イマドキ男子とのコンタクト・ポイントを探る

【目次】

「イマドキ男子」のメディア接触行動

メディアや情報端末が多様化し、コンテンツとしての情報が爆発的に増加している現在、ターゲットとの接点(=Contact Point)の把握は重要なテーマとなっています。
たとえば、山手線の中。3面連続の車内モニター広告にスマホの新しい割引料金プランの動画広告が映し出されている下で、ターゲットの大学生と思われる男性はスマホの画面を凝視。InstagramとLINEを行き来しながら「情報の高速スクロール」と「情報発信」を繰り返している、そんな姿も観察されます。

「ターゲットは何を見ているのか?」についての考察は、目まぐるしく変化する生活者のメディア接触の環境変化も相まって、たえずアップデートが求められています。

知るGalleryでは以前、メディア環境の変化の中でトレンドの先端を行く「イマドキ女子」に注目し、メディア接触行動を追いましたが(参考記事:イマドキ女子のリアルをスマホ事情から探る)、この記事では「イマドキ男子」のメディア接触行動を浮き彫りにしていきます。
通常、メディアプランニングでターゲット区分として用いられる「M1(男性 20~34歳)」の中でも、「20~24歳」の「イマドキ男子」はどう違うのでしょうか。

「イマドキ男子」の帰宅後。 スマホは片時も手離さない!?

「イマドキ男子」のメディア接触行動を知るために、インテージのi-SSP®(インテージシングルソースパネル®)※1を用いて、1日におけるテレビとスマホの利用分数をみてみました(図表1)。

図表1
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「イマドキ男子」、「M1」ともに、どの時間帯においてもスマホの利用時間がテレビを大きく上回っていて、プライムタイムと言われる時間帯(19〜23時)では倍以上の開きがあります。「イマドキ男子」に関しては、最も利用時間の多い22時台のスマホ利用時間は平均で約17分。「片時もスマホを手離さない」というイマドキ男子もそれなりにいると考えられます。

スマホの利用状況を、「イマドキ男子」と「M1」で比較すると、朝9時から深夜帯まで、ほぼどの時間帯においても、「イマドキ男子」の方がスマホ利用時間が長いことがわかります。一方で、テレビ視聴は「M1」が「イマドキ男子」を上回っており、スマホの利用状況と対照的な結果となりました。

22時のイマドキ男子はスマホで何を見ているのか?

「イマドキ男子」はスマホで何をやっているのでしょうか。同じく「i-SSP®」のスマホアプリ利用ログデータを用いて、彼らのスマホ利用が最も活発な「22時台」にフォーカスして、その実態に迫ってみましょう。図表2は「イマドキ男子」が22時台に利用しているアプリの、利用率TOP20です。

図表2
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SNS系では「LINE」「Twitter」「Instagram」が「M1」よりも利用率が高くなっています。特に「Twitter」は、「M1」より利用率が20pts以上高くなっていました。「Instagram」も12位と、「M1」と比較して活発な利用となっています。一方、「Facebook」は、「イマドキ男子」にとってはやや弱い接点となっているようです。彼らにとって、SNS系サービスの中でも細かな使いわけが重要であることが推測できます。

次に、「イマドキ男子」の利用時間TOP20となるアプリを見てみましょう(図表3)。

図表3
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SNS系アプリ以外にも、YouTube(動画)を筆頭とした動画系アプリやゲーム系アプリが上位にランクインし、利用時間も「M1」より長くなっていることがわかります。

このように「M1」の中でも行動の異なる「イマドキ男子」に向かってメッセージを送ろうとしたとしたら、従来の大括りな「M1」というセグメントで設計したコミュニケーションプランでは、彼らには届きにくいものになっている可能性があります。

2018年4月からテレビのスポットCMの取引指標が世帯視聴率から個人視聴率に変化し、「個人」に対してコミュニケーションするという意識が高まっています。これからは「M1」「F1」といった従来型のセグメントだけではなく、より精緻なターゲティングに基づくプランニングが重要になるものと思われます。

イマドキ男子のプロファイリング 彼らとの有効な接点は?

