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プレスリリース客観的なデータ検証に基づく、経営企画・CX推進・マーケ部門向け意思決定支援ツール インテージ、顧客体験と売上の因果関係を可視化する「i-KPIマップ™」を開発
~業績向上につながるKPI設計を実現~
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下:インテージ)は、CX(顧客体験)マネジメントモデル「i-KPIマップ™(INTAGE KPI MAP、商標登録出願中)」を開発しました。本モデルは学術研究や複数業界における独自調査の結果に基づいたオリジナルモデルです。
【「i-KPIマップ™」とは?】
「i-KPIマップ™」は、企業の最終目標(売上など)とCXを結びつける、インテージ独自の分析モデルです。業績に直結するアクションをKPI(重要業績評価指標)軸で整理し、以下のような企業課題を解決します。
- 会社の業績目標と現場のアクションが連動していない → 業績に直結するアクションを明確化できる
- お客様目線でサービス設計ができていない → 従業員意識をお客様目線へ転換させる
- 部署や組織ごとにバラバラに動いている → スピーディな意思決定/調整コストの効率化を助ける
- どこにお金や人員を使うべきか判断できない → 投資とコストの適正化ができる
- KPIの目標値を追いかけるだけになっている → CXの本質理解ができる
このモデルは、顧客の意向(KPI)と感情(感情パス)を体系的に分析し、企業の業績目標(KGI)達成に必要な体感価値(CXファクター)を特定します。これにより、「どの体験が顧客の心を動かし、行動を促し、業績向上につながるのか」が見えてきます。例えば、「機能改善→顧客安心感→継続利用意向の増加→売上向上」というつながりが明確になり、企業として一貫した目標達成と、業績・顧客評価・顧客体験の統合管理が可能となります。
<i-KPIマップ™>

【「i-KPIマップ™」の3つの特長】
「i-KPIマップ™」の独自性は、顧客体験が具体的な業績指標にどうつながるかを可視化する点にあります。カスタマージャーニーに沿って顧客体感価値(CXファクター)を分析し、企業施策と連動させることで、効果的なアクションの優先順位付けが可能になります。
1. 企業視点のKGIと顧客視点のKPIを連携
会社が「売上を伸ばしたい」と考える時、まずは「どうすればお客様にもっと使ってもらえるか」という視点に切り替えます。企業や顧客ごとに変化する売上構成要素(「利用期間」「利用頻度」「利用単価」など)の項目を、顧客視点での「行動意向」で考えることが、KPI設定の第一歩です。
2. 「感情パス(意向に繋がる感情)」を3つの要素で理解する
顧客が行動を起こそうと思うためには、それを後押しする感情が必要です。本モデルは、この「感情パス(意向に繋がる感情)」を、以下の3種類の指標で分析することで、業界を問わない仕組みを構築しました。
- ベース満足:「期待通りの品質やサービスが受けられた」という基本的な満足感
- エンゲージメント:ブランドやサービスへの「愛着・共感」
- スイッチングバリア:競合サービスへ乗り換えるコストや障壁(損をする、切替えの手間など)
3. 具体的な体感価値の特定でKPI向上への道筋を明らかに
KPIの真の目的は、重要な顧客体感価値(CXファクター)を特定し、それを向上させることで事業成果を達成する点です。
CXファクターとは、顧客が商品やサービスとの接点で実際に体感し、満足度や再購入意向に影響を与える具体的な要素(例:応対スピード、使いやすさ)のことです。
<例:飛行機を利用する際のCXファクター>

このように、「i-KPIマップ™」を活用することでユーザー側の心理を明らかにし、企業の業績向上につながるアクションを導くことが可能になります。
【「i-KPIマップ™」の活用ステップ】
「i-KPIマップ™」は様々な業界で活用いただけるよう設計しております。基本的な活用ステップは以下の通りです。
<例:エアライン業界の場合>
1. KGIの設定(利用期間)
売上高増加に留まらず、ホテルやポイントプログラムを通じた長期的な顧客維持をKGIとする。
2. KPIの設定(長期利用意向)
KGIを実現するためのKPIとして「長期利用意向」を設定する。
3. 感情パスの検討
基本的な満足度、エンゲージメント、スイッチングバリアの評価のためユーザーに聴取する項目を決める。
4. CXファクターの特定
予約、接客、機内サービスなどの体感価値(CXファクター)をジャーニーに沿って洗い出す。
5. KPI構造の可視化
アンケートと行動データからKPI・感情パス・CXファクターを評価。統計分析で影響を数値化し、全体像を把握(マップの完成)。KPIへの影響が大きいCXファクターを特定し、リソース配分を最適化。
6. 施策の立案と実施
各部門が連携し、デジタル予約改善、接客研修、ノベルティ改良などのアクションを立案・実行。
7. モニタリングと改善
定期調査とデータ分析で施策の効果を検証し、PDCAサイクルで継続購入意向を向上させる。

【開発の背景と今後の方針】
近年、人口減少による新規顧客獲得の難化、顧客のニーズの多様化・個別化が進む中、多くの企業がCX(顧客体験)向上に取り組んでいますが、実際には「CX向上につながる施策が明確でない」「部門ごとに取り組みが分断され、全社連携が不十分」といった課題に直面しています。
その背景には、「自社のKPIが業績向上に結びついていない」問題があります。顧客満足度や推奨意向などの指標改善が目的化し、顧客との深い関係構築やLTV向上という本質が見失われています。
この課題解決のため、インテージは消費者行動論の学術研究と当社独自の検証(8業界8,537名の大規模調査による顧客の意向指標と感情指標の関係性分析)に基づき、「i-KPIマップ™」を開発しました。
※より詳しい説明については、こちらのページでご案内しています。https://www.intage.co.jp/lp/service/cxm/kpimanagement/release_202504
インテージは今後も継続的な研究を通じて、「i-KPIマップ™」をより精度と実用性の高いフレームワークへと発展させていきます。
【インテージのKPIマネジメント支援サービスについて】
「i-KPIマップ™」活用において、「どの指標を選ぶべきか判断できない」「データ分析リソースが不足している」「具体的な施策に落とし込めない」といった課題をお持ちの企業に、インテージでは下記のようなサポートを用意しています。
- 業界知見に基づいた各層の最適候補リストの提供(KPI、エンゲージメント、スイッチングバリア)
- CXファクター整理手法の提供/支援
- 定量調査・データ分析の支援
- アクション仮説設計の支援
- 追加調査の支援

株式会社インテージ
株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援しています。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指しています。
*「ESOMAR’s Global Top-50 Insights Companies 2024」に基づく(グループ連結売上高ベース)
本件に関するお問い合わせ先
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株式会社インテージ 事業開発本部 CXコンサルティング部
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担当 : 吉武(よしたけ)/塩谷(しおや)
報道関係者からのお問い合わせ先
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株式会社インテージ
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広報担当 : 水口(みずぐち)/下河原(しもがわら)
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TEL : 03-5294-6000