および関東エリアに着目し分析をします。各年の居住地構成を見ると、東京都からの来訪者が最も多く、いずれの年も全体の約7割前後を占めています。

足立の花火 来訪者の居住地

開催年である2023年および2026年はそれぞれ66%、68%となっており、2024年、2025年を含めても東京都の割合が最も高い状況に変わりはありません。東京都に次いで来訪者が多いのは埼玉県と千葉県です。開催年である2023年と2026年を見ると、埼玉県が13~14%、千葉県が11%前後を占めており、東京都に隣接するエリアからの来訪が多いことがわかります。一方、神奈川県からの来訪は4~7%、茨城県・栃木県・群馬県を合わせた割合は2~3%程度となっていました。

また、2025年は東京都の割合が73%と最も高くなっている一方で、開催が実施された2023年と2026年は東京都以外の割合がやや高くなっています。2024年、2025年はいずれも天候による中止となったことから、遠方からの来訪を見合わせる動きがあった可能性も考えられます。

ただし、各年で大きな構成変化は見られず、足立の花火大会が東京都を中心とした首都圏のイベントであるという特徴は共通しています。北千住駅周辺は複数の路線が乗り入れており、交通の便が良い駅となっています。そのため、東京都内だけでなく、埼玉県や千葉県からもアクセスしやすく、幅広いエリアから来訪者を集めているものと考えられます。

このように、足立の花火大会の来訪者は東京都居住者が中心であるものの、埼玉県や千葉県をはじめとした周辺地域からも多くの人が訪れており、
地域イベントでありながら首都圏広域から集客するイベントとなっていることがわかりました。

まとめ:人流データで見えた足立の花火大会

2023年から2026年にかけての足立の花火大会は、開催と中止の両方を経験した特徴的な期間となりました。2023年は4年ぶりの開催により多くの来場者で賑わい、2024年は雷雨、2025年は強風により開催直前で中止となりました。
2026年は開催時期を5月へ変更して実施され、再び多くの人が会場周辺に集まりました。

今回の人流分析からは、花火大会が周辺エリアの人口動態に大きな影響を与えていることが確認できました。2026年の花火大会当日は16時頃から人流が増加し始め、19時台には通常の土曜日と比較して約3倍の人口が滞在していました。また、花火終了後は21時頃から急速に人流が減少しており、短時間で大規模な人の移動が発生していることがわかりました。来訪者の属性を見ると、20代から40代を中心に幅広い世代が訪れており、男女ともに大きな偏りは見られませんでした。居住地分析では東京都居住者が約7割を占める一方、埼玉県や千葉県からの来訪も多く、足立の花火大会が首都圏広域から集客しているイベントであることが確認できました。

このように、人流データを活用することで、花火大会当日の来訪者数だけでなく、「いつ人が集まるのか」「どのような人が訪れるのか」「どこから来ているのか」といったイベントの実態を多角的に把握することができます。こうした情報は、今後のイベント運営や混雑対策、来訪者向け施策の検討に役立つものと考えられます。

本稿では性年代や居住地に着目して分析を行いましたが、モバイル空間統計を活用することでさらに多様な分析が可能です。例えば来訪者の回遊先や行動特性の分析、特定エリアとの比較分析、ドコモの会員属性を活用した趣味・嗜好の分析なども実施できます。また、広告施策を実施している場合には、広告接触者の来訪状況や広告効果までを分析することも可能です。今後も開催時期の変更や気象条件の変化によって、足立の花火大会を取り巻く人流は変化していくことが予想されます。来年以降、人々の動きがどのように変化していくのか注目していきたいと思います。

データについて:
【モバイル空間統計®・国内人口分布統計(リアルタイム版)】
※モバイル空間統計®は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。
集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客様個人を特定することはできません。
インテージは「モバイル空間統計」の1次販売店です。

著者プロフィール

古茂田 翔(こもだ しょう)プロフィール画像
古茂田 翔(こもだ しょう)
マーケティングソリューション本部 データストラテジーグループ セールスエンジニア
大学時代に位置情報データを活用したWebアプリを開発。
大学卒業後インテージに入社し、位置情報データを用いてお客様課題の解決に従事。
趣味は硬式テニスと小物集め。

マーケティングソリューション本部 データストラテジーグループ セールスエンジニア
大学時代に位置情報データを活用したWebアプリを開発。
大学卒業後インテージに入社し、位置情報データを用いてお客様課題の解決に従事。
趣味は硬式テニスと小物集め。