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データで紐解くアジア大会 テレビの熱狂と現場の「人流」

人の流れは、そのエリアの特性を映し出します。そこで、特定のエリアの人流をデータで見ることで、プロファイリングを行ってみます。

今月は先日愛知県で開催されたアジア大会に注目してみます。同じ大会の中でも、競技や会場、時間帯が変われば集まる人の姿は少しずつ違います。

テレビ視聴データから見るアジア大会

様々な競技が行われる中、どの競技が特に高い注目を集めていたのでしょうか。まずはテレビの視聴データから見てみます。

テレビ視聴ログデータサービス「Media Gauge」より、アジア大会関連番組の接触率を参照しました。接触率とは、視聴ログ取得対象端末(機器)のうち番組に接触した端末の割合を示す指標です。本記事では、その中でも番組放送中に最も高くなった接触率(最大番組接触率)を用いて、テレビ上で特に注目を集めた競技を確認します。

テレビ視聴データから見るアジア大会:関東広域
データ視聴データから見るアジア大会:近畿広域
テレビ視聴データから見るアジア大会:中京広域

グラフでは、本記事の後段で来場者分析を行うサッカー(オレンジ)、陸上(紫)、バレーボール(緑)の関連番組を色分けして表示しています。上位にはこれら3競技の番組が多くランクインしており、特にサッカー男子決勝の日韓戦は各エリアで最も高い最大接触率を記録しました。また、陸上の男子4×100mリレーやバレーボール男女の決勝・準決勝なども上位に位置しており、メダル獲得や優勝が懸かった重要局面に大きな注目が集まっていたことがわかります。

グレーで示したその他の番組にも、卓球や競泳、バスケットボール、ソフトボールなど幅広い競技が含まれています。サッカー・陸上・バレーボールが特に高い注目を集める一方で、大会全体に対しても幅広い関心が寄せられていたことがうかがえます。

テレビ視聴ではサッカー・陸上・バレーボールへの高い関心が確認されましたが、実際の会場にはどのような人たちが集まり、どこから来場していたのでしょうか。また、競技ごとに来場者の特徴に違いはあったのでしょうか。
次章では位置情報データを用いて、イベントのない通常日と比較しながら会場来場者の実態を紐解いていきます。

人気試合の人の流れ

ここからは、特にテレビ番組の接触率が高かった以下の3つの試合に注目して、データを見ていきましょう。
・サッカー 10/3 サッカー男子 決勝 宿命の日韓戦★日本17年ぶりの金メダルへ ほか
・陸上   9/28 陸上★9秒台桐生率いるリレー侍、アジア制覇へ!三浦龍司 も登場!
・バレー  10/2 バレー男子準決勝 日本vs中国 16年ぶり金へ!

競技別に試合日と通常日の15時から22時における滞在者数の推移を比較して見ていきます。グラフは試合日の滞在者数から通常日の滞在者数を各時間帯別に差し引いた値を示しています。なお、通常日は、各試合日の前週において会場でイベントが開催されていない日を基準として設定しています。

グラフからは、全ての会場で試合日に滞在者数が大きく増加し、試合開始時間に向けて山型の推移を示していることが共通して確認できます。また、試合開始時間が各競技で異なるため、滞在者数の減少が始まるタイミングには違いが見られます。

滞在者数:サッカー来場者数

サッカーは今回取り上げた3競技の中でも特に高い集客力を示しました。スタジアムは約4.5万人を収容できる大規模施設であり、試合日と通常日を比較した際の滞在者数の増加幅も最も大きくなっています。決勝の日韓戦という注目度の高いカードだったことも相まって、多くの観戦者が会場へ足を運んだ様子がうかがえます。

滞在者数:陸上来場者数

陸上競技では、試合日における滞在者数の増加に加え、来場者が長時間会場に滞在する傾向が確認されました。会場となった名古屋市瑞穂公園陸上競技場の収容人数は約2.7万人とサッカー会場より小規模ながら、複数種目が連続して実施される競技特性から、多くの来場者が競技開始前から終了後まで会場に留まり、3競技の中で最も長い滞在時間を示しました。

