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【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。

2026年8月の動き

西日本を中心に厳しい暑さとなる一方、一部地域では台風や大雨にも見舞われた8月。夏休みシーズンで支出機会が増えるなか、9月には多品目の値上げも控えていました。こうした環境のもと、生活者は何にお金を使い、どのように支出を調整したのでしょうか。今月もデータから消費行動を振り返ります。

《物価の動き》
容量単価指数は、3月頃から3%台で落ち着いていましたが、8月後半にかけて再び上昇へ転じました。
チャネル別では、ドラッグストアとコンビニエンスストアの伸び率が全体平均を上回っている点が特徴的です。ドラッグストアでは、8月に入り継続商品の値上げによる影響が強まっていることがわかります。また、コンビニエンスストアでは、8月から継続商品の代替効果がプラスへと転じており、購入される商品の構成が相対的に高価格帯へ動いた傾向が見られます。その背景として、値上げや内容量の減少により、相対的に容量単価の高い商品が選択されやすくなった可能性が考えられます。さらに、8月後半には新旧商品入れ替え効果も伸長しており、新商品やリニューアル品の導入に伴う物価上昇も確認できます。

このように継続的な物価高に直面するなかで、家計管理アプリの活用やセルフレジの普及により、自身の買い上げ額をその場で自覚する機会が増えたことも、価格への感度を高め、生活者の自衛的な節約行動を後押ししているとうかがえます。

《買い物金額・買い物回数》
8月の生活者1人当たりの買い物金額は前年比100.3%、買い物回数は98.8%となり、買い物回数は前年を下回ったものの、支出金額は前年並みを維持する結果となりました。物価高が続くなか、購入頻度を減らすことで総支出を抑えようとする生活者の購買行動が見られます。必需品の値上げや新旧商品入れ替えに伴う物価上昇に対し、不要な買い物を控えたり、より安価なプライベートブランド(PB)へ切り替えたりすることで家計の調整を図っていると考えられます。また、8月は台風の接近や局地的な豪雨が相次いだことで外出機会自体が減少し、買い物機会が減ったことも一因として考えられます。

業態別に見ると、スーパーでは買い物金額が101.5%と前年を上回った一方、買い物回数は99.7%と前年に近い水準にとどまりました。利用頻度を変えずに金額が増加していることから、日常的に購入する商品の価格上昇が金額に表れたと見られます。ドラッグストアは買い物金額が102.0%と前年を超えたものの買い物回数は98.8%に減少、コンビニエンスストアも買い物金額が99.6%と前年並みなのに対し買い物回数は97.8%へと落ち込みました。両業態ともに来店頻度を抑えながらも物価上昇によって支出額は維持・増加しており、物価高の影響を強く受けている状況が示唆されます。

年代別に見ると、若い年代ほど買い物金額と回数の減少が顕著に表れました。若い層を中心に物価高を受けて家計防衛意識が強まり、購入頻度や支出を抑える動きが広がっていることが考えられます。

《市場動向・好調カテゴリ》
食品、雑貨、化粧品が前年を上回った一方、ヘルスケアや飲料は前年を下回りました。
飲料は例年7月から8月にかけて需要が拡大する傾向にありますが、今年の8月は前年同月と比べて東日本を中心に気温が相対的に低く、7月から8月にかけての需要の伸びは例年ほど見られませんでした。

好調カテゴリでは、「玩具メーカー菓子」「トマトジュース」などが好調に推移しました。
飲料カテゴリではトマトジュースの伸長が目立ちました。8月下旬に人気テレビ番組でトマトジュース工場が取り上げられたことでメディア露出が高まり、放送後の需要増加につながった可能性があります。なお、コーヒー類についてもメーカーの値上げや容量変更(実質値上げ)に伴う単価上昇により、金額ベースで堅調に推移しています。
食品カテゴリで特に大きな存在感を示したのが玩具メーカー菓子(前年比208.0%)です。夏休みの購買意欲の高まりに加え、話題性の高い人気キャラクターを起用したコラボ商品が相次いで投入され、まとめ買いなどを誘発したことが、売り上げ増加の要因となりました。
雑貨カテゴリでは、「カー用品」や「カビ防止剤」の需要が伸びており、降水量の多さが影響した可能性も考えられます。

《消費意欲、お金をかけたいモノ・コト》
消費意欲を見ると、現在の消費意欲、今後の消費意欲、現在の節約意識ともに変化はいずれも小さく、消費意識は全体として大きな変化のない範囲で推移したと捉えられます。
お金をかけたいモノ・コトでは前月比で増加した項目が少なく、そのなかで「投資」と「家電・AV機器」の伸長が目立ちました。物価高の影響から目先の消費よりも将来に備えた資産形成へ意識がシフトしていることや、台風・悪天候による「おうち時間」の増加に伴い、まとまった休みの間に室内環境を整える家電製品の購入・買い替え需要が発生したと推測されます。
一方、夏休み期間でありながら食品や外食、レジャーへの意向が伸び悩みました。物価高に伴う節約志向の定着により、大型連休であっても日常の延長線上で支出を抑える傾向が続いていたことに加え、天候不良による外出手控えも遠出意欲を抑える一因になったと考えられます。

8月は天候不順や物価上昇が再び強まるなか、生活者が買い物回数などを調整しながら支出額を維持した月となりました。その一方で、話題性のある商品などには需要が集まり、限られた予算内で支出先を厳選する傾向が続いています。9月にはさらなる値上げも控えており、メリハリのある消費行動は今後も継続すると考えられます。

※次回のデータ・コメントの更新は10月を予定しています。

お金の使い方 最新データ

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著者プロフィール

藤森 真花(ふじもり まなか)プロフィール画像
藤森 真花(ふじもり まなか)
株式会社インテージ データドリブン推進本部 データマネジメントユニット リテールデータマネジメント部

2026年に大学を卒業後、同年4月にインテージに入社。SRI+(小売店販売データ)の運用業務に携わる。

株式会社インテージ データドリブン推進本部 データマネジメントユニット リテールデータマネジメント部

2026年に大学を卒業後、同年4月にインテージに入社。SRI+(小売店販売データ)の運用業務に携わる。

データについて

【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※サービスリニューアルに伴い、2025年5月掲載分より新データに切り替えています。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

消費者の購買行動を俯瞰して捉えることのできる『SCIパノラマレポート』を販売中です。ご希望の方はこちらの資料ダウンロードのページよりお申し込みください。

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在

【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取

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(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

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