次に、生活者の様々な情報がID連携によりシングルソース化された「生活者360° Viewer ※2」のデータを用いて、メディアの接触行動や情報の受発信行動に留まらない「イマドキ男子」のプロファイリングを行ってみました。

SNSの利用状況を詳しくみてみると、前述のとおりLINE、Twitter、Instagram の利用が活発で、利用頻度やフォロー数、フォロワー数も「M1」を上回っていました(図表4)。

図表4
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また、主な動画系サービスについて、その視聴理由を見てみると、利用率上位のYouTubeやniconicoは共に「暇つぶしになるから」「娯楽として楽しむため」が多くなっていました(図表5)。これらのサービスが、「イマドキ男子」に習慣として定着している様子が伺えます。

図表5
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さらに「特定の趣味趣向がある」というのも、彼らが動画系サービスを利用する上で「M1」と比べて特徴的な理由となっていました。各サービスから多様な独自コンテンツが発信されている時代、「観たいものを観たい時に、好きなカタチで」という彼らの声が聴こえてくるようです。

テレビの視聴時間の短い「イマドキ男子」ですが、スマホの利用実態を丹念に見ていくと、TVerやYouTubeのようなアプリの中で、魅力的なテレビコンテンツの視聴が確認できるはずです。こんなところにも「イマドキ男子」への有効な接点が潜んでいるように思えます。

その他のメディアとの接触状況を見てみましょう(図表6)。

図表6
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冒頭で山手線の風景を描写しましたが、電車の中吊りや駅貼りといった交通広告については有効な接点であることがわかります。電車内や駅構内で就活や転職といった「就活、第二新卒」といった若年層の就職支援サービスの広告を頻繁に見かけますが、この結果を踏まえると、彼ら向けに有効な接点を選択していると言えそうです。

一方、新聞、雑誌、ラジオは、アンケート回答では接点が弱くなっており、「ラジオは聴かない」「新聞・雑誌は読まない」という人の割合が高くなっています。とはいえ、これらのメディア接点が弱くなったと早合点してはいけません。ラジオ局が2010年4月に配信を開始したスマホやパソコンでラジオが聴ける無料サービスの「radiko(ラジコ)」のアプリ利用率のランキングをみてみると、「イマドキ男子」では60位に確認できます(「M1で は73 位」)。TVer同様に、電波がネット(通信)にシフトすることで、コンテンツのチカラが新しいアプローチを芽吹かせています。

次に、彼らのヒトトナリの特性に注目してみましょう。図表7のデータからは、「周囲からの見え方や評価」を多分に気にする彼らの心理もあぶり出されてきました。

図表7
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さらに、SNS上の行動の特徴を表したのが図表8です。情報収集や発信、つながるための行動、それぞれにおいて「イマドキ男子」の関与が強いことがわかります。

図表8
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「他人からどう見えるか」はSNS上で「映え」を追い求める心理に通底します。Twitter やInstgram でたえず周囲を見回し、今を捉え、たえず自分をチューニングする。そうした彼らの日々の努力も、このプロファイリングで明らかになりました。彼らへのメッセージの語り口を考える際のヒントとしても気に留めておきたいポイントです。

「テレビ離れ」「クルマ離れ」など、「〇〇離れ」といった文脈で語られることが多い「若者」ですが、精緻にターゲット層を切り取り、丹念にデータをみていくことで、コンタクト・ポイントや語り口など、彼らへのアプローチの糸口がみえてきます。


今回の分析は、インテージの提供する、i-SSP®(インテージシングルソースパネル®)と生活者360°Viewerのデータを用いて行いました。

※1 i-SSP®(インテージシングルソースパネル®)

インテージの主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関して収集したデータです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。
※ シングルソースパネル®は株式会社インテージの登録商標です。

※2 生活者360°Viewer

多面的で精緻なターゲット像を描き出すことにより、生活者理解に基づいた商品・サービス開発やコミュニケーション・プランニングを支援する分析サービスです。インテージの持つさまざまなパネルデータを横断・連携した15,000項目におよぶ膨大なデータから、各お客様企業のマーケティング課題に応じて柔軟にターゲット・セグメントを設定することが可能です。
※ さまざまなパネルデータを横断・連携するという性質上、出力結果のサンプルサイズはデータによって異なります。

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