年末年始のテレビ番組はどこで見る? テレビデータから見る、生活者の年末年始の行動

年末年始のテレビ番組はどこで見る? テレビデータから見る、生活者の年末年始の行動

皆さんは、「生活者がテレビを見る場所はどこか」ということを考えたことはありますでしょうか?生活者はさまざまな場所でテレビを見ています。スポーツバーや友人宅でのスポーツ観戦、旅先のホテルでの視聴。今年はコロナ感染の再拡大にともない、年末年始に帰省する人は少なくなりそうではありますが、例年であれば、帰省先でテレビを見るという人が多かったと思われます。

だとすると、「生活者の『普段の』テレビ接触行動」、つまり基本的に自宅にいる想定で行われることが多いテレビの広告出稿も、年末年始の様に多くの生活者が動く時期には、『帰省時期の』テレビ接触行動に基づいて「帰省でテレビを見る人が少なくなる地域」より、「帰省でテレビを見る人が増える地域」に広告出稿することで高い効果が期待できることになります。

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実際に普段と年末年始の生活者の視聴行動が違うのかを、インテージのスマートテレビ視聴ログ、Media Gauge® TVのデータを用いて、分析してみました。

【目次】

都市部と地方 年末年始のテレビ視聴は普段とどのくらい違う?

今回、年末年始のテレビ接触行動を捉えるにあたって、「テレビリーチ率」という指標を見ていきます。テレビリーチ率とは、ある期間(今回は一日)で、「1分でもテレビが見られた端末の割合」です(図表1)。

図表1nenmatsu-tv_01.png

まず、都道府県別のテレビリーチ率を、「普段」にあたる元旦2週間前の2019/12/19(木)と「年末年始」にあたる2020/01/01(木)について算出した図表2と、両日の差を地図にあらわした図表3をみてみましょう。

図表2nenmatsu-tv_02.png

図表3nenmatsu-tv_03.png

図表3を見ると、テレビリーチ率が大幅に下落している地域とそうではない地域が明確に分かれていることがわかります。具体的には、東京や大阪、北海道や福岡など、大都市圏を抱える都道府県ほど、テレビリーチ率の下落幅が大きくなっています。多くの人が都市部から移動したことで、このような結果になったと考えられます。

年末年始の帰省がテレビ視聴行動に影響を与える期間とは?

では、いつごろから自宅のテレビを見なくなり、いつごろまた自宅のテレビを見るようになるのでしょうか。図表2で算出した、普段と年末年始の都道府県別のテレビリーチ率の差をもとに、変化が大きかった都道府県のグループと、変化が小さかった都道府県のグループそれぞれについて、日別のテレビリーチ率の変化を追ったのが図表4です。

図表4nenmatsu-tv_04.png

図表4を見ると、最も変動の大きい東京ではクリスマス明けの12/26頃から早くもテレビリーチ率の下落がはじまり、その他の地域では多くの企業が正月休みに入った12/28頃から下落し始めています。このテレビリーチ率の動きは帰省などによる人の移動と連動していると考えられます。

そして元日の1/1まで下落が続き翌日1/2から全ての地域で回復し始めます。もとのテレビリーチ率に戻るタイミングも、東京は他の地域と異なり、少し遅いようです。
最も人口が多く、日本中から人が集まる東京。帰省先が遠く離れている人も多く、少し長めに帰省する人が多いのかもしれません。
この年末年始の約10日間、多くの世帯 ―もっとも多い東京では1割程度の世帯― が自宅の普段見ているテレビを見なくなる、と考えられます。

年末年始、自宅でテレビを見なくなる生活者の特徴は?

最後に、どのような視聴傾向の世帯が年末年始に移動するのかを分析する為、最もテレビリーチ率の落差が大きい東京で、最もテレビリーチ率の低い元日に、一日中一度もスイッチがつかなかった(※1)端末(年始非稼働テレビ)とそうでない端末(年始稼働テレビ)とを分けて、普段の日の平均視聴時間(2019年 年間平均)をジャンル別で算出したものが図表5です。

図表5nenmatsu-tv_05.png

図表5を見ると、全体的に「年始稼働テレビ」の方が、普段の視聴時間が長い一方で、アニメジャンルのみ、「年始非稼働テレビ」の方が、普段の視聴時間が長いことがわかります。
アニメジャンルをよく見るようなテレビ視聴傾向をもった、比較的若い世帯が帰省し、実家等でテレビを見ていることが想定されます

今回の分析で、「年末年始の帰省」に伴う生活者の移動によって、都市部のテレビ接触が大幅に減少するという、年末年始の傾向がわかりました。
地方の実家に帰省した生活者はテレビを見なくなるわけではなく、実家に元々住んでいる家族と一緒に、実家のテレビで年末年始のテレビ番組を見ていると考えられます。

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このように、普段のテレビ視聴行動と大きく異なる年末年始は、「普段」の視聴行動に基づいた通常の出稿計画では広告効果の最大化は難しいと考えられます。
元々実家に住んでいる世帯だけでなく、帰省した世帯も含めた、2世帯~3世帯以上の生活者に一気にテレビ広告でリーチすることができるポテンシャルが、年末年始の帰省先となる地方にはありそうです。

間もなく、コロナ渦初の年末年始を迎えます。オンライン帰省などが推奨され、年末休暇に入らなくても実家に帰れる環境がある一方で、感染拡大防止の為、県外移動が躊躇われる側面もあります。今年の年末年始はどのようになるのでしょうか。知るGalleryでは年明けにその答え合わせをしていきたいと思います。


今回の分析は、弊社が保有するスマートテレビ視聴ログデータであるMedia Gauge TVのデータを用いて行いました。

Media Gauge® TV
複数のテレビメーカーから収集した、ネットに結線されたスマートテレビの録画機の視聴ログ※をクレンジングし、統一フォーマットで標準化・構造化した視聴データです。都道府県別にとどまらず、一部エリアでは市区町村別でもデータを見ることが可能です。
インテージでは現在、各放送局別(地上波・BC・CS)、各地域別(市区町村など)のテレビ視聴データを提供しています。テレビ:219万台(2020年9月時点 最新の台数はこちら)
※マーケティング利用許諾を得て、匿名化されているもので、どのテレビ・録画機で、いつ、どんな操作がされていたかがわかります。

※1 一日中一度もスイッチがつかなかった端末:厳密には、1分以上つかなかった端末で定義

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