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【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。

2026年5月の動き

ゴールデンウィーク本番となった5月。旅行やレジャー需要が高まる一方で、各地では気温が30度を超える日もあり、紫外線対策や暑さ対策への関心も高まりました。物価上昇のペースには落ち着きが見られるものの、生活者の節約意識は依然として根強く残っています。その中で生活者は何にお金を使い、どのような商品を選んだのでしょうか。今月もデータから、その消費行動の変化を探っていきます。

《物価の動き》
容量単価指数は、2025年5月から2026年2月頃まで続いていた4%前後の水準から低下し、5月下旬には2.8%となりました。約1年に渡って続いていた高い物価上昇局面と比べると、足元では物価上昇のペースが落ち着きつつある様子がうかがえます。
チャネル別に見ると、スーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアのいずれも依然として前年を上回る水準ではあるものの、全体として上昇率は縮小傾向にあります。特にスーパーとドラッグストアでは2026年春以降、緩やかな低下が続いており、企業による値上げの勢いが一服しつつある可能性がうかがえます。
一方、コンビニエンスストアは4月末に5.8%を記録した後、5月は週を追うごとに容量単価指数が低下しました。これまで他チャネルを上回る高い水準で推移してきましたが、5月末ではスーパーやドラッグストアとの差が縮小しつつあり、チャネル間の価格上昇率が収れんする動きも見られます。
物価変動の構造を見ると、今回も物価上昇の主な要因は「価格変化効果(継続商品)」でした。一方で、「代替効果」は継続してマイナスで推移しており、生活者がより安価な商品やプライベートブランド商品へ切り替える動きが続いていることがうかがえます。物価上昇率そのものは鈍化しているものの、節約を意識した購買行動は依然として根強く、生活者は価格上昇への対応を続けているようです。

《買い物金額・買い物回数》
5月の買い物金額は前年比102.3%台となり前年を上回った一方、買い物回数は99.2%台と前年並みの水準でした。買い物頻度を増やすことなく支出額が伸びていることから、1回あたりの購入金額が増加している様子がうかがえます。
チャネル別に見ると、スーパーは買い物金額が前年を上回った一方で、買い物回数は99.7%とほぼ前年並みでした。トータルと同様に、スーパーにおいても買い物回数を増やすことなく支出額が伸びる傾向が見られました。
ドラッグストアについても、買い物金額前年比は104.5%と他の業態に比べて最も大きく伸長しましたが、買い物回数は前年並みを維持しました。消費財市場動向のグラフも合わせて見ると、ドラッグストアにおける食品販売のマーケットサイズは過去4年間で継続的に拡大しています。日用品だけでなく食品もまとめて購入する買い物スタイルが定着しつつあり、1回あたりの購入金額の増加につながっている可能性があります。
一方、コンビニエンスストアは買い物金額が前年並みを維持したものの、買い物回数はやや前年を下回りました。日常的な利用は一定続いているものの、節約意識の高まりから利用頻度は抑える動きも見られ、コンビニエンスストアは「必要時に限定した選択的利用」へと役割がシフトしつつある様子がうかがえます。

《市場動向・好調カテゴリ》
5月のマーケットサイズは、食品・飲料・雑貨・ヘルスケア・化粧品のいずれも前年並みから前年を上回る水準で推移しました。また、各カテゴリとも前年と概ね同様の季節推移を示しており、例年通りの需要構造が維持されている様子がうかがえます。
好調カテゴリを見ると、「玩具メーカー菓子」「もずく・めかぶ」などの食品カテゴリが上位に入りました。「玩具メーカー菓子」は、人気キャラクターと連動した商品やコレクション性の高い商品への関心の高まりが、需要を押し上げたと考えられます。また、「もずく・めかぶ」は気温上昇に伴い、さっぱりと食べられる食品への需要が高まったことが背景にあるようです。
化粧品では、「日焼け・日焼け止め」「化粧用紙製品(除クレンジング)」「おしろい」が好調でした。今年の5月はゴールデンウィーク頃から最高気温が30度近くまで上昇する地域も見られ、例年より早い暑さを感じる月となりました。こうした気候の影響から、紫外線対策や化粧直し関連商品の需要が例年より早いタイミングで高まった可能性があります。
雑貨では、「接着剤」「食品包装品」が伸長しました。前月の記事でも触れたように、中東情勢の緊迫化を背景としたナフサ供給不安は、引き続き関連商品の動きに影響している可能性があります。記事執筆時点(6月下旬)では停戦合意に関するニュースも出ていますが、今後も接着剤や包装材など、ナフサ関連商品の動向には注視が必要です。

《消費意欲、お金をかけたいモノ・コト》
消費意欲を見ると、5月は「現在の消費意欲」「今後の消費意欲」ともに、前月の低下からやや持ち直しました。一方で、「現在の節約意識」はわずかに低下しています。
5月はゴールデンウィークを含む行楽シーズンであり、例年、消費意欲が高まりやすい時期です。今年も同様に、外出やレジャーなどの機会増加を背景として、節約一辺倒ではない前向きな消費マインドがうかがえました。
物価高への警戒感は依然として残るものの、季節イベントや体験消費に対しては支出を惜しまないという、近年見られるメリハリ消費の傾向が引き続き表れているようです。
「お金をかけたいモノ・コト」では、「食品」「旅行・ドライブ」がともに前月から低下しました。4月はゴールデンウィークに向けた準備や計画を背景に、食や旅行関連への支出意向が高まっていましたが、5月は連休が終わったことで、その動きが一服したと考えられます。一方で、「外食」や「健康」は上昇しており、生活者の関心は大型連休に向けた支出から、日常の楽しみや体調管理へと移りつつあるようです。

5月は物価上昇のペースに落ち着きが見られる一方で、生活者の節約意識は依然として根強く残る月となりました。そのなかでも、ゴールデンウィークや初夏の訪れを背景に、旅行やレジャー、紫外線対策などには積極的な支出が見られました。生活者は価格だけでなく、自分にとっての価値や必要性を見極めながら支出先を選択しており、メリハリのある消費行動が定着しつつあるようです。

※次回のデータ・コメントの更新は7月を予定しています。

お金の使い方 最新データ

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著者プロフィール

上家 夕季(かみいえ ゆうき)プロフィール画像
上家 夕季(かみいえ ゆうき)
株式会社インテージ データマネジメント事業本部 リテールデータマネジメント部
2025年に大学院を卒業後、同年4月にインテージに入社。SRI+の運用業務に従事。

株式会社インテージ データマネジメント事業本部 リテールデータマネジメント部
2025年に大学院を卒業後、同年4月にインテージに入社。SRI+の運用業務に従事。

データについて

【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※サービスリニューアルに伴い、2025年5月掲載分より新データに切り替えています。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

消費者の購買行動を俯瞰して捉えることのできる『SCIパノラマレポート』を販売中です。ご希望の方はこちらの資料ダウンロードのページよりお申し込みください。

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在

【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取

転載・引用について

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(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

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