滞在者数:バレー来場者数

バレーボールは、3競技の中で最も小規模な会場である岡崎中央総合公園総合体育館で開催されたこともあり、試合日と通常日の滞在者数の差分は最も小さくなりましたが、男子準決勝「日本vs中国」の開催に合わせて来場者数は増加しており、会場規模に応じた集客を実現していたことがうかがえます。

人気試合の来場者特性

次に性年代構成比で見てみます。こちらは、各競技の来場者数が最も多かった時間帯を対象に、ピーク時の来場者数を比較したものです。

性年代構成比:競技別

来場者属性を横断的に見ると、3競技に共通して40~50代がボリュームゾーンとなっており、アジア大会が中高年層を中心に幅広い世代から関心を集めていたことが分かります。一方で、競技ごとに男女構成には違いが見られ、サッカーは男性比率が高く、陸上は男女のバランスが比較的均衡していました。これに対し、バレーボールは女性比率が高く、特に20代女性からの支持が目立つ結果となっています。
競技特性によって観客層の構成は異なるものの、全体としては働き盛り世代を中心に幅広い層の関心を集めていたことがうかがえます。

続いて、来場者属性を居住地分布で見てみます。

居住地分布

いずれの競技においても、来場者の大半を東海エリア居住者が占めており、開催地周辺からの集客が中心となっていたことがわかります。特にバレーボールでは来場者のほぼ全てが東海・関東エリアで構成されており、サッカーや陸上でも東海エリアが圧倒的な割合を占める結果となりました。

競技ごとに広域集客の状況には違いも見られます。サッカーやバレーボールは関東・近畿など比較的近隣の主要エリアからの来場が中心であったのに対し、陸上競技では北海道や北陸、中国エリアからの来場も確認されました。構成比としてはわずかではあるものの、全国各地から来場者を呼び込んでおり、今回対象とした3競技の中では最も広域にわたる集客が見られます。

このように、全体としては「地元中心」の集客構造である一方、競技によって遠方からの集客力には違いが見られました。特に陸上競技は、テレビ視聴においても高い注目を集めていたことに加え、実際の来場者についても全国から幅広く集客していた点が特徴的といえそうです。

まとめ

今回は、アジア大会で注目を集めたサッカー、陸上、バレーボールを対象に、テレビ視聴と実際の来場実態を分析しました。
テレビ視聴では3競技とも高い注目を集めていましたが、来場実態を見ると競技ごとに異なる特徴が見られました。サッカーは最も高い集客規模を示し、バレーボールは女性比率の高さが特徴的でした。また、陸上競技では他競技と比べて広域からの来場が見られるなど、競技ごとのファン層や集客構造の違いがうかがえました。
このように、位置情報データとテレビ視聴データを組み合わせることで、「誰が注目し、誰が実際に来場したのか」を多面的に捉えることができます。イベントの来場者分析や開催効果の検証、ターゲット層へのリーチ状況の把握などにご関心がありましたら、ぜひご相談ください。

データについて:
【モバイル空間統計®・国内人口分布統計(リアルタイム版)】
※モバイル空間統計®は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。
集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客様個人を特定することはできません。
インテージは「モバイル空間統計」の1次販売店です。

著者プロフィール

諏訪 秀実プロフィール画像
諏訪 秀実
データドリブン推進本部 マーケティングソリューションユニット_プロダクト推進部_データストラテジーグループ

2025年に大学卒業後、インテージに新卒で入社。
主に位置情報商材「モバイル空間統計」「ココリサ」の製造業務を担当し、データ処理・品質管理・納品を中心に業務を行う。
また、位置情報データの特性を活かした分析設計やプロジェクト支援にも従事。

データドリブン推進本部 マーケティングソリューションユニット_プロダクト推進部_データストラテジーグループ

2025年に大学卒業後、インテージに新卒で入社。
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また、位置情報データの特性を活かした分析設計やプロジェクト支援にも従事。

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