【駐在員コラム】Vol.8 ロサンゼルスのダイバーシティを体験するなら、スーパーマーケットがおすすめ

【目次】

アメリカ人にとってのスーパーマーケット

アメリカのスーパーマーケットの面白さは、最近はガイドブックなどでも詳しく紹介されるようになりました。
特にWhole Foods MarketやTrader Joe'sなどのオーガニック系スーパーは、アメリカらしいおしゃれな雰囲気と、魅力的な品ぞろえが人気で、アメリカ旅行の際に訪問して買い物をしたこともある人も多いと思います。

スーパーマーケットはアメリカ発祥ということもありますが、アメリカ文化の特徴を強くあらわしていると思います。特に私が現地で生活していて感じるのは、それぞれのスーパーの「個性の強さ」です。各スーパーが激しい顧客獲得競争の中で、さまざまな商品展開やプロモーションの工夫を行っているため、結果としてスーパーごとに商品の品ぞろえや価格帯が大きく異なります。

極端な話、どのスーパーを使っているか?でその人の食事の嗜好性や、どのくらい食事にお金をかけているのか、がわかってしまうのです。

ロサンゼルスのスーパーマーケットで世界旅行気分

さて、下のグラフは、インテージUSAのオフィスがあるロサンゼルスエリアのEthnicity(民族グループ)の比率です。

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アメリカはもともとが移民国家ですが、近年、ロサンゼルスのような発展著しい都市では、ヒスパニックやアジア系の人口比率が増加し、いわゆるヨーロッパ系白人の人口を上回り、人種の多様化が急速に進んでいます。当然、アメリカ人の生活にとって必要不可欠なスーパーマーケットも、多様化する住民のカスタマーニーズにあわせて変化・進化しており、ロサンゼルスのスーパーは、街同様に非常に個性的なお店が多いです。

今回のレポートでは、数ある個性的なスーパーマーケットの中から、インテージUSAのオフィスがある、トーランスエリア周辺の実際の店舗をいくつか紹介したいと思います。

■日系スーパーマーケット

まずは、われわれ日本人駐在員の普段の食事をささえる日系スーパーから。ここトーランスは日本人・日系人が多く住むエリアとして有名で、複数の日系スーパーが存在します。

主なお店としては「Mitsuwa Marketplace」「Tokyo Central」「Seiwa Market」「Nijiya Market」。
今回私が紹介するのは「Nijiya Market」です。

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NIJIYAでの購入品  ※お魚の品ぞろえが充実していてうれしい。

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NIJIYAは私が個人的に最も利用している日系スーパーです。他の日系スーパーと違う特徴は、サンディエゴの契約農家からの新鮮日本野菜の販売や、NIJIYAブランドのカルフォルニア米の販売など、クオリティの高いPB商品を提供している点にあります。

■中華系スーパーマーケット

中華系スーパーマーケットは、小~中規模の様々なスーパーマーケットがロサンゼルス郊外を中心に存在する反面、大型スーパーの種類が少ない特徴があります。

その中で、ロサンゼルスの最も有名な大規模中華マーケットとえば「99 Ranch Market」といえます。

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99 Ranchでの購入品  ※日本だと手に入れづらい調味料が豊富。

Chuzai8_4.JPG「99 Ranch Market」は台湾系のオーナーが設立したため、台湾のスーパーマーケットで買えるような食材(台湾茶、沙茶醤など)が多く揃えられている特徴があります。また、幅広い中国の地方からの顧客ニーズに答えて、様々なエリア別の麺類や、アメリカ系スーパーでは買いにくい魚介類の品ぞろえが豊富な点も魅力です。

■韓国系スーパーマーケット

ロサンゼルスは、世界最大のコリアンコミュニティがあるエリアであるため、韓国系スーパーマーケットも様々な種類が存在します(S-mart、Hannam Market、HK Market、H-mart、など)。

今回ご紹介するのは、その中でも最大規模を誇る「H mart」です。

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Hmartでの購入品  ※種類豊富な韓国のりの食べ比べも楽しい

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「H mart」は大型店舗の圧倒的な品ぞろえにより、他の韓国系スーパーマーケットでは取り扱っていないような、クオリティの高い韓国食材を入手できる点が特徴的です。特に、韓国のりやコチュジャンなどは、韓国旅行のお土産物屋で購入するものよりもおいしいのでは、と感じています。
また、「H mart」はアメリカの食材を利用したMade in USAの韓国食品を販売している点でも特徴的です。キムチやキムパなどは専門の工場で作られており、日本のスーパーでは食べられない味だと思います。

■ヒスパニック系スーパーマーケット

最後に、ロサンゼルス最大の民族グループ、ヒスパニック系スーパーマーケットをご紹介します。

ロサンゼルスのヒスパニックコミュニティはとても壮大な規模となるため、全貌が計り知れないのですが、一番有名かつ、大規模なスーパーマーケットといえば「Northgate Gonzalez Markets」ということで、おそらく間違っていないはずです。

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Northgateでの購入品   ※トルティーヤはお手頃価格で素材も様々。

Chuzai8_8.JPG「North gate」の名物といえば、店内で手作りしているトルティーヤとトルティーヤチップスです。今は、Whole Foods Marketなどのアメリカ系スーパーでも必ず買える商品ですが、ここの手作りトルティーヤはやさしい味がして、メキシコ料理以外にも合うのが、個人的に気に入っています。また、メキシコ料理に利用する、スパイス類や、多種多様な唐辛子(生・乾燥)を購入できる店でもあります。

ここまで紹介したスーパーマーケット以外にも、ロサンゼルスには、インド系、ベトナム系、タイ系、ロシア系、中東系、アルゼンチン系など、個性豊かなスーパーマーケットが存在するのですが、今回はこのくらいにとどめておきます。

民族ルーツをベースに新しいトレンドが生まれる

ここまでご紹介してきたスーパーマーケットは、ロサンゼルスに住む多様なEthnicityグループの人たちが、自分たちの母国の慣れ親しんだ料理を作るための素材・商品を主に販売しています。これらの個性豊かなスーパーマーケットを回るだけで、ちょっとした海外旅行気分を味わえるのも、ロサンゼルス生活の楽しみの一つです。

ただし私が感じているのは、ロサンゼルスの本当の面白さは、このような各民族グループの特徴・違いだけにとどまらない点です。
今、ロサンゼルスの食シーンでは、多様な民族の食べ物をミックスしたFusion料理が次々と生まれ、人気を得ています。(例)コリアとアメリカのFusion「キムチバーガー」、日本とメキシコのFusion「スシリトー」、台湾・メキシコのFusion「Horchata ボバティー*」などなど。
*Horchataはプラントベースのミルク代用飲料

これらのアメリカ生まれのFusion料理は、ルーツである各国では生まれえず、多様化が進むアメリカだからこそ生み出せる新しいジャンルの食べ物と言えると思います。

それぞれのルーツの違いを尊重し、そこからさらに新しいジャンルを開拓し、そして自分のルーツとは違っても柔軟に受け入れていく。ダイバーシティ溢れる・エキサイティングなロサンゼルスの食シーンを、これからも引き続きウォッチングし、みなさまにご紹介していきたいと思います。

著者プロフィール

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砂塚 雅司(すなずか まさし)
アメリカ・ロサンゼルス在住のリサーチャー。次々と新しいモノ・サービス・トレンドが生まれるアメリカのチャレンジ精神と多様性に驚き戸惑いつつも、自分も常に好奇心を持って体験し、日本人の視点からみたアメリカの今のリアルな情報を発信しています。